孤島の村編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 07:27 UTC 版)
ヴァミリオことアンが目を覚ますと、そこには一面の海が広がっていた。アンは、聞こえてくる物音を頼りにヘルクを探すと、ヘルクはちょうどログハウスを完成させていた。ヘルクに気取られないよう様子を窺っていたアンだったが、背後の茂みから黄緑色のフワフワした鳥のような生き物ピウイが現れ、元気よく挨拶してきたためヘルクに見つかってしまう。アンは戦うべきかどうか逡巡したが、ヘルクから自分たちは現在孤島にいることを聞かされる。二人で協力して魔界へ帰ろうというヘルクの提案に、勢いにつられてうなずいてしまったアンだったが、これまでのヘルクの行動から、ヘルクはもしや敵ではないのかと思い始めていた。その後、食料調達のため、釣りをしながら今後の方針をアンは考えていた。しかし、考えに没頭するあまり魚の食いつきに気づかず、結局釣り糸が切れて魚を逃してしまう。魚を追ってすかさず海に飛び込んだヘルクは、海の底を歩いていたシカのような生物を抱え上げてくるのであった。 一方、ヴァミリオが行方不明になった顛末を報告されたアズドラは、ソファから転げ落ちるほど動揺をあらわにしていた。落ち着きを取り戻したアズドラは、人間たちの動向を懸念しつつも、ヴァミリオが心配で自身のメンタルが持たないという理由から、ヴァミリオの捜索を第一優先とすることに決めた。人探しの術を使い、ヴァミリオの位置を地図上に指し示そうとしたアズドラだったが、地図の外が指し示され、ヴァミリオたちが大陸の外まで飛ばされたことを知るのであった。 ログハウスで目を覚ましたアンの元に、村長に頼まれて朝食を持ってきたという島民が訪ねてきた。しかし、朝食は食べかけで3割ほどしか残っておらず、アンが指摘すると、運ぶ途中にお腹が空いてしまい、頑張って残したとのことだった。朝食を島民に譲り、村まで案内するようにアンは島民へ頼んだ。アンが村へ到着すると、他の島民からは警戒されている様子だった。そこへピウイが現れ、アンの顔面にダイブしてくる。ババァの匂いするとピウイに言われ、動揺するアンだったが、ヘルクが船を作るとピウイから聞いて、ヘルクの元へ急行する。大陸の方角がわかったのかと思いきや、方角はまだわかっておらず先に船だけ作るとのことだった。するとそこへ、村長と思わしき人物がただならぬ様子で現れ、ついてくるようアンたちに命じる。島民たちに囲まれ一触即発の事態かと思われたが、一転して歓迎の宴を始める村人たちのサプライズだった。アンは宴の席で、大陸の方角を村長に尋ねるも、魔女様なら知っているだろうとのことだった。結界があるため魔女様の元へはこちらから行くことはできないが、近日中に村へくるだろうとのことだったので、アンたちはそれを待つことにしたのだった。 ウルム城に取り残されたケンロス、ヒュラ、ドルーシの3名は、運営からの連絡を待ちつつ、周囲の魔物を討伐していた。そこへ覚醒率の高い翼の兵士率いる翼の兵士1000名の大群が現れる。多勢に無勢の窮地だったが、イスタ、ホン、帝国四天王アズドラが救援として駆けつける。共存の道を説くアズドラだったが、王の命に従うのみと翼の兵士たちが聞き入れることはなかった。アズドラはやむを得ず、木の根を操ることで一瞬の内に翼の兵士1000名を捕縛する。降伏するよう呼びかけるアズドラだったが、突如現れた翼の兵士の増援から一斉に弓を放たれる。しかし、この兵士たちの目的は、アズドラたちへの攻撃ではなく、捕縛された兵士たちの殺害だった。そしてリーダー格の兵士の一人が、勇者は何度でも蘇ると言い残し、自害する。ちょうどそのころ、単身で人間の国の王城に潜入していたアスタは、翼の兵士が次々に召喚されるような光景を目撃する。翼の兵士の言動とアスタの報告から、翼の兵士が復活していることをアズドラたちは確信した。アズドラは過去の経験から、翼の兵士が復活するのは人間の王の術によるもので王を倒すと術が止まることを知っていた。また、アスタからの情報で、人間がウルム城へ再び侵攻することを知ったアズドラたちは、ウルム城の防衛、トール城の奪還、人間の王の討伐を目指し、作戦を進めるのだった。 魔女を待つアンたちの元へ、魔女が村へ来たと島民が伝えに現れた。アンは先んじて村へ急ぎ向かうも、来るのが遅かったらしく魔女はすでに帰っていた。自らを責めるアンだったが、さきほど伝達にきた島民はそれを見て、伝えにいく途中疲れて結構寝てしまったのだと謝りながら白状した。しかし、村長の配慮によって魔女の元への結界が解かれたため、アンたちはピウイの案内ですぐに向かうことにした。魔女の家へたどり着いたアンたちを出迎えたのは、ピウイを二周りほど大きくして頭にトンガリを生やした生き物だった。アンは、この生き物が魔女なのかと驚いたが、背後から本当の魔女に声をかけられた。ピウイがババァと呼ぶその魔女は、とてもお婆さんとは言えない見た目で、アンに少し似た女性だった。魔女によるとアンたちが目指す大陸は島の北西にあり、船旅の準備をした上で、航路の途中に通過する厄介な海域を抜けるために、滅多に現れないシカンゴという獣を捕まえるよう助言を受ける。シカンゴの絵を見せてもらうと、それは以前ヘルクが海から抱え上げてきたシカのような生物だった。ヘルクは、今朝もシカンゴを見かけたということで、単身急ぎシカンゴの捕獲へ向かう。アンは魔女の見た目や言動から、もとは帝国の者ではないかと尋ねるが、答えは内緒だった。魔女は、自身のことよりも目の前の問題、ヘルクに集中しろとアンに警告する。魔女曰く、今は大丈夫だがいつまでもそうだとは限らない、ヘルクは大きな災いを招く可能性を秘めている、正しい選択を、と。 すべての準備を終えたアンとヘルクは、ピウイや魔女、島民たちと別れを告げ、大陸を目指して出航するのだった。
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