L-グルコース L-グルコースの概要

L-グルコース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/18 14:41 UTC 版)

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L-グルコース
識別情報
略称 L-Glc
CAS登録番号 921-60-8
PubChem 10954115
日化辞番号 J208.556I
EC番号 213-068-3
特性
化学式 C6H12O6
モル質量 180.16 g mol−1
密度 1.54 g/cm3
への溶解度 91 g/100 mL (25 °C)
危険性
EU Index not listed
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

L-グルコースは自然界の高等生物においては見出されないが、実験室において化学的に合成することができる。L-グルコースは味ではD-グルコースと区別できないが[1]解糖系の出発酵素であるヘキソキナーゼによってリン酸化されないため生物のエネルギー源にはならない。既知の例外の一つは植物病原細菌のBurkholderia caryophylli英語版である。この細菌はL-glucoseを酸化することができるD-threo-アルドース-1-デヒドロゲナーゼを含んでいる[2]

使用

L-グルコースは甘味を示す(D-グルコースよりもやや弱い)にもかかわらず、エネルギー源として利用されないため、低カロリー甘味料としての利用が提唱されている[3]。誘導体であるL-グルコース ペンタアセタートはインスリンの分泌を刺激することが明らかにされている[4]。また、緩下作用を示すことが明らかにされており、大腸洗浄(コロンクレンジング)剤としての利用が提唱されている[5]


  1. ^ A Natural Way to Stay Sweet, NASA, http://spinoff.nasa.gov/Spinoff2004/ch_4.html 2009年9月2日閲覧。 
  2. ^ Sasajima, K.; Sinskey, A. (1979). “Oxidation of l-glucose by a Pseudomonad”. Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Enzymology 571: 120–126. doi:10.1016/0005-2744(79)90232-8. PMID 40609. 
  3. ^ SPINOFF 2004:A NATURAL WAY TO STAY SWEET” (英語). NASA. 2005年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月31日閲覧。
  4. ^ Malaisse, W. J. (1998). “The riddle of L-glucose pentaacetate insulinotropic action”. Int. J. Mol. Med. 2 (4): 383–388. PMID 9857221. http://www.biomedexperts.com/Abstract.bme/9857221/The_riddle_of_L-glucose_pentaacetate_insulinotropic_action_review. 
  5. ^ Raymer, G. S.; Hartman, D. E.; Rowe, W. A.; Werkman, R. F.; Koch, K. L. (2003). “An open-label trial of L-glucose as a colon-cleansing agent before colonoscopy”. Gastrointest. Endosc. 58 (1): 30–35. doi:10.1067/mge.2003.293. PMID 12838217. 


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