スケクシス族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 05:37 UTC 版)
猛禽類の鳥類に似た、この異世界の醜悪な支配者。手足二本ずつの種族に見えるが、実は退化したもう一組の手を、金襴緞子の分厚い衣装の下に隠している。ダーククリスタルの城を根拠とし、巨大な黒水晶(ダーククリスタル)が放射する負の力を利用し、千年もの間、覇者としての暴政と、退廃に満ちた生活を続けたが、長い年月の間に一族は減りつづけ、残るは皇帝をのぞいて、わずか九名に過ぎない。性別はなく、それぞれ一代限りの不死の存在だが、生命力の衰え自体はどうにもならず、「大合致」の際に三つの太陽からもたらされる膨大なエネルギーによる回春を待ち望んでいる。醜い権力争いを繰り返しているが、互いに殺しあうことだけはスケクシス族自体の破滅を招きかねないために自制し、代替の「石の裁き」などの儀式を行い、ガーシムなどの兵器にも、スケクシス族の同族には攻撃が出来ない禁忌事項を設けている。 皇帝(スケク・ソ) 物語の冒頭で、鉱物が砕け散るかのような醜怪な死を見せるスケクシス族の最高権力者。自らの生命力の復活のために「大合致」を死の床で待ち望んでいたが、それも叶わず、最期の言葉は自らの権力への執着だけだった。 侍従長(スケク・シル) スケクシス族の死にゆく皇帝の側近であるが、忠実というよりは慇懃無礼な物腰で次の皇帝の座を狙う野心家である。皇帝の死により、野心を露わにするが、同じくスケクシス族の将軍と「石の裁き」の争いに敗れ、地位も衣服も奪われ、ダーククリスタルの城から荒野に追放の憂き目を見るが、「預言」に語られたゲルフリン族が生きていたことを知り、自分の地位を回復するために、さまざまな策謀を巡らす。鼻がかった声が将軍から嫌われている。 将軍/ガーシムの長(スケク・ウング) 将軍とは言え、スケクシス族が指揮する兵士は、科学者(スケクシス族)が魔術で作り出したガーシムたちでしかない。スケクシス族の中でも、もっとも乱暴な彼は、ガーシムたちを指揮して、ゲルフリン族の大虐殺や奴隷としてのポッド族の調達を行い、スケクシス族の覇権を永遠のものとすることに最も貢献していた。「石の裁き」に勝利して、侍従長を追放し、次代の皇帝となった。 典礼長(スケク・ゾク) 本来ならば、皇帝亡き後、侍従長、将軍と張り合うべき派閥の長のひとりだが、儀式を主宰するという立場を利用して、侍従長と将軍の争いに傍観者の立場を貫き、結果的には新たな皇帝=将軍に次ぐ地位を占めることに成功した。 科学者(スケク・テク) スケクシス族の最大の武力であるガーシムや「クリスタルの蝙蝠」、「生命のエキス」製造装置などを作り上げたのが、科学者である。本来ならば、スケクシス族の覇権確立に最大の貢献を成したとして、もっと高い地位にいても不思議はないが、当人が自分の研究成果を示すことしか興味がないことと、あまりのマッドサイエンティストぶりに他のスケクシス族の誰からも理解されずに放置されている。研究のために自分の片腕や片目を取り除いて、自作の人工臓器に置き換えてしまっている。 記録保持者(スケク・オク) スケクシス族の歴史を記録するのが、記録保持者の職務ながら、将軍などは残された記録が正確なのか、勝手に自分の功績を水増ししていないのか、いつも疑っている。長い嘴に3つの眼鏡をかけている。 装飾師(スケク・エクト) スケクシス族は性を持たない種族だが、装飾師だけは明瞭に女性的なパーソナリティである。装飾師としての職務がどのようなものなのかは分からないが、少なくとも自分の身を飾ることには、熱心である。装飾師にはゲルフリン族は醜怪に見えるようで、美的感覚は人間とは相当に違う。 奴隷の長(スケク・ナ) 隻眼で、片腕は鉤爪の義手となっているのが奴隷の長である。生命のエキスを抜かれたポッド族は頭髪はほとんど抜け、灰色の眼となり、自発的な意志を奪われ、奴隷の長の命令に服す奴隷となる。奴隷の長が、失策をしでかした奴隷に下す刑罰は苛烈で、首を引き抜くなどは平然とやってのける。鉤爪はそのために使われる。 美食家(スケク・アユク) 一番肥え太っているのが、美食家である。スケクシスの宴席シーンは彼の最大の見せ場であった。スケクシス族の宴会の献立、酒肴、味付け等の采配は彼の役割だが、スケクシスたちの暴食を満足させるというものでもない。 財務官(スケク・ショッド) 将軍からは「金銀宝石にしか興味を持たない」と評されているのが財務官である。集めた宝石で身を飾っている。
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