コンセプトと創造
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『荒野の用心棒』は黒澤明監督の『用心棒』を基に制作された。そのため、このキャラクターは『用心棒』で三船敏郎が演じた型破りの浪人を参考にしている。この2人のキャラクターには無口、粗野、皮肉屋、流れ者、凄腕といった共通点がある。また、普通の正義漢でないところやある武器の達人というところ(三船は日本刀、イーストウッドはリボルバー)も同じである。 イーストウッドの演じたキャラクターもまた、三船の浪人役と同じで本名不詳である。三船演じる浪人は名を聞かれたときに『用心棒』では“桑畑三十郎”と(桑畑を見ながら)、『椿三十郎』では“椿三十郎”と(ツバキを見ながら)、偽名で答えている。また、三船は映画の中でよく懐手(腕を着物の中に隠す)をしているが、イーストウッドの手もポンチョで隠れている。イーストウッドも、『荒野の用心棒』に出演する前に『用心棒』を観て、黒澤監督と登場人物に感銘を受けたと語っている。『荒野の用心棒』では彼は三船を完璧に真似ようとはしなかった。むしろ、脚本の一部のセリフを削ってさらに無口で謎めいた男に仕上げた。3部作が進むにつれて、このキャラクターは更にセリフが少なく、ストイックになっていった。 なお、『用心棒』自体がダシール・ハメットの『血の収穫』が基になっていると言われている。黒澤研究家のデイヴィッド・デサーと映画評論家のマニー・ファーバーは、はっきりと『血の収穫』が基であるとしている。レオーネも "黒澤の『用心棒』はアメリカのハードボイルド小説が基になっている。だから私が物語の舞台を元に戻した" と語っている。黒澤は、ハメットを映画のクレジットには加えなかったが、彼自身も参考にしたことを認めている。ハメットの『血の収穫』の主人公の名は不明 ― 名無し ― 探偵事務所で働くコンチネンタル・オプとだけ明かされている。 その後ブルース・ウィリス主演で『ラストマン・スタンディング』(1996年)という映画が制作されているがこれは『用心棒』の公式リメイク作品である。 イーストウッドの監督、主演作『ペイルライダー』の主人公も劇中、名前は明かされない。原語の英語では「Preacher」、日本語吹替・字幕では「牧師さん」と呼ばれ、名無しの男のまま舞台の街を去っていく。
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コンセプトと創造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 07:18 UTC 版)
『スター・ウォーズ』の草案では、ハン・ソロは緑色の肌で鼻がなく、巨大なエラを持つエイリアン種族であり、同時にジェダイ=ベンドゥ(ジェダイ・オーダー)のメンバーでスカイウォーカー将軍とも面識があるという設定だった。後にソロは口髭を生やした華麗な海賊に変更され、ルーカスは物語を3人の人間(ルーク、レイア、ソロ)を中心に進展させることに決め、草案のエイリアンの代わりにソロの助手としてチューバッカをデザインした。最終決定稿で、ソロは「タフなジェームズ・ディーン的スタイルの宇宙パイロット」に変更されている。ソロは皮肉屋で機知に富んだ密輸業者であると同時に現実的な人間でもあり、自身を実利主義者だと思っている。しかし、彼はルークたちとの冒険を通して他者への思いやりの心を持つようになっていく。 ルーカスは自身の監督作『アメリカン・グラフィティ』のキャストを『スター・ウォーズ』に起用することを避け、ソロ役にはアル・パチーノ、クリストファー・ウォーケン、ジャック・ニコルソン、シルヴェスター・スタローン、カート・ラッセル、ビル・マーレイ、スティーヴ・マーティン、ロバート・イングランド、ニック・ノルティ、バート・レイノルズなどが候補に挙がっていた。しかし、『アメリカン・グラフィティ』の出演者であるハリソン・フォードが、レイア役のオーディションの相手役を務めた際の演技が認められ、ソロ役に起用された。ルーカスは、フォードのことを「面白いキャラだけど、嫌な奴にもなれる奴だ」と評価していた。 『シスの復讐』の初期案では、キャッシークでグリーヴァス将軍の行方を探すヨーダを助ける10代の少年として登場する予定となっていたが、ルーカスはキャスティングを始める前にソロの登場シーンをカットすることに決めている。また、フォードは映画の中で「ソロは死ぬべきだ」と考えており、『ジェダイの帰還』ではソロを殺すように求めたがルーカスに拒否されている。『フォースの覚醒』で、ソロは息子カイロ・レンに殺されるが、監督のJ・J・エイブラムスは彼が殺されることで、レンがダース・ベイダーの後継者として成長する機会を与えたという点で映画に貢献していると述べている。シリーズ最終作『スカイウォーカーの夜明け』にもわずか数分程度ながら重要な役回りで登場しているが、フォードは何故かノンクレジットになっている。
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