エネルギーペイバックタイム
エネルギー‐ペイバックタイム
エネルギーペイバックタイム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/08 13:33 UTC 版)
エネルギーペイバックタイム(Energy Payback Time, EPT、EPBT、エネルギー回収年数とも)とは、エネルギー(電力や熱)を生産(もしくは節減)する設備の性能を表す指標の一種である。特定のエネルギー設備に対して直接あるいは間接的に投入したのと同量のエネルギーの消費を、その設備からのエネルギーの生産によって回避できるまでの運転期間を言う。発電所などのエネルギー生産設備や省エネルギー設備などのライフサイクルアセスメントに用いられる。 EPTは利用対象(燃料)のエネルギー密度(エネルギー収支比)と密接な関係がある。
- ^ a b c d e f 内山洋司、山本博巳、発電プラントのエネルギー収支分析、電中研報告書 No.Y90015
- ^ a b c EPT/EPRの定義(産業技術総合研究所)
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- ^ The Most Frequently Asked Questions about Wind Energy
- ^ 再生可能エネルギー源の性能(産業技術総合研究所)
- ^ M.B. Reilly, At UC, Energy Savings Equals Economic Savings, 9/15/2008
- ^ 産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター、太陽光発電のEPT/EPRについて
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- ^ 内山洋司、発電システムのライフサイクル分析、電力中央研究所報告 Y94009、fig.11
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- ^ P.J.Meier, G.L.Kulcinski, Life-Cycle Energy Requirements and Greenhouse Gas Emissions for Building-Integrated Photovoltaics, April 2002.
- 1 エネルギーペイバックタイムとは
- 2 エネルギーペイバックタイムの概要
- 3 誤差要因と対策
- 4 関連項目
エネルギーペイバックタイム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 15:53 UTC 版)
「太陽光発電の環境性能」の記事における「エネルギーペイバックタイム」の解説
エネルギーペイバックタイム (EPT) とは、ライフサイクル中に投入したのと同量のエネルギーを発電によって節減できるまでの時間を言う。太陽光発電の場合、ライフサイクル中の投入エネルギーはその殆どが設備の生産エネルギーであり、これにメンテナンスや廃棄時のエネルギーが加わる。廃棄過程については元々小さいかプラスになり(リサイクルの効果を参照)、無視することもある。設備の欧米の複数メーカーを対象とした近年の調査結果では、EPTは欧州南部の場合で1.7 - 2.7年、欧州中部で2.8 - 4.6年である。日本での現状に基づく2007年度の調査では、下記のように1 - 3年程度となっている。 太陽光発電のエネルギーペイバックタイム(年)多結晶Si単結晶Sia-Si/単結晶Siヘテロ接合薄膜SiハイブリッドCIS系住宅用 基本ケース 2.20 3.01 2.42 1.75 1.41 リサイクル促進ケース 1.65 2.40 1.90 1.35 0.96 公共・産業用 基本ケース 2.58 3.38 2.75 2.31 1.89 リサイクル促進ケース 1.91 2.66 2.13 1.75 1.30 これは現状で一般的な技術に基づいた推計である。今後普及が見込まれる技術を用いた場合は、さらにEPTが短く(性能が高く)なると各国で見積もられている。 上記に含まれないものとしては、太陽追尾装置を備える集光型システムにおける解析で、ドイツで稼働させた場合はEPTが12 - 16ヶ月、スペインで稼働させた場合はEPTが8 - 10ヶ月になるなどの報告がある)。
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