リチウムの毒性と副作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 16:11 UTC 版)
「リチウム塩」の記事における「リチウムの毒性と副作用」の解説
リチウムを使用する人は定期的に血液検査を行い、甲状腺及び腎臓が毒性により損傷を受けていないか6-12か月おきに監視するべきである。これは塩であるので、リチウムは脱水症を引き起こす。熱により加速される脱水症はリチウム濃度を上昇させる。 高用量のハロペリドール、フルフェナジン、またはフルペンチキソールをリチウムと同時に使用すると中毒性の脳障害を起こすとの報告があり、おそらく危険である。 リチウムの毒性はナトリウムの枯渇により増強される。現在の遠位曲尿細管へのナトリウムの吸収を阻害する利尿剤(例:サイアザイド)の使用は危険であり、避けるべきである。軽症の場合にはリチウムの投与を中止し、ナトリウムと水分を十分に与えれば毒性を失う。2.5mEq/Lを超える血漿濃度は通常緊急治療を要する重大な中毒を呈する。ここまで毒物濃度が達すると中毒症状が最大になるまで1~2日間を要することがある。 アメリカでは一般の錠剤 (Lithium Carbonate)、および徐放錠 (Eskalith CR) が入手可能であるが、このような違いは生態学的利用能に多大な差異を生じさせ、形態の変更は治療開始時と同じ注意が要求される。リチウムの単純な塩のどちらかを選ぶことにはさほど理由がない。炭酸塩が広く流通しているが、クエン酸塩も入手可能である。なお日本国内では徐放錠は発売されていない。 リチウム塩の副作用は、下痢、嘔吐、振戦、線維束攣縮、多飲症、多尿症、眩暈、筋力低下、嘔吐、頭痛、発語障害、運動失調、昏迷、心不整脈、発作までさまざまである。甲状腺機能低下症(無症状甲状腺機能低下症)などの副作用もある。 多く見られる副作用として、多尿・多飲が60%、次いで手指振戦と体重増加が共に37%という報告がある。手指振戦は男性に多く、体重増加は女性に多いとされる。
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