Key (ゲームブランド) Key (ゲームブランド)の概要

Key (ゲームブランド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 15:46 UTC 版)

Key
ジャンル 成人向け美少女ゲーム
一般向け美少女ゲーム
企業名 株式会社ビジュアルアーツ
審査 ソフ倫
主要人物 麻枝准
折戸伸治
Na-Ga
樋上いたる(2016年退社)
デビュー作 Kanon
1999年6月4日
最新作 プリマドール:冬空花火/雪華文様
2023年4月28日
公式サイト Key 公式サイト
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概要

Keyは、株式会社ビジュアルアーツを代表するゲームブランドである。恋愛アドベンチャーゲームに「泣き」「感動」「笑い」の要素を取り入れた「泣きゲー」ジャンルの草分けかつ代名詞的存在として知られる。また、Key Sounds Labelという自社レーベルを持ち、Keyブランドのゲームのオリジナルサウンドトラック等はすべてこのレーベルから発売される。

通称は「鍵」と略されることが多く、Keyの熱心なファンは「鍵っ子」と呼称されることが多い。また、アクアプラス傘下のゲームブランドであるLeafと並ぶ有名ブランドであることから「葉鍵」と呼ばれることも多い。

これは、Keyの作曲家である折戸伸治が1996年までLeafに所属していたことから、2つのブランドのファン層が少なからず重なっていた事も影響している。また、2000年に大規模匿名掲示板2ちゃんねるにおいて、leaf,key掲示板(通称「葉鍵板」)という独立した板が作られ、ファン同士の交流の機会が多かったことも大きい。そして、2001年に同人文化の総本山であるコミックマーケットジャンルコードに「Leaf & Key」の項目が設けられたこと事により[1]、この呼び方が一般に浸透していった。このジャンルコードは2013年冬開催のコミケまで使用されていた[2]。(ちなみに、「「鍵っ子」「葉鍵」は現在は完全に死語である)

しかし、2014年現在では両ブランドの作品傾向は大きく異なっているため、ファン層の乖離が顕在化しており、KeyとLeafを一括りにする考え方は、現状に則していない面も大きい。

第1作『Kanon』、第2作『AIR』、第3作『CLANNAD』、第6作『リトルバスターズ!』、第7作『リトルバスターズ!エクスタシー』と、フル規格の作品で初版10万本以上の大ヒット級と言える売上がある。ブランドが立ち上がってから10年以上が経過しているにもかかわらず、長期にわたり人気が安定している息の長いブランドである。

後の作品になるほどエンターテイメント性が強化されており、作中のミニゲームとしてシミュレーションRPGや野球ゲームなどが製作されている。ノベルゲームとして見ても、独特の手法が後進のゲームブランドやゲームシナリオライターに与えた影響は大きく、奈須きのこ竜騎士07[3]などがKeyから影響を受けたと語っている。

Key原作のゲームは、京都アニメーション東映アニメーションなどにより積極的にアニメ化されてきた。アニメ化されることによって原作の認知度も上がり、それがKeyブランドの地名度向上や売上につながっている。また、2010年にはKey社内スタッフが脚本を手掛けたオリジナルアニメ作品『Angel Beats!』が、2015年には麻枝准が原作・脚本を手掛けたオリジナルアニメ作品『Charlotte』がP.A.WORKSによって制作され、さらに2016年には『Rewrite』がエイトビットにより制作されるなど、近年はこれまで以上に様々なアニメーション会社により制作されている。

また2007年には、インターネットラジオKeyらじ』の配信を開始するなど、精力的な活動展開を繰り広げている。

沿革

MOON.』『ONE 〜輝く季節へ〜』を開発した主力スタッフが、Nexton傘下のゲームブランドであるTacticsから、株式会社ビジュアルアーツへ移籍したことにより設立された[注釈 1]。この初期メンバーのうち、シナリオ担当の麻枝准久弥直樹、音楽担当の折戸伸治、原画担当の樋上いたるは、現在でも業界内で著名である。

1999年発売の処女作『Kanon』は、事実上の前作である『ONE 〜輝く季節へ〜』が話題作であったことからも注目を呼んで大ヒットとなり、恋愛アドベンチャーゲームに「泣き」「感動」の要素を取り入れた、いわゆる「泣きゲー」と呼ばれるジャンルを確立することとなった。この結果、本ブランドは第1作目から、アクアプラス傘下のゲームブランドLeafと並ぶ、当時の恋愛アドベンチャーゲームのトップブランドに位置することとなった。

2000年には第2作『AIR』を発表、「泣きゲー」として初回限定版売り上げ10万本以上の大ヒット作品となり[注釈 2]、その安定した実力を示した。

2001年には第3作となる『CLANNAD』の制作発表がなされたものの、それから2年余り発売の目処がつかない状態が続いた。最終的に『CLANNAD』は2004年全年齢対象作品として発売された。2作目と3作目の間に発売期間が開いていたにもかかわらず、人と人との「」をテーマに描かれた壮大な物語は深い感動を呼び、エンターテイメント性も充実していたことから、10万本以上を売り上げる3度目の大ヒット作品となった。また「家族」や「絆」を扱ったテーマから、ギャルゲーのゲームジャンルでは珍しく女性ファンも急増した。

2004年には『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』が、2005年には『智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜』が、小規模作品として発売された。

その後、2007年には第6作『リトルバスターズ!』が全年齢対象として、2008年には第7作『リトルバスターズ!エクスタシー』が成人向け作品として発売された。Keyがそれまであまり扱ってこなかった「友情」をテーマに感動を呼び起こす物語が描かれ、またエンターテイメント性も前作『CLANNAD』以上に大幅に強化され、10万本を超える4度目の大ヒット作となった。

Key設立から10年目の2009年2月28日から3月1日にかけて、Key10周年記念イベント「10th KEY MEMORIAL FES, 〜あの日から始まった僕らの時を刻む唄〜」が開催され、10周年記念限定品として『Key 10th Memorial BOX』が販売された。

2010年6月25日には『リトルバスターズ!エクスタシー』のスピンオフ作品として『クドわふたー』が発売された。

2011年6月24日に発売した『Rewrite』は、シナリオに田中ロミオ[注釈 3]竜騎士07[注釈 4]が外注として参加している。『Kanon』以来(企画は『AIR』以降)、前作『リトルバスターズ!エクスタシー』まで企画・シナリオ執筆・音楽制作を担当し、メインシナリオライターとして活躍してきた麻枝准はいったん筆を置く事を宣言しており、音楽担当およびQC(クオリティコントロール / 制作監督)として参加している。

2016年9月20日、原画家の樋上いたるがビジュアルアーツを退社したことを発表した[4]

同年、Key15周年記念作品として『Harmonia』が製作され、2016年9月23日に英語版を発売、同年12月29日にコミックマーケット91で日本語版を限定発売。2017年5月26日には日本語版を一般発売した。

2016年12月9日、「Key New Project」として『Summer Pockets』の製作が発表された[5]


注釈

  1. ^ このため、コミックマーケットジャンルコードなどで『MOON.』、『ONE 〜輝く季節へ〜』は、Keyのゲームとして扱われている。
  2. ^ 本ブランド作品の売上推移の一例として挙げるが、2005年時点でAIRの累計売上は30万本とされている(詳しくは本項『AIR』)
  3. ^ 代表作に『CROSS†CHANNEL』(フライングシャイン)、『人類は衰退しました』がある。
  4. ^ 代表作に『ひぐらしのなく頃に』がある。
  5. ^ 『Kanon』『AIR』『CLANNAD』(『智代アフター』)『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』『リトルバスターズ!』『Rewrite』『Angel Beats!』

出典

  1. ^ C60ジャンルコード一覧”. 2011年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月9日閲覧。
  2. ^ コミックマーケット85ジャンル補足”. 2013年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月17日閲覧。
  3. ^ 竜騎士07 (2004年7月9日). “実はKEYのエッセンスが…(苦笑)”. 07th Expansion. 2009年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月15日閲覧。
  4. ^ 樋上いたるさんがビジュアルアーツを退社!なぜ独立の道を選んだのか…独占インタビュー!”. アニメイトタイムズ (2016年9月20日). 2016年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月20日閲覧。
  5. ^ Key New Peoject 始動。”. key.visualarts (2016年12月9日). 2016年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月10日閲覧。
  6. ^ PC用ゲーム「Angel Beats! -1st beat-」公式サイト”. 2013年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月30日閲覧。
  7. ^ PC用ゲーム「Harmonia」英語版公式サイト”. 2016年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月26日閲覧。
  8. ^ PC用ゲーム「Harmonia」公式サイト”. 2016年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月21日閲覧。
  9. ^ LOOPERS 公式サイト”. Key. 2021年3月5日閲覧。
  10. ^ planetarian Ultimate Edition 公式サイト”. Key. 2021年6月18日閲覧。
  11. ^ LUNARiA -Virtualized Moonchild- 公式サイト”. Key. 2021年12月24日閲覧。
  12. ^ 終のステラ 公式サイト”. Key. 2021年9月10日閲覧。
  13. ^ プリマドール:冬空花火/雪華文様【キネティックノベル】”. Key. 2023年1月27日閲覧。
  14. ^ "anemoi -アネモイ-". Key 公式サイト. 2023年11月15日閲覧
  15. ^ “Key”10周年記念イベントを開催”. ファミ通.com (2009年1月27日). 2012年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月20日閲覧。
  16. ^ PSP版『智代アフター〜It's a Wonderful Life〜CS Edition』の詳細が発表”. マイコミジャーナル (2008年9月18日). 2009年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月20日閲覧。
  17. ^ アニメKanon(第一作)公式HP”. 2013年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年10月8日閲覧。
  18. ^ アニメKanon(第二作)公式HP”. 2013年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年10月8日閲覧。
  19. ^ アニメAIR公式HP”. 2013年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年10月8日閲覧。
  20. ^ アニメCLANNAD公式HP”. 2014年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月5日閲覧。
  21. ^ 『Angel Beats!』公式HP”. 2014年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月10日閲覧。
  22. ^ アニメ『リトルバスターズ!』公式HP”. 2014年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月5日閲覧。
  23. ^ TVアニメ「Chalrotte(シャーロット)」公式サイト”. 2015年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月6日閲覧。
  24. ^ TVアニメ「Rewrite」公式サイト”. 2015年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月26日閲覧。
  25. ^ Inc, Aniplex. “TVアニメ「神様になった日」公式サイト”. kamisama-day.jp. 2020年11月23日閲覧。
  26. ^ 劇場版AIR公式HP”. 2013年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年10月8日閲覧。
  27. ^ 配信・劇場アニメ「planetarian(プラネタリアン)」公式サイト”. 2016年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月24日閲覧。
  28. ^ 劇場版「クドわふたー」公式サイト”. 2021年3月8日閲覧。
  29. ^ Key新作『Summer Pockets』発表!ヒロイン公開&制作陣に独占インタビュー!”. 電撃G’sマガジン. 2018年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月9日閲覧。





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