マルチモード‐ひかりファイバー【マルチモード光ファイバー】
読み方:まるちもーどひかりふぁいばー
《multimode optical fiber》光ファイバーのうち、光を通すコアが太いものを指す。低コストであるが、長距離・広帯域の通信には向かない。→シングルモード光ファイバー
マルチモード・光ファイバー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 00:42 UTC 版)
「光ファイバー」の記事における「マルチモード・光ファイバー」の解説
マルチモード・光ファイバー(Multi mode optical fiber)は、光が多くのモードに分散して伝送されるものである。 シングルモード型と比較して以下の特性がある。 コア径が太く曲げに強い 光ファイバー同士の接続や光ファイバーと機器との接続が比較的容易である 伝送損失等が大きく長距離伝送に向かない 安価である グレーデッド・インデックス型 グレーデッド・インデックス(Graded index、GI)型は、屈折率分布型とも呼ばれ、コアの屈折率が動経方向に対して二次関数的に連続変化するようなものである。中心から離れるに従って屈折率を小さくしているため、光が徐々に屈折しコアに閉じ込められることになる。また、媒質中の光の速度は屈折率に反比例するため、光の速度は中心から離れるにつれて速くなる。これにより、斜めに進む光と直進する光が端から端まで到達する速度は同じになり、伝送波形が崩れにくい。ステップ・インデックス型に比べ製造が難しく高価になりがちであるが、高速伝送が可能である。ガラス製の場合、クラッド外径が125 μm、コア径が50 μm、62.5 μmの2種類があり、10 Gbpsで500 mの中距離高速伝送が可能である。完全フッ素化ポリマーを使用したプラスチック製の場合、クラッド外径が500 μm、コア径が120 μmであり、10 Gbpsで100 mの伝送が可能である。 マルチステップ・インデックス型 マルチステップ・インデックス(Multi-step index、MI)型は、コアの屈折率が動経方向に対して段階的に変化するものである。SI型とGI型との中間的な性質を持つ。 ステップ・インデックス型 ステップ・インデックス(Step index、SI)型は、コアとクラッドの界面のみで屈折率が不連続に変わるものである。コアとクラッドの境界面で全反射するような角度で入射させ光を伝送する。しかし、斜めに入射した光が中央を真っ直ぐ進む光より長い距離を進み到達時間が長くなることになり、長距離伝送後に元の波形が崩れてしまうという欠点がある。グレーデッド・インデックスに比べ製造が簡単で安価であるが、高速伝送・伝送距離などの特性はやや劣る。プラスチック製の場合クラッド外径が1,000 - 750 μm、コア径が980 - 500 μm程度であり、LEDを光源とした400 Mbpsで10 m程度までの伝送が可能である。音声やビデオの短距離伝送に用いられている。
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