アルフ号の携わった主な事件
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「アルフ・フォン・ムト・ハイム」の記事における「アルフ号の携わった主な事件」の解説
真岡銃砲店襲撃事件 1971年2月17日午前2時半頃、栃木県真岡市にある銃砲店を、電報配達を装った男ら3人組が襲い、猟銃10丁、空気銃1丁、散弾1,500発あまりを奪い逃走した(真岡銃砲店襲撃事件)。同4時過ぎ、北区岩淵町交番前に設けられた赤羽警察署署員の検問を1台のライトバンが突破、間もなく建物に衝突し大破しているのが発見され、乗っていた男2人が徒歩で逃走したと見られたため警察犬の出動を要請され、天野とアルフ号が出動した。周辺を捜索し、においの痕跡が消えた場所を中心に捜査したところ、アルフ号がかすかな物音に気づき、住宅のゴミ集積場に潜んでいた2人を発見、緊急逮捕した。この事件はいわゆる京浜安保共闘グループによるもので、2人は同グループの重要人物であった。この功績によりアルフ号は、警察犬としては初めて警視総監室へ招かれ、本多丕道警視総監(当時)手ずから警視総監賞の首輪とメダルを授けられたのをはじめ、刑事部長賞、公安部長賞、警ら部長賞、栃木県警本部長賞を受賞して「五冠王」と報道され、全国的な話題となった。 あさま山荘事件 1972年2月19日から2月28日にかけて、連合赤軍メンバー5人が長野県北佐久郡軽井沢町の保養施設「浅間山荘」に立て篭もったあさま山荘事件では、先だって森恒夫と永田洋子を逮捕した妙義山中に他の連合赤軍メンバーがまだ潜んでいる可能性があると見た群馬県警察により、捜索の応援として真岡事件で知られたアルフ号の出動を要請され、襲撃を得意とする同僚のバルダ号(メス・当時3歳)と共に出動、2月19日から21日にかけ雪深い山中を捜索し、雪中に埋められていたダイナマイトやパイプ爆弾、連合赤軍の出納記録を記したノートなどの遺留品約300点を発見、さらに野宿した痕跡を2つ発見してメンバーらの足取りを明らかにし、22日に交代の犬に任を譲って帰京した。なお、この事件では浅間山荘に立て篭もったメンバーが戸外へ出たところを警察犬に襲撃させる案もあり、警視庁警察犬訓練所からも増援が出されたが、アルフ号は先の捜索による疲労を回復させるためと都内での事件発生に備え参加せず、また警察犬による襲撃も実現しなかった。アルフ号はこの事件での功績により、2度目の警視総監賞と、公安部長賞、長野県警本部長賞を受賞した。 ビル荒らし「クモの陣十郎」事件 1972年7月8日、東京都中央区日本橋通3丁目にあるビルの管理人の通報により駆けつけた中央警察署の警官が、ビルとビルとの間を身軽によじ登る不審な男を発見し包囲したが見失った。要請を受けアルフ号と同僚のクラウディス号(オス・当時3歳)が出動、犯人の逃走経路を正確に追って遺留品を見つけ、逃走を図る犯人の逮捕に貢献した。犯人は度々ビル荒らしを行っていた前科10犯の男で、サーカス出身の軽い身のこなしと侵入手口から、当時放送されたNHK大河ドラマ「赤穂浪士」に登場した怪盗にちなみ「クモの陣十郎」とあだ名されていた。2頭はこの功績により、刑事局長賞、刑事部長賞、署長賞を受賞した。 世田谷連続放火事件 1973年11月3日午前2時から同4時頃にかけ世田谷3丁目と4丁目にて連続4件の不審火が発生、いずれも小火で済み、現場付近から逃げ出した男を間もなく確保したが、容疑を否認し続けたため、アルフ号により、まず現場付近の住宅の庭に落ちていたサンダルが男のものであることを証明し、そのサンダルの匂いが4件の火災現場に繋がることを証明したところ、男は自分が放火したことを認め、さらに同年1月から周辺で複数回発生した不審火についても自供した。この事件でアルフ号は署長賞を受け、また、犬舎へ直々に訪れた刑事課長より牛肉代として金一封を贈られたという。 陣場高原女子学生暴行事件 1975年4月15日、陣場高原へハイキングの下見に来た女子学生2人が、「森林警備隊員」を騙る男に山中で暴行された。被害者は2人とも翌日昼までに保護されたが、彼女らの証言から身許の判明した犯人は周辺の山岳に慣れた男で、潜伏先として陣場山から和田峠、市道山、臼杵山にかけての広範囲が想定されたため、警察犬の出動を要請された。クラウディス号(当時6歳)と共に出動したアルフ号は、クラウディス号が臼杵山から、アルフ号が陣場山から互いに向き合う方向に捜索を進め、まずクラウディス号が遺留品のロープを発見、同号とすれ違ったアルフ号は臼杵山のふもとで潜伏先と見られる農家を発見し、天野の報告を受けた五日市警察署署員が翌朝、その小屋で犯人を逮捕した。この事件でアルフ号は、刑事部長賞と署長賞を受けた。 新宿傷害男事件 1975年6月13日、新宿の寿司店へ借金取立てに訪れた暴力団員の男が、経営者の対応に腹を立て肉きり包丁で切りつけ、2ヶ月の重傷を負わせた。その後、血まみれの男を乗せたタクシー運転手の通報で駆けつけた警官が、男の降車した場所で血染めのハンカチを発見した。出動したアルフ号は、まず凶器の包丁を発見、さらに容疑者の自宅をつき止め、戸外に飛び出した男が逮捕された。
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