2005年J2最終節 2005年J2最終節の概要

2005年J2最終節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/14 06:32 UTC 版)

なお、本記事ではJ1昇格を果たした京都パープルサンガアビスパ福岡の動向や、J2の3位チームが出場したJ1・J2入れ替え戦についても併せて記載する。

最終戦までの経緯

J2全体では前評判どおり京都が独走していたが2位以降は混戦で、3位の札幌から9位の水戸まで勝ち点差が6の中に7チームがひしめき合う状態で前半戦を折り返した。シーズン後半も勢いが止まらず首位を独走していた京都は第37節に水戸ホーリーホックを3-1で下し、自動昇格となる年間2位以内を決めた。

第39節までの順位(上位6チームまで)
順位 クラブ名 勝点 得点 失点
1 京都パープルサンガ 87 27 6 6 78 34 +44
2 アビスパ福岡 67 18 13 8 62 43 +19
3 ヴァンフォーレ甲府 62 17 11 10 72 53 +19
4 ベガルタ仙台 60 17 9 13 60 44 +16
5 コンサドーレ札幌 56 15 11 13 45 46 -1
6 モンテディオ山形 54 13 15 11 46 41 +5

第40節・第41節

第39節終了後、甲府は天皇杯でJ1のジェフ千葉相手にフルメンバーで120分間戦ったことが影響したのか[1]、天皇杯から中2日でおこなわれた40節の水戸戦では2人の退場者を出したこともあり、0-3と大敗[2]。一方、仙台は草津を1-0で下し[2] 前節の4位から3位に順位を上げ順位を甲府を逆転した。甲府は翌41節の山形戦もスコアレスドローに終わり[3]、2位福岡が40節に続き勝利したため自動昇格の2位以内が絶望的となった。

第41節までの順位(上位6チームまで)
順位 クラブ名 勝点 得点 失点
1 京都パープルサンガ 93 28 7 6 83 38 +45
2 アビスパ福岡 73 20 13 8 67 43 +24
3 ベガルタ仙台 64 18 10 13 62 45 +17
4 ヴァンフォーレ甲府 63 17 12 11 72 56 +16
5 コンサドーレ札幌 57 15 12 14 48 52 -4
6 モンテディオ山形 55 13 16 12 48 45 +3

第42節

2005年第42節コンサドーレ札幌戦
後半ロスタイム時メンバー

2005年第42節コンサドーレ札幌戦
先発メンバー

甲府と仙台は第42節を同じ11月23日に迎え、3位の仙台はホーム仙台スタジアムで水戸と、勝ち点差1の4位の甲府は札幌ドームで5位の札幌と対戦した。

札幌と甲府の試合はまず前半19分に札幌のFW清野智秋が先制点を挙げるが、甲府も前半39分に長谷川のゴールで追いつき1-1で前半を折り返す。後半開始早々の48分、札幌のMF砂川誠がゴールを決め1-2と逆転。その後甲府も攻めるものの、連戦の疲れからか思うように得点を挙げられず後半ロスタイムに突入する。その頃、仙台は水戸に3-0で勝利していた。この時点で札幌のJ1昇格の可能性が消滅。また甲府もこのまま負けると仙台との勝ち点差が残り2試合で4に広がり、昇格の可能性が絶望的になってしまう。

しかしロスタイムに入って間もなく、甲府はパスを受けた長谷川が右サイドでDFをかわしてゴールを決め2-2の同点とする。勝利を目前として追いつかれ、また昇格の可能性が消えたことを知った札幌守備陣がここで落胆。それから間もなくして、右側から甲府MF藤田健がゴールめがけてロングパスを送る。そこへ後半途中から入った須藤が頭で押し込み3-2と逆転。更にクリアボールを処理しようとした札幌GK林卓人が蹴ったボールはミスキックとなって味方DFに当たり、流れたボールを須藤が押し込み4-2とし試合終了。甲府は土壇場での大逆転で、3位仙台との勝ち点差は1のまま残り2試合を戦うことになった。

この節、福岡が徳島ヴォルティスと引き分けて2位以内が確定し自動昇格を決めた一方で、山形はザスパ草津に勝利したが仙台が勝ったため札幌とともに昇格の可能性が消滅した。

第42節までの順位(上位6チームまで)
順位 クラブ名 勝点 得点 失点
1 京都パープルサンガ 94 29 7 6 87 38 +49
2 アビスパ福岡 74 20 14 8 67 43 +24
3 ベガルタ仙台 67 19 10 13 65 45 +20
4 ヴァンフォーレ甲府 66 18 12 11 76 58 +18
5 モンテディオ山形 58 14 16 12 52 45 +7
6 コンサドーレ札幌 57 15 12 15 50 56 -6

第43節

甲府は小瀬陸上競技場(現・JIT リサイクルインク スタジアム)で福岡と、仙台は仙台スタジアム(現・ユアテックスタジアム仙台)で京都と対戦。

福岡はこの試合シーズン18得点を挙げたグラウシオと守備的MFとしてチームに貢献したホベルトの両ブラジル人選手を欠いていたが、攻め急ぐあまり得点が奪えず逆に福岡のプレスサッカーの前に甲府DF陣が崩壊し、前半だけで0-3とリードされる。

仙台は前半を終えて0-0のスコアレスで、このまま引き分けでも甲府との勝ち点差が2に広がり、仮に最終節で引き分け以上であれば甲府が勝利しても得失点差で大きくアドバンテージがあり、3位がほぼ確定するところまできていた。しかし後半18分に京都FWのアレモンに決められ0-1となり、その後も仙台は京都の堅固なる守備の前に得点を挙げることができずに試合終了となった。

小瀬の試合は後半も一方的な展開となり、結局甲府は0-5と福岡の前に大敗した。ホーム最終節、かつ入れ替え戦進出がかかった試合での大敗に甲府サポーターからブーイングが飛んだが、大木武監督はサポーターに対し、「まだ1試合残っています。もっと言えばあと3試合残っていると思います。」と入れ替え戦への意欲を口にした。

第43節までの順位(上位4チームまで)
順位 クラブ名 勝点 得点 失点
1 京都パープルサンガ 97 30 7 6 88 38 +50
2 アビスパ福岡 77 21 14 8 72 43 +29
3 ベガルタ仙台 67 19 10 14 65 46 +19
4 ヴァンフォーレ甲府 66 18 12 12 76 63 +13

最終節

概要

甲府は西京極陸上競技場で京都と、仙台は東平尾公園博多の森球技場(現・ベスト電器スタジアム)で福岡と対戦。この試合仙台は福岡に勝てば甲府の結果に関係なくJ1・J2入れ替え戦に出場できた一方で、甲府は仙台の結果に関係なく京都に勝利しなければ入れ替え戦に進出できない苦しい状況であった(上述の通り甲府が引き分けて仙台が負けでも甲府が3位になる可能性はあったが、得失点差が6も離れていたため現実的ではなかった)。さらに甲府はこの年圧倒的強さでリーグを制した京都に3戦3敗と相性が悪く、既に入れ替え戦出場が確定していた柏レイソルも福岡にスタッフを派遣するなど仙台戦を想定した対策を練っていた。

前半

まず試合が動いたのは西京極で前半9分に京都FW田原豊がヘディングシュートで先制するも、前半40分に長谷川が京都DFリカルドのパスミスを狙ってボールを奪い、そのままドリブルシュートを決め同点に追いつく。一方で博多の森は膠着状態となり、ともに得点を挙げることができないまま、前半が終了した。

  • 前半終了時の途中経過
    • 甲府1-1京都
    • 仙台0-0福岡

後半

後半開始早々の4分に福岡のMF古賀誠史がゴールを決め仙台は先制を許すものの、西京極の試合経過を随時聞いていた仙台の都並敏史監督や選手は落ち着いており、20分にはフリーキックから仙台のDF村上和弘がゴールを決めると選手や仙台サポーターは歓喜に包まれた。その頃西京極は甲府が攻め込むものの得点を挙げることができず時間だけが過ぎていった。

  • 後半35分時点の途中経過
    • 甲府1-1京都
    • 仙台1-1福岡

後半40分、山本英臣が倒されフリーキックを得る。藤田がゴールへ向けてボールを上げるとDFアライールが頭で合わせてこのシーズン初ゴールを決め逆転に成功する。甲府逆転の一報はすぐに博多の森にも届き、このままでは入れ替え戦に進出できない仙台は2001年J2最終節で昇格を決めるゴールを挙げた財前宣之など3人のMFを投入して逆転を狙うもこの年鉄壁を誇っていた福岡のゴールを割ることができずそのまま試合終了となった。

一方、このまま守りきれば入れ替え戦出場が決まる甲府は後半ロスタイムに杉山新が抜け出した田原を自陣ペナルティエリア付近で倒し、一発レッドカードで退場、ペナルティエリア付近から直接フリーキックを与えてしまう(フリーキックかペナルティーキックか微妙な位置だった)。杉山が責任を感じてベンチで涙し、ペナルティーキックでないことに美尾敦が主審に食らいつき、さらに倒された田原が秋本倫孝と一触即発状態になるなどプレー中断中にイエローカード3枚が飛び交うほど両軍がエキサイトする中、DF鈴木悟の放ったフリーキックはポストに当たってピンチを脱し、そのまま甲府が2-1で勝利。勝ち点1差で仙台を逆転し、入れ替え戦出場権を得た。

なお甲府にとってはこの年の京都戦の初勝利であり、同時にこの年J2全チームに勝利した。

  • 最終結果
    • 甲府2-1京都
    • 仙台1-1福岡
最終順位(上位4チームまで)
順位 クラブ名 勝点 得点 失点
1 京都パープルサンガ 97 30 7 7 89 40 +49
2 アビスパ福岡 78 21 15 8 72 43 +29
3 ヴァンフォーレ甲府 69 19 12 13 78 64 +14
4 ベガルタ仙台 68 19 11 14 66 47 +19

試合データ

京都パープルサンガ 1 - 2 ヴァンフォーレ甲府
田原豊  9分 公式記録 長谷川太郎  40分
アライール  80分
京都パープルサンガ
GK 26 西村弘司
DF 23 大久保裕樹
DF 03 リカルド
DF 02 鈴木悟
DF 04 鈴木和裕 89分
MF 18 米田兼一郎
MF 16 斉藤大介
MF 27 加藤大志 44分
MF 14 中払大介 76分
FW 30 松田正俊 50分
FW 31 田原豊 77分
サブメンバー:
GK 21 橋田聡司
MF 17 石井俊也
MF 08 美尾敦 50分
MF 22 渡邉大剛
FW 24 小原昇 76分
監督
柱谷幸一
ヴァンフォーレ甲府
GK 34 阿部謙作 89分
DF 32 杉山新 89分
DF 15 アライール 59分
DF 02 秋本倫孝 89分
DF 04 山本英臣 13分
MF 28 奈須伸也
MF 08 倉貫一毅
MF 10 藤田健
FW 14 石原克哉 71分
FW 16 バレー
FW 18 長谷川太郎 89分
サブメンバー:
GK 01 松下太輔
DF 05 青葉幸洋 89分
DF 19 池端陽介
MF 25 鈴木健太
FW 09 須藤大輔 83分 71分
監督
大木武


アビスパ福岡 1 - 1 ベガルタ仙台
古賀誠史  49分 公式記録 村上和弘  65分
アビスパ福岡
GK 01 水谷雄一
DF 31 山形辰徳
DF 19 長野聡
DF 05 千代反田充
DF 03 アレックス
MF 07 宮崎光平 55分
MF 22 中村北斗
MF 06 松下裕樹
MF 14 古賀誠史 64分
FW 27 田中佑昌
FW 32 岡山一成 74分
サブメンバー:
GK 28 塚本秀樹
DF 04 川島眞也
MF 10 山形恭平 56分
MF 13 村主博正 84分 64分
FW 09 林祐征 74分
監督
松田浩
ベガルタ仙台
GK 22 高桑大二朗
DF 14 中田洋介 82分 84分
DF 02 木谷公亮 76分
DF 05 根引謙介 49分
DF 26 村上和弘 52分
MF 07 千葉直樹
MF 08 シルビーニョ
MF 24 大柴克友 25分 86分
FW 30 梁勇基 84分
FW 09 シュウェンク 73分
FW 11 バロン
サブメンバー:
GK 01 小針清允
MF 31 富田晋伍 84分
MF 06 熊谷浩二 86分
MF 25 菅井直樹
MF 10 財前宣之 84分
監督
都並敏史

  1. ^ 千葉がヤマザキナビスコカップ決勝まで進出したため、他チームとは別に第39節と第40節の間に開催された。
  2. ^ a b “公式記録 2005 Jリーグ ディビジョン2 第40節”. Jリーグ公式サイト. http://www.j-league.or.jp/data/view.php?d=j2&t=result&s=40&y=2005 2011年8月20日閲覧。 
  3. ^ “公式記録 2005 Jリーグ ディビジョン2 第41節”. Jリーグ公式サイト. http://www.j-league.or.jp/data/view.php?d=j2&t=result&s=41&y=2005 2011年8月20日閲覧。 
  4. ^ 気持ちを切り替える柏/入れ替え戦 日刊スポーツ、2005年12月8日


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