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こうつう-きかん かう―くわん 6 5 【交通機関】

人の移動物品輸送に利される、道路・橋船舶鉄道などの施設車両船舶航空機などの運輸機関の総称電信電話などの通信機関を含む場合もある。
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交通

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/23 05:14 UTC 版)

(交通機関 から転送)

交通の諸相

交通(こうつう)とは、や物が物理的に行き交うことであり、人間の社会活動に伴って発生する社会現象である。交通の手段・方法として整備された体系を交通機関または交通システムと呼ぶ。交通機関は、人間社会の発達に従って、より高度な手段を提供するように発達してきた。逆に交通機関における技術革新が人間社会の姿を大きく変化させてきた側面もある。

広義の意味での交通とは、人や物などの物理的移動現象のみならず、情報の移動(通信)も含む語彙を持つ。人や物の移動のみに限定する語彙は運輸である。つまり、広義の交通とは、運輸と通信の両方を含む概念である。ただし、一般には、交通という用語は運輸のみを指す用語として使われる場合がほとんどであり、例えば学問上も交通工学や交通経済学といった学問領域は、通信を含めず運輸のみを対象とする場合がほとんどである。

目次

交通の要素

交通を構成する要素としては以下のものがある(交通の3要素)。また、交通は人が移動する場合には意志が介在するため、他の物理現象とは異なる特徴がある。

  1. 人、ものなど、移動するもの(交通主体)
  2. 交通路
  3. 交通路上を走行するもの(交通具)

また、交通を業として営む事業を運輸業という。交通機関を構成する要素としては、次のようなものがある。

交通インフラ
線路道路航路などの交通路空港などの交通ターミナルを指す。単一もしくは複数の交通機関によって網の目のようにめぐらされた交通路を交通網(交通ネットワーク)という。
交通具
車両航空機船舶などを指す。
運行制御
ITS鉄道の運行計画、道路の信号制御、航空管制など。
営業システム
運賃、収益管理、マーケティングなど。

交通の意義/目的

冒頭に記したように、交通は人間の社会的現象の1つである。移動そのものが目的の交通と、移動することが手段の1つの交通が存在する。

前者は、たとえば散歩・散策、サイクリングドライブツーリング鉄道旅行における完乗遊覧船、遊覧飛行、などを挙げることができる。

後者は、通勤/通学/通院/親族訪問/出張などをはじめとした、移動する行為が他の行為の従属的、あるいは派生的な行動になるものである。ほとんどの交通の用途は、この目的であろう。また、物の移動については、全てが、この用途である。

従属的用途としての交通は、本来はないのが理想である。しかし、人間の活動に必要な各種の機能を実現するためには、一定の空間が必要である。また、機能ごとに地域を分割した方が、種々の効率がよくなることもある。そのため、分散した機能を統合的に利用するためには、それらの機能間で相互に連絡することが必要である。これが、交通の意義である。

なお、電信などの電気通信が開発される以前においては、通信・情報伝達のほとんどが移動による伝達であり、従属的用途としての交通と表裏一体であった(例: 伝馬飛脚郵便)。

交通の歴史

交通の起源

文明が生まれる以前は、人々は狩猟によって食料を得、それを自分達だけで消費するだけであったので、遠距離を移動したり、大量の荷物を運んだりする必要はほとんど無かった。しかし、農耕牧畜が始まると、状況は一変する。計画的な食物の生産と貯蔵が可能となり、生産の効率化が進むと、共同体で消費する分より多く生産できるようになった。やがて共同体同士で必要な物資の物々交換が始まり、初めて交通が生まれた。また牧畜では家畜の食料を求めて移動しなければならず、一箇所に定住できないため大量の荷物を運ぶ必要があった。

物々交換を個別に行うのは不便であるため、地理的に離れた場所の取引を一箇所で行うための市場が成立し、物資を市場に運ぶ物流が生まれた。市場はやがて都市に発展し、都市を拠点として、自身は生産せず取引と物流だけを専門に行う商業を営むものが現れた。

このように、交通の変化は経済の発達と不可分のものである。そして交通の仕組みは、経済活動の要求に合わせて進化するように求められた。

初期の交通

もっとも基本的な交通手段は人間そのものが歩行することである。しかし、人間が歩くだけでは、移動距離が限られてしまう。人間は4km/h程度の速度であるので、一日当たりせいぜい30 - 40kmの移動が限界である。人間自身が荷物を担いで運搬することを担夫交通というが、一人の人間が持てる荷物はさほど多くない。一方、動物を利用した輸送は古くから行われた。主にラクダ、あるいはそれらの近隣種が家畜化されて利用された。荷物の運搬に使う家畜を駄獣といい、その輸送を駄獣交通と言うのに対し、家畜に荷車やソリをひかせることを輓獣交通と言う。このように動物を利用することで、人間が単独で行動するときの数倍のスピードや貨物輸送量を得られるようになった。、特に長期間にわたって水を飲まずに行動できるラクダは『砂漠の舟』とも呼ばれ、アラブ世界では自動車が普及するまで重要な輸送手段であった。

また、原始的な交通手段としては、の存在が挙げられる。洪水などで、流木などが流れるのを見て、流木につかまって、移動することを覚えたのだろう。しかし、そのままでは、転覆してしまうので、人間がより乗りやすく、さらに、もっと速く移動することを考え、人力で加速するオール、そして、の力を使って加速し、舟を安定させるが発明された。

車輪の発明

車輪

車輪は紀元前3500年ころ、シュメールで発明され、その後急速にユーラシア大陸の各地に広まった。古代メソポタミア文明でも車輪の絵が残っており、古代中国でも車輪が使われていた。一方で、マヤ文明には車輪を実用化した痕跡はない。

始皇帝は車軌の統一を行った。車軌とは馬車についた2つの車輪の幅のことである。当時は車輪が通ってできる轍がレールのような役割をしており、車はこの轍にはまるように走っていたと考えられている。車軌の異なる馬車が同じ道を通ることは困難であるため、これを統一して流通を容易にした。車軌は鉄道軌間に似た概念であり、馬車によってできた轍が鉄道の起源と言えるかもしれない。

街道の整備

アッピア街道

ローマ帝国時代には、ローマから各地に向かう石畳道路が整備された。これらはローマ街道と呼ばれる。「帝国内の各地にいち早く軍隊を派遣することが出来る」という軍事目的であったが、ここから「すべての道はローマに通ず」という言葉も生まれた。ドイツの観光街道の1つ「ロマンチック街道」は、そのローマ街道が起源である。また、イタリアの「アッピア街道」もローマ街道を起源としており、石畳などはほぼ当時のままの形で残されており、21世紀の現在でも利用されている。ローマ街道のほかにも、当時それぞれの地域で覇権を握った国家によって建設された街道がいくつか存在する。日本では江戸時代五街道が制定され、江戸を中心とした各地への交通網が出来た。国土に遍く整備された街道は中央集権国家の存立には不可欠なものであった。

一方、街道の成立に伴って、その沿道には都市が生まれた。例えば、道路が川を横切る地点(渡津)は交通が滞留しやすく、都市が成立しやすい。また、古くからある街道は、後の時代において新設される主要な交通路のルートに選定されている場合が多く、高速鉄道高速道路の多くは古くからの街道沿いに建設されている場合が多い。そのため、街道沿いの都市は現在も交通の要衝であり続けていることがほとんどであり、今や大都市に成長している例も少なくない。一方で、移動可能な速度によって都市の間隔は決まるために、交通インフラの高速化によって、都市間の競争が起こり古くからの都市が衰退する場合もある。

鉄道の発明

蒸気機関車「ロケット号

近代における交通は、機械を利用した交通手段の発達なしに語ることはできない。その先駆けとなったのは、鉄道の発明である。

鉄道の歴史は古く、現在見られるような鉄道のアイデアは、少なくとも2000年前に登場した。車輪で同じ場所を何度も往復すると、どうしても轍がのこってしまい、これが輸送の妨げとなり、能率的な移動が期待できなかった。そこで、木をしいて、轍ができないようにした。しかし、木だと、すぐ削れる、腐るなどの問題が起こった。そこで、木を鉄板にかえることにより、丈夫なレールができた。しかし、これでも、脱線が起こるという問題が起こった。そこで、レールをL字型にするなど、脱線しないよう工夫がされ、現在のエの字型に落ち着いた。しかしその動力は人力馬力であった。

今日のような原動機の動力を用いた鉄道の出現は1804年トレビシックによる蒸気機関車の発明を待たなければならない。ただこの時点ではまだ実用に耐えるものでは無かった。実用化はスチーブンソン親子によってなされ、1830年、蒸気機関車による世界初の旅客鉄道がリヴァプール-マンチェスターに開通した。その有用性はすぐに認められ、以降、世界中で鉄道建設が進められることになった。ヨーロッパやアメリカでは19世紀中頃、日本では19世紀末から20世紀初頭にかけて、空前の鉄道建設ラッシュが起こり、現在も運行される主要な路線のほとんどはこの時代に、極めて短期間のうちに完成された。都市では路面電車地下鉄が敷設され、市民に身近な交通機関となった。

旅行の大衆化

鉄道が登場するまで、旅行は多くの危険を伴う行為であった。悪路を徒歩や馬車で長時間かけて移動する必要があり、かかる費用も莫大であった。ごく限られた層を例外として、現在では一般的なレクリエーションとしての旅行はまず考えられなかった。しかし、鉄道網の発達は長距離の移動を極めて容易に、しかも安価に実現した。産業革命が生み出した一定の余暇を持つ中産階級の成長に伴って、旅行が余暇を楽しむための趣味として初めて認識されるようになった。

自動車の発明

カール・ベンツによって初めて自動車が発明された。物珍しい存在であった自動車が一般化するのはアメリカでフォード・モデルTが発売されてからである。世界各国でも道路の整備が進み、自動車価格が中流階級が購入可能なものになると普及していった。 自動車の普及(モータリゼーションの進展)は、ドアツードアで移動できるという強さがあるために、鉄道の衰退や、都市の郊外化といった社会への変化も引き起こすことになった。また、世界中で地球温暖化問題が表面化する中で、化石燃料であるガソリンを利用して二酸化炭素などの温室効果ガスを排出する自動車の利用方法が問われるようになってきている。

飛行機の発明

現在

現代人は移動することを生業とするともいえ、建築家の黒川紀章は、牧畜民、農民といった生活形態での区別に、現代人を「動民」(ホモ・モーベンス)として位置づけた。




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