不完全なる数字〈セストゥム〉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 09:31 UTC 版)
「ゼロから始める魔法の書」の記事における「不完全なる数字〈セストゥム〉」の解説
サナレ 声 - 赤﨑千夏 リアの侍女。元はゼロの魔術師団で書写として働き、ゼロの書の写本を作成していた。そのためゼロの書の内容に精通しており、リアに犠牲印の魔法を教え、アクディオスでの事件の黒幕となる。 孤児院の出身で、そこで「無能」「役立たず」と蔑まれた経験から誰かの役に立つような人間になりたいと考えるようになり、さらに役に立たない人間は犠牲にしても構わないという過激な思想を持つに至る。“あの方”という人物に心酔しており、ゼロが危険として封印しながらもその人物がゼロの書の理論から新たに生み出したという死霊の章の魔法を習得する。アクディオスでゼロ達と対峙した後、「不完全なる数字〈セストゥム〉の崇高なる意思の元に」という言葉を残して姿を消した。 孤児院に入る前は親と貧しい生活をしていたらしく、親が病気で倒れた際に貧しいという理由で医者に相手にされず必死に治療を頼んだサナレ自身も厄介な子供として追い払われた末に両親を失ってしまう。この経験から医者という存在をひどく憎んでおり、自分が育った孤児院で自身の傀儡にできるリアを見つけ引き取った。アクディオスにおけるリアを通じた数々の施策によって多くの医者たちの生計を破綻させ、自身の復讐成功を心から喜んでいた。 その後、黒竜島にて人形の姿を借りアムニルの前に現れる。アルゲントゥムを亡くし動揺するアムニルの心につけ込み、その体を奪ってラウルと共に再び姿を消す。 ウェニアス王国では十三番へのわだかまりを捨てられないアルバスの強情さを利用しソーレナの魂であると偽って接触、アルバスへ十三番への不信感を抱かせ両者の関係を決裂させることに成功する。ゼロや傭兵の前にも度々現れては挑発し去っていくが、実はゼロの中では早い段階でサナレを捕まえる方法を見つけていたため実際には泳がされていたに過ぎなかった。更に十三番もある程度のサナレの暗躍を見抜いた上で泳がされていたため、実際には十三番が確実にサナレを捕えるタイミングを見計らっていたことに気付き激怒する。その段階で泥沼の魔女が十三番と対峙したことで、実は自分は泥沼の魔女にさえ見捨てられており、ゼロや十三番に泳がされることを前提に使われていただけに過ぎないと理解する。 泥沼の魔女から見捨てられたことで逃走を考えるが、完全に屈服させたと思っていたアムニルとラウルは確実にサナレを追い払うタイミングを探るため雌伏していただけであり、ゼロたちと共同作戦でアムニルの体をアムニル自身に取り戻されてしまう。アムニルの体に戻れなくなったことでゼロが作った泥人形に強制的に封印され、動くだけで体が崩れ消滅してしまう状態になってしまう。更に誰も開けないであろう物置に泥人形のままで放置され物理的な脱出も不可能となる。魔力を使って魂を脱出させるという精神的な脱出を図るも、すでにそれを見越していたゼロによって脱出も封じられる。精神的に脱出するための条件としてサナレに用意された見張り番はこれまでサナレが陰謀で命を奪ってきたティーオをはじめとする犠牲者達の魂であり、彼ら全員の許しを得ないと永遠に脱出することができないと教えられ愕然とする。ティーオの魂にも許しを乞うが相手にされず、自身のやってきたことを初めて嘆く。 ゼロによればサナレの封印は百年から二百年単位のものであり、それまでに許しを得ねば泥人形自体が消滅してしまうらしい。更にその時間にサナレの魂が摩耗しないという保証はないため実質的に最期まで閉じ込められるに等しい刑となっている。サナレが生き残るにはティーオ達の魂に許してもらえるよう反省し謝罪し続けるしかないため、ゼロとしてはサナレが心から反省し謝罪することを願っている。 アルゲントゥム あらゆるものを観測し記録する星瞰の系統に属する魔術師。アルゲントゥムとはラテン語で銀の意。ゼロもその名を知る程の高名な魔術師であるものの、肉体の維持に割ける魔力が少ないために寿命を迎えつつある。先の短い自身の命への焦りから“不完全なる数字”に入り、黒竜島という二国で争い合う閉鎖された環境に魔法を広めることによって、今後世界に魔法が広がると何が生じるかの実験を行っていた。彼によれば魔法を知った黒竜島における七年間の出来事は全世界が魔法を知った際の百年間の姿に当たるらしく、もはや自身やゼロの思惑とは関係なく世界は動乱の時代にはいると確信している。 アムニルの魔法の師匠でもあり、死が目前に迫ることを悟る中ゼロにアムニルを助けるよう頼むなど、師匠としての情も持ちあわせていた。その後、自身の観測から導いた予言通り、断罪のために訪れた神父に命を奪われた。 あの方 アルバスの台詞中にて初出。当初はゼロの魔術師団にて十三番を指して用いられていたが、ウェニアス王国から十三番が去ってからも、“不完全なる数字”の指導者としてサナレの台詞に登場。“不完全なる数字”には夢のような形で現れ、指示を出すだけで消えていくため具体的に誰が“不完全なる数字”であるのかは指導者以外では互いに把握できない状態となっている。その後、“不完全なる数字”における「あの方」は十三番ではなく、既に死んだと思われていたゼロと十三番の「お師匠さま」たる泥闇の魔女であることが判明する。
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