STS-51 宇宙遊泳

STS-51

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 05:09 UTC 版)

宇宙遊泳

宇宙遊泳中のウォルツ

9月16日、ジェームズ・ニューマンカール・ウォルツは宇宙遊泳を行い、道具やテザー、足の保持具の評価を行った。彼らの調査結果は、ハッブル宇宙望遠鏡のサービスミッションの設計者と計画者に、彼らの準備が適切であったことを確信させた。これらの宇宙遊泳は、STS-49のミッションで明らかとなった、宇宙遊泳訓練の脆弱性への応答として行われた準備的な宇宙遊泳の、3度目で最後のものとなった。この大規模な宇宙遊泳の際に試験された新しい装置は、1993年12月のハッブル宇宙望遠鏡サービスミッション(STS-61)で必要となった。これはこの宇宙遊泳の目的の1つにすぎず、ニューマンとウォルツは、彼らが感じた地上訓練と軌道上の違いを地上管制に対して、長々と説明した。2人は、一日の大半でスケジュールを上回り、当初計画した以上の仕事をこなした。

2人の宇宙飛行士が掃除をした際、ディスカバリーの帰還のために嵩張った道具箱の蓋をこじ開けて閉じなければならず、時間を要した。道具箱の蓋のために宇宙遊泳の時間が計画よりも約45分伸び、合計7時間5分28秒となった。これは、人類の宇宙飛行の歴史上、112回目の宇宙遊泳となった。

主目的以外の実験

キャビン内のペイロードには、アメリカ空軍マウイ光学観測所のAuroral Photography Experiment-B (APE-B)、Commercial Protein Crystal Growth (CPCG)、Chromosome and Plant Cell Division in Space (CHROMEX)、High Resolution Shuttle Glow Spectroscopy-A (HRSGS-A)、IMAX、Investigations into Polymer Membrane Processing (IPMP)及びRadiation Monitoring Equipment-III (RME-III)等があった。Investigation into Polymer Membrane Processing (IPMP)は、様々な高分子膜の気孔率の制御のために、対流のない環境で複数の溶媒系の混合を研究するために設計された。RMEは、宇宙飛行の間じゅう、キャビン内のガンマ線電子中性子陽子の放射レベルを測定した。

機体上で、ミッションスペシャリストのジェームズ・ニューマンは、宇宙における内耳のバランスの欠如を視覚がどのように補正するかの調査の一環として、無重力で視覚を試験する医療実験を行うための特殊なバイザーを着用した。またニューマンは、スペースシャトルのナビゲーションの補助として用いるため、飛行するディスカバリーの中でGPS受信機の試験を行い、成功した。さらに、宇宙ステーションの運用に先駆け、ディスカバリーの燃料電池の1つの停止と再起動が行われた。

別の医学的な評価では、身体への無重力の悪影響への対策としての運動の有効性を検証するための継続的な研究の一環として、船長のフランク・カルバートソンとミッションスペシャリストのダニエル・バーシュがローデッキのステーショナリーバイクを漕いだ。また、無重力での膜フィルターの改善や植物細胞への無重力の影響に関する実験も行った。

ウォルツとニューマンは、効果を詳細にフィルムに残す分光計とカメラを用いて、"glowing effect"を調査するために設計された実験を行った。酸素原子以外に光を発する気体の種類に関する情報を得ることが期待された。大気圏の先端域の気体の種類についての情報は、カーゴベイでの材料曝露実験と組み合わせて、将来の宇宙船の設計と建造に役立たせることができる。

ミッション徽章

5つの白い星と1つの黄色い星は、このミッションの番号が51番であることを示している。また右側には、三角形のSPAS-ORFEUSが描かれている。




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