ターセル
英語で、雄の隼の意味。1978年8月に初代モデルが登場した。
初代は、トヨタとして史上初のFF車、というタイトルが付いた。通常FF車はエンジンを横置きするが、このクルマでは縦置きとし前輪を駆動したこともユニークだった。新設計SOHC・4気筒1.45Lユニットは縦置き搭載でもスペース的に問題なく、しかも抑振性に優れていることがその理由だった。ボディ形状は2ドアと4ドアのセダン、そして2ドアでリヤにガラスハッチをもつタイプの3種を用意。価格は4ドアSEグレードで94万6000円。79年6月、1.3Lエンジンを追加した。
82年5月、2代目に進化。4ドアセダンと5ドアハッチバックの2種のボディに、1.3Lと1.5Lエンジンを縦置きに搭載した。84年8月のマイナーチェンジで4WD車を追加。86年5月に3代目デビュー。3ドア、5ドアハッチバックをフルチェンジしたが、4ドアセダンはマイナーチェンジにとどめられた。3ドアにリトラクタブルヘッドランプを採用したことが特記事項だった。1.5Lのディーゼルターボエンジンも新設定。90年9月のモデルチェンジで、ボディスタイルは3ドアハッチバックと4ドアセダンになった。駆動方式はFFとフレックスフルタイム式に進んだ4WDがあった。先代からのキャンバストップや電動ムーンルーフ付き仕様も用意。エンジンは進化したが排気量は変わらなかった。
94年9月に5代目を発表。ボディは従来型と同じで、外形寸法もほとんど変化なし。エンジンも3種と変わらないが、実用性重視のチューニングになった。運転席SRSエアバッグや4輪ABSを全車にオプション設定。
96年8月、全車にABS、デュアルSRSエアバッグ、ハイマウントストップランプを標準装備した。97年12月、GOAボディを採用すると同時に、バンパーとフロントグリルを新デザインに変え、マルチリフレクターヘッドランプを採用した。その後は変更もなく、99年7月、生産を終えた。
トヨタ・ターセル
(ターセル から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/21 21:33 UTC 版)
ターセル(TERCEL)は、トヨタ自動車がかつて製造・販売していた小型乗用車である。
- ^ a b c 「この初代ターセルはカッコ良すぎる!」二度見必至の圧巻オバフェン仕様!【ManiaxCars】 - Web Option(株式会社三栄) 2020年8月7日。
- ^ 2010年代の日本車ではBOXERゆえ縦置きにならざるを得ないスバル車の中で唯一前輪駆動車の設定があるインプレッサ以外に見られない。
- ^ トヨタ初の横置きエンジン前輪駆動車は1982年発表の2代目カムリ/初代ビスタとなった。
- ^ 主査の佐々木紫郎は、「米国トヨタで売っているので最も大きい車はターセルだ」と言われたことがある
- ^ 発売時点では、東京・名古屋以外のディーゼル店はすでにカローラ店へ鞍替えしたため、ディーゼル店での取り扱いは東京・名古屋地区のみだった。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第11号25ページより。
- ^ 4ドアセダンは1990年まで。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第13号15ページより。
- ^ 3ドア、5ドアにかかわらず設定。リアバックドア部分の右端に「Turbo-D」と表記された小型のオーナメントが貼られている。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第15号13ページより。
- ^ “ターセル(トヨタ)1990年9月~1994年8月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月13日). 2020年1月13日閲覧。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第17号13ページより。
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第29号11ページより。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第29号11ページより。
- ^ 言い換えればコストダウンしたのがはっきりとわかる外観であった。コストダウンは外装のみならず、シャーシや塗装の品質にも及んでおり、当時のほとんどのFF車が克服していたFF車特有の癖(ステアリングホイールにエンジンのトルク変動が伝わるトルクステア、発進時にガクガクするスナッチが出るなど)が現れたり、また経年時にほとんどの個体で塗装の剥げが見られたりした。なお、このような傾向は基本プラットフォ-ムを共有する2代目サイノスや5代目スターレット、初代ラウムにもほぼ同様の現象が見られた。
- ^ “ターセル(トヨタ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2002年1月13日). 2020年1月13日閲覧。
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