接触分解とは? わかりやすく解説

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せっしょく‐ぶんかい【接触分解】

読み方:せっしょくぶんかい

軽油重油を、触媒用いて加熱分解し、高オクタン価ガソリン製造すること。クラッキング


接触分解

読み方せっしょくぶんかい
【英】: catalytic cracking
同義語: 流動接触分解法  

接触分解は石油灯油上の沸点留分触媒用いて分解して、高オクタン価ガソリン製造する方法であるが、わが国では、通常脱硫された減圧軽油原料主体である。
最近では、C 重油減産対策一つとして残油原料一部使い始めており、残油 100 %設計される装置実用化されている。接触分解法は、1930 年代米国実用化されたが、従来熱分解法比べて生成ガソリン収率高くオクタン価高く、またジオレフィン含まないため、ごく簡単な処理で十分な安定性を示すなどの長所をもっているため、第二次世界大戦後熱分解法に代わって広く採用されてきた。接触分解では、分解反応によって副反応として触媒上にコークス付着するため触媒活性低下する。そのため、触媒上に付着したコークス燃焼除去することによって触媒再生行ってやる必要がある。接触分解法は大別する固定床式、移動床式、懸濁床式および流動床式分けられるが、現在、固定床式と懸濁床式はほとんど行われていない。流動床式fluidized-bed catalytic cracking略して FCC )が圧倒的に多く、接触分解といえば FCCことといっても過言ではない。反応温度は 430 ~ 550 圧力移動床式で約 2kg/cm2流動床式で 0.7 ~ 1.1kg/cm2 程度である。再生温度550660 である。触媒シリカアルミナ触媒またはゼオライト触媒用いられるが、最近ではゼオライト触媒主流である。反応生成物収率および品質は、原料油性状や反応条件により異なるが、収率原料に対して大体ガソリン 3060 vol %、B-B 留分 5 ~ 10 vol %、C3 以下のガス 5 ~ 10 wt %、分解軽油 2050 vol %、コークス 5 ~10 wt程度である。品質は、ガソリンオクタン価リサーチ法で 9093モータ法で 80 前後である。分解ガス水素メタンエタン比較少なく、C3 、C4 留分多く、また不飽和分が多く含まれているので、LP ガスとしては人気がないが、石油化学原料などとして重要である。分解軽油は、普通重油調合材として利用されている。触媒上に付着する形で生成するコークス再生塔で燃焼させるが、この燃焼熱装置熱源となる。

流動接触分解法


クラッキング (化学)

(接触分解 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/17 09:35 UTC 版)

接触分解(せっしょくぶんかい、catalytic cracking)とは、一般的には触媒の作用によって生ずる分解化学反応のことである。クラッキングとも呼ばれる。ここでは石油精製において重油留分を触媒の作用によって分解し、低沸点炭化水素に変換するプロセスについて述べる。粉末状の固体触媒を流動層状態で使用することから流動接触分解FCC(Fluid Catalytic Cracking)とも呼ばれている。




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