他事業者との共通利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 05:38 UTC 版)
IruCa導入に先立つ2002年2月25日、高松琴平電気鉄道、伊予鉄道、土佐電気鉄道(現・とさでん交通)、JR四国の4社は、各社で使用できる「四国共通カード」(仮称)を、2014年を目処に導入することで合意した。JRを除く各社は、当社のほかICい〜カード(伊予鉄道)、ですか(土佐電気鉄道)と2009年までにICカード乗車券の導入を完了した。しかし、共通カード化に向けた動きは伝えられていない。JR四国は2010年に就任した泉雅文社長の就任決定時の記者会見で、将来的にICカードの導入を進めたい考えを示し、「4 - 5年程度でセットしないといけないだろう」と述べたが、共通カード化については言及しなかった。IruCaの相互利用に関しては2011年に「まず、香川県限定でJRと相互利用できないか検討中」とコメントがあった。その後、2012年3月17日より高松駅・坂出駅に限りICOCAが導入された。2012年7月30日にJR四国はJR西日本とともに、2014年春以降、予讃線の一部と瀬戸大橋線へICOCAを導入すると発表し、2014年3月より香川県内で運用を開始した。JR四国は独自のICカードは導入した場合、JR西日本との相互利用が難しくなる点やICカードの導入コストを抑制するためJR西日本のICOCAを導入することで決着した。ただしJR四国の駅で発売するICOCAは独自デザインとなる。 JR四国のICOCA導入発表後に、IruCaを含めた四国の他のICカード乗車券との相互利用についての見解は表明されていなかった。なお、IruCa(およびICOCA)がサイバネ規格を採用しているのに対し、ですかやICい~カードは非サイバネ規格であるため、現在のカードでは短期的な共通化は困難との指摘がある。 国土交通省は2015年7月15日に公表した「交通系ICカードの普及・利便性拡大に向けた検討会 とりまとめ」の中で、IruCaを含む(相互利用対象外となっている)「地域独自カード」について、全国相互利用可能となっている10カードの「片利用共通接続システム」を構築することで、相互利用可能10カードを独自カード導入交通機関で利用可能にすることを検討するとしていた。 2017年3月4日付の四国新聞によると、2017年度中を目処に、SuicaやICOCAなど、交通系ICカード全国相互利用サービスで使えるICカードを、琴電の電車全路線で使えるようにするとの報道があり、9月28日にはJR側からも正式発表が行われた。相互利用ICカード使用のための事業費は約8億3700万円で、1/3を国の助成で賄い、香川県および沿線自治体(3市4町)も支援を拠出する。 2018年1月22日、琴電における全国相互利用サービス対象のICカードの通用を同年3月3日に開始すると発表され、予告通り3月3日より導入された。 また、将来は相互利用サービス対象ICカードの利用範囲を、ことでんバスが運行する高松空港リムジンバス等に拡大することも検討すると報じられていたが、2019年3月2日からはことでんバス全線(高松空港リムジンバス含む)にも全国相互利用サービス対象のICカードの通用が開始されている。 なお、共通利用開始後も片利用のみでIruCaは他社線では利用できず、一方全国相互利用サービス対象ICカードではIruCaを導入している大川バス・小豆島オリーブバス・コミュニティバス等のバス路線やIruCa用電子マネー端末の利用はできない。また、IruCaの各種割引も相互利用の他ICカードでは適用されない。
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