S端子 信号の拡張

S端子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/21 09:31 UTC 版)

信号の拡張

従来のS端子での信号の他にワイドクリアビジョンやダウンコンバートしたHDTV映像などアスペクト比16:9、いわゆるワイドテレビ対応の信号を追加したS1およびS2端子も定義されている。この拡張は色信号Cにバイアス電圧を加えることで区別され、端子側の対応による(後述)が最大3種類までを識別できる。使用するケーブルやコネクタは同じである。

S1端子
4:3映像と16:9映像の判別が可能。流れる映像信号はNTSC準拠なので、16:9映像の場合は左右を圧縮し4:3映像になっている。その信号(16:9映像の識別情報はスクイーズ信号ともいう)を受けた対応テレビ側は、4:3映像を左右方向へ引き伸ばし表示する。
S2端子
S1信号の4:3映像と16:9映像に加えて、16:9映像の上下に帯を付加して4:3にしたレターボックス信号(LB信号)の識別が可能。LB信号を受けた対応テレビ側は、横方向を16:9サイズにズームした上で上下の帯をカットして表示する。

本来、C線は直流信号を伝送するよう規定されていなかったため交流結合されて判別機能を備えない映像機器を経路の中間に挿入することで識別が不可能になる。この欠点を克服するために、垂直帰線期間内の映像信号に特殊な識別信号を重畳させているものもある (「ID-1」)。

S端子形状

S端子の比較

S端子の形状は基本的にmini DIN 4pinである。mini DINコネクタは通常コネクタの内側に向かって出っ張りがあるが、日本では外側に出っ張りのあるものが一般的に使われている。

通常の機器ではメスコネクター側にも切り欠きがあるため問題なく挿入できるがメーカーによっては機器には切り欠きがないことが多く、通常のS端子ケーブルを接続できなかったり、無理に接続すると外せなくなる場合がある。また、そういった機器を使用する方法として過去のApple製コンピュータに使用されたADB (Apple Desktop Bus) ケーブルを代替利用することが可能である[注釈 5]

脚注


注釈

  1. ^ ED Betaの開発当初にはまだS端子は存在していなかったため、SONYはRGB端子の採用を検討していた。結局、先行して発売されたS-VHSに採用されたS端子の有効性を認め、SONYもそれに追随した。
  2. ^ なおDVDレコーダーBDレコーダーは2011年現行モデルでも従来通りS2/S1入出力端子を搭載している。
  3. ^ これに加え、2014年以降の新機種は著作権が保護されたコンテンツのアナログ出力が不可となる。
  4. ^ Y/C分離のYはYxy表色系で明るさをあらわすYから、またCはギリシャ語で色彩をあらわすChromaから採られたと言われる。
  5. ^ メスコネクターには、よりピン数の多い6ピンや7ピンのmini DINコネクタを使用してコンポーネント映像出力もできるようにしたビデオカード専用のものも存在する。S端子として使用するときは4ピンのS端子ケーブルを使用できるがコンポーネント映像端子として使用する場合は同梱の変換ケーブルが必要な場合が多い。

出典



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