二人の神
『人間万歳』(武者小路実篤) 宇宙の神様が天使たちにとりまかれて、天上に君臨する。神様は自分の脳味噌の垢のかけらが入った生命の水を1滴、地球に落とし、そこから人間が誕生する。隣りの宇宙の神様がはじめて訪れ、2人の神様は語り合う(*→〔多元宇宙〕6)。神様が地上の人間を示すと、隣りの宇宙の神様は、「私の宇宙にも人間がいたが、実に立派に生き、立派に滅んでいった。神や天使のお手本とすべきものだ」と言う。2人の神様は人間を祝福し、「人間万歳」を唱える。
*他世界の仏が訪れ、この世界の仏と対面する→〔仏〕5の『法華経』「見宝塔品」第11。
『サムエル記』上・第5章 ペリシテ軍がイスラエル軍を打ち破り、イスラエルの神の箱を奪った。ペリシテ人は神の箱を、ダゴン神の宮に運び入れる。翌朝見ると、ダゴンはうつ伏せに倒れていたので、人々はダゴンを持ち上げ、もとの場所に据えた。ところがその次の朝、ダゴンはまたうつ伏せに倒れ、しかも頭と両手は切れて離れ、胴体だけでころがっていた。ペリシテ人は、神の箱に賠償の献(ささ)げ物をそえて、イスラエルに送り返した。
『日本書紀』巻5崇神天皇6年 天照大神と倭大国魂(やまとのおほくにたま)の2柱の神を、天皇の居所に祭ったところ、神々は互いの威勢を畏怖して(あるいは、天皇が2神の威勢を恐れて)、共に住むに安からぬ有様であった。そこで天照大神には豊鍬入姫命(とよすきいりびめのみこと)を、倭大国魂には渟名城入姫命(ぬなきのいりびめのみこと)をつけて、別々の所に祭った。しかし渟名城入姫は髪が落ち、身体が痩せて、神を祭ることができなかった。
『日本書紀』巻9神功皇后摂政元年2月 昼の暗きこと夜のごとき日々が長く続き、時の人は「常夜行く」といった。1人の老人が「これは阿豆那比(あづなひ)の罪といい、2つの社の祝者(はふり)を1つの場所に埋葬したための災いであろう」と述べた。そこで棺を改めて、それぞれ別の所に埋めた。すると日の光が輝き、昼と夜の区別がついた。
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