ドーム‐きゅうじょう〔‐キウヂヤウ〕【ドーム球場】
ドーム球場
ドーム球場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 02:06 UTC 版)
詳細は「ドーム球場」を参照 ドーム球場とはグラウンドをドーム形状の屋根で覆った野球場のこと。天候に左右されずにゲームを開催できるという長所がある。 世界初のドームスタジアムは1965年アストロズの本拠地として建設されたアストロドーム。日本初のドームスタジアムは1988年完成の東京ドームである。現在、日本でプロ野球チームの本拠地として使用されているドーム球場には東京ドーム(1988年)、福岡ドーム(1993年)、ナゴヤドーム(1997年)、大阪ドーム(1997年)、西武ドーム(1999年)、札幌ドーム(2001年)がある。地方には大館樹海ドーム(2軍戦が開催)、出雲ドームなどが存在する。 ドーム球場は屋根の仕様から大まかに2つのタイプに分類することができる。1つ目のタイプは屋根の素材にテフロンコーティングのガラス繊維膜材などを使用し、場内を陽圧化することで屋根を持ち上げるタイプである。東京ドームやアメリカのメトロドームがこれにあたる。2つ目のタイプは天井を鉄骨屋根で覆うタイプである。福岡Yahoo!JAPANドームをはじめ日米問わずほとんどの球場がこの方式を採用している。その他にも木造建設の大館樹海ドーム、屋外野球場に屋根をかぶせた西武ドームなど、珍しいケースもある(「西武ライオンズ球場」時代は無蓋だった)。 当初は、屋根で場内を完全に密閉した密閉式のドーム球場が多かったが、青空・夜空の下での野球観戦を希求する声が強くなるにつれて、天候によって屋根を自由に開閉できる開閉式ドーム球場が登場した。世界初の開閉式ドーム球場はモントリオール・エキスポズの本拠地だったオリンピックスタジアムで、1988年改修されて簡易開閉式となった(同球場は設計ミス・故障により屋根を開閉できない状況が続いた)。当初から開閉式として建造されたドーム球場はブルージェイズの本拠地として1989年完成したロジャース・センターである。このスタジアムは日本初にして唯一の開閉式ドーム球場である福岡ドーム(福岡ヤフオク!ドーム)の設計に影響を与えている。 開閉式ドーム球場が生まれた当初はあくまでドーム球場であることを売りとしており、造形的にも屋根の開閉が可能なドーム球場としての色彩が濃かった。日照量が足りないこともあり、スカイドーム(ロジャースセンター)、福岡ドーム(ヤフオクドーム)は人工芝である。 アメリカでは1990年代以降、レトロ調ボールパークがブームになるにつれ、開閉式の屋根を建設するにしても、悪天候時のみ屋根を閉じる前提の設計とし、フィールドには天然芝を敷設し、屋根はドーム形状を用いない、「ドーム」を名乗らない、などボール・パーク色の強いものとなっていった。チェイス・フィールド、T-モバイル・パーク、ミニッツメイド・パーク、アメリカンファミリー・フィールドなどがその代表例である。これら球場に屋根が設置された理由は、チェイス・フィールド、ミニッツメイド・パーク、アメリカンファミリー・フィールドについては所在地特有の暑さ・寒さを避けるために、T-モバイル・パークは雨の多いシアトルの気候を考慮されたためである。一例としてチェイス・フィールドのナイトゲームの場合、午後4時の地元チーム練習開始に合わせて屋根は閉じられ、午後7時の試合開始に合わせて再び屋根が開く。この開閉に必要な時間はわずか4分程度、電気代は2ドルとされている 一方、日本で唯一の開閉式ドーム球場であるヤフオクドームは日照量の問題、騒音問題、強風、開閉する際にかかるコストなどの複合的な要因で、2000年以降は特別に指定した試合を除き、屋根を開けて試合を開催しない状態になっている。野球場ではないが、サッカー場として建造された天然芝の御崎公園球技場では、日照や通風などの問題で芝の生育が不良になるという問題も発生している。 1999年完成の西武ドームは、屋根を支えるための、客席のみを覆うドーナツ状の鉄傘を取り付ける第1次工事が完了した1998年度に西武ライオンズ球場から一時的に西武ドーム球場(翌年正式に西武ドームへ改称)へと改称したが、グラウンド部分には屋根がなく降雨時にはもちろん雨天中止となった。このようにドーム球場ではないにもかかわらずドームを名乗るという珍しい状況が1年間続いた。屋根完成後も、観客席後方と屋根の間に隙間は存在したままであり、ドーム球場であるのにもかかわらず場外本塁打が生まれる。
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