トラムと次世代型路面電鉄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 08:11 UTC 版)
「フランスの交通」の記事における「トラムと次世代型路面電鉄」の解説
フランスでは19世紀後半から大都市を中心にトラムが整備されていたが、自動車の普及などから1930年代終盤にはリールやマルセイユなどの都市を除きその姿を消していった。しかし1980年代からは再びトラム、そして次世代型路面電鉄(ライトレールと呼ばれることもある)が陽の目を浴び始め、現在はパリ近郊をはじめフランス国内の多くの都市で市民の足となっている。 以下は現在トラムまたは次世代型路面電車が走る街と開業年度である。なお開業年度は「現在運行がなされている路線」の開業年度を指す。 第二次世界大戦以前サン=テティエンヌ(1881年) リール(1909年) 1945年~1999年ナント(1985年) グルノーブル(1987年) パリ近郊(1992年) ストラスブール(1994年) ルーアン(1994年) 2000年~オルレアン(2000年) モンペリエ(2000年) ナンシー(2000年、ゴムタイヤトラム) リヨン(2001年、フランス最大のトラム網) カーン(2002年、ゴムタイヤトラム) ボルドー(2003年) クレルモン=フェラン(2006年、ゴムタイヤトラム) ミュルーズ(2006年) ヴァランシエンヌ(2006年) ニース(2007年) ル・マン(2007年) マルセイユ(2007年) トゥールーズ(2010年) このほかアンジューやディジョンで建設が進んでいるほか多くの都市で建設が検討されており、フランス本土以外でもマルティニークのフォール・ド・フランスでもトラムの建設計画がある。 このトラムの再興により、フランスでは鉄道の車両開発と走行システムの双方に技術的な影響を大きく与えた。給電システムとしては、地表集電方式と呼ばれる、架線ではなく線路の間に走る第三軌条から電力を受ける仕組みが開発され、2003年にボルドーで導入された。これはボルドー市の古い町並みの中で電力を架線により供給するのが困難であったためで、現在ではヨーロッパの各都市のほかゴールドコーストやブラジリア、ドバイなどでも使用されている。車両開発としては、ストラスブールを走るユーロトラムが挙げられ、外観もより通常の鉄道に近く、全面に窓を設けるなど開放的な造りとなっている。またフランスのアルストム社が開発した超低床電車シタディスは窓の形状やドアの数、編成車両数などを鉄道会社が自由選択できるようにし、より革新的なデザインを提供することに成功した。最新型のシタディス・デュアリスは最高速度時速100km以上を想定したトラムトレインであり、500m~5kmの停車間隔を想定して作られている。
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