候ふとは? わかりやすく解説

さぶら・う〔さぶらふ〕【候ふ/侍ふ】

読み方:さぶらう

[動ハ四]《「さもらう」の音変化

身分の高い人や敬うべき人のそばに控える。お仕えする。また、宮中など尊い場所にいる。伺候する

女御更衣あまた—・ひ給ひける中に」〈源・桐壺

貴人のそばにうかがう。参上する

今日明日すぐして—・ふべし」〈源・夢浮橋

品物などが貴人のもとにある。お手もと存在する

御前に—・ふものは、御琴も御笛も、みなめづらしき名つきてぞある」〈・九三〉

対話消息用い聞き手に対して自己の存在する意をへりくだりまた、言い方丁重にする語。「ある」「いる」の意の丁寧語ありますございますおります

いかなる所にか、この木は—・ひけむ」〈竹取〉

補助動詞

形容詞の連用形断定の助動詞「なり」の連用形「に」などに付く。補助動詞「ある」の意の丁寧語。…でございます

あさましく—・ひしことは」〈大鏡花山院

動詞連用形付いて、その動作丁寧に表現する。…ます。

「からい目を見—・ひて」〈三一四〉

[補説] 丁寧語さぶらふ」は平安中期ではまだ使用例少なく通常は「はべり」が用いられたが、平安後期からその使用増して「はべり」と交替してゆく。中世になると、「さぶらふ」は「さうらふ」に変化するが、平家物語などでは女性語として用いられる


さむら・う〔さむらふ〕【候ふ/侍ふ】

読み方:さむらう

[動ハ四]《「さぶらう」の音変化》「そうろう」にあたる、中世女性語多く補助動詞として用いる。…でございます

小野小町成れ果てにて—・ふなり」〈謡・卒都婆小町


さ‐もら・う〔‐もらふ〕【候ふ/侍ふ】

読み方:さもらう

[動ハ四]《「さ」は接頭語。「もらふ」は動詞「も(守)る」の未然形「もら」に上代反復継続助動詞「ふ」の付いたもの》

ようすを見守り、よい機会うかがい待つ。よい風向き潮時、また逢瀬などのくるのを待つ。

夕潮に船を浮け据ゑ朝凪(なぎ)に舳(へ)向け漕がむと—・ふとわが居(を)る時に」〈四三九八〉

主君貴人のそばに仕えて命令を待つ。伺候する。→候(さぶら)う

(うづら)なすい這(は)ひもとほり—・へど—・ひ得(え)ねば」〈万・一九九


そうら・う〔さうらふ〕【候ふ】

読み方:そうらう

[動ハ四]そうろう


そうろ・う〔さうらふ〕【候ふ】

読み方:そうろう

[動ハ四]《「さぶらう」の音変化

身分の高い人のそばに控える。伺候する

鈴の綱のへんに、布衣(ほうい)の者の—・ふは何者ぞ」〈平家・一〉

「ある」「いる」の丁寧語

対話消息用い聞き手対し言葉遣い丁重丁寧に表現するございますあります

「これなる磯(いそ)べに様(やう)ありげなの—・ふ」〈謡・松風

自己の存在をいう場合に、へりくだる気持ちこめたり重々しく表そうとする気持ち含めたりする。おります

「いろをし、ここに—・ふ」〈徒然一一五〉

補助動詞

形容詞の連用形断定の助動詞「なり」の連用形「に」などに付く。「…である」の意の丁寧語後世候文として、重々しく表現する消息文などに多く用いられた。…でございます

何事にて—・ふぞ」〈謡・松風

㋑他の動詞連用形付いて、その動作丁寧にまた、重々しく表現する。これも候文多用された。…ます。

「国へ帰りて早一月にも相成り—・う」〈藤村・家

聞こえ—・ふ名馬を見—・はばや」〈平家・四〉

[補説] (1) 現代でも、時に候文重々しい口調利用して冷やかすような表現として用いことがある。「若い者は、仕事楽なほうがいいの、転勤はいやでそうろうのと、勝手なとばかり言う」などはこの例。(2) 鎌倉初期ごろ「さぶらふ」から変化したが、平家物語では男性が「さうらふ」を、女性は「さぶらふ」を用いている。


ぞうろ・う〔ざうらふ〕【候ふ】

読み方:ぞうろう

連語断定の助動詞「なり」の連用形に、補助動詞そうろう」の付いた「にそうろう」の音変化》…であります。…でございます

「身をまったうして敵を滅ぼすをもって、よき大将軍とはする—・ふ」〈平家一一





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