逮捕・監禁罪 逮捕・監禁致死傷罪

逮捕・監禁罪

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 19:40 UTC 版)

逮捕・監禁致死傷罪

故意の逮捕・監禁行為から過失により死傷の結果が生じた場合に重く処罰する結果的加重犯である。 被害者が脱出のために高所から飛び降りて死傷した場合や、絶望した被害者が目を離した隙に自殺したような場合に該当する。過失による事が条件となるため、暴行などによる場合は該当せず、それぞれ別々に処断される。

傷害の罪と比較して、重い刑により処断される。具体的には、致傷の場合は「3月以上15年以下の懲役」、致死の場合は「3年以上の有期懲役」となる。

その他加重類型

逮捕・監禁罪の加重類型として、次のようなものがある。

裁判検察若しくは警察の職務を行う公務員が、職権を濫用して人を逮捕・監禁した場合。
逮捕・監禁した人を人質として第三者に行為を要求した場合に重く処罰する。

罪数

  • 人を逮捕し、引き続いて監禁した場合は、220条の包括的一罪である(最大判昭和28年6月17日刑集7巻6号1289頁)。
  • 監禁の機会に行われた暴行・脅迫は、監禁罪に吸収されず、併合罪となる(最判昭和28年11月27日刑集7巻11号2344頁)
  • 恐喝の手段として監禁が行われた場合、古い判例では恐喝罪と監禁罪は牽連犯の関係に立つとされていた(大判大正15年10月14日刑集5巻456頁)が、判例変更により、併合罪となるとされた(最判平成17年4月14日刑集59巻3号283頁)。

尊属重罰規定の削除

かつては220条2項として尊属に対する逮捕・監禁を重く処罰する尊属重罰規定が置かれていたが、1995年の刑法改正で尊属殺人罪などとともに削除された。 (なお、この尊属逮捕監禁規定が憲法14条に違反しないとしていたものとして、最判昭和33年10月24日刑集12巻14号3392頁などがある。)

脚注

出典




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