光合成産物の根から水中への供給と循環(植物-微生物-水棲生物の相互作用)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 08:14 UTC 版)
「アクアポニックス」の記事における「光合成産物の根から水中への供給と循環(植物-微生物-水棲生物の相互作用)」の解説
一般的な土中において植物は、光合成産物の一部をムシゲルなどの形で根から根圏土壌に排出し、その有機物を利用して根圏部の微生物が増殖し、その根圏微生物が排出する物質を根から吸収し利用するという共生を行っている。根圏微生物の多くは、光合成ができないため、植物の生産する光合成産物を利用しているのである。アクアポニックスのように、水中にアンモニアや硝酸のような窒素源がある場合、水中の微生物は植物の根の出す有機物と水中の窒素を利用してアミノ酸やたんぱく質を合成して成長や増殖を繰り返している。このことによって、水中の窒素量が減少し、同時に、水中の微生物量が増加し、植物も水中の窒素を吸収し体内でタンパク質等を合成し成長に利用するという相乗作用が発生していると考えられる。また、根部周辺の微生物の代謝産物の一部も植物によって吸収され、さらに増殖した微生物の一部は、水棲生物の餌となって利用されていることが推測される。 このように、植物による水棲生物の糞尿や残滓分解物の吸収利用に加えて、根から排出される光合成産物と糞尿や残滓分解物由来窒素の水中微生物による利活用と植物-溶液中微生物間の相互作用、水中で増殖した微生物と水棲生物との相互作用という複数のメカニズムが働き、養魚(あるいは養殖)と植物栽培にブースター的に機能してると考えられる。
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