粒子崩壊 粒子崩壊の概要

粒子崩壊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 05:44 UTC 版)

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粒子崩壊はハドロンの崩壊も言及するが、この用語は典型的には放射性崩壊を記述するのに用いられない。その二つは概念的には似ているが。放射性崩壊では、不安定原子核が粒子または放射線を放出することでより軽い原子核へと変換する。

この記事では、自然単位系を用いる。

粒子の生存期間と寿命の確率

粒子崩壊はポアソン過程であり、それゆえ粒子が崩壊前に生存する時間t時定数が粒子の速度に依存する指数分布によって与えられる:

ここで
は(静止)粒子の平均寿命で、
は粒子のローレンツ因子である。

素粒子の寿命の表

全てのデータはParticle Data Groupによる。

名前 記号 エネルギー (MeV) 平均寿命
レプトン 電子 / 陽電子 0.511
ミュー粒子 / 反ミュー粒子 105.6
タウ粒子 / 反タウ粒子 1777
中間子 中性パイ中間子 135
荷電パイ中間子 139.6
バリオン 陽子 / 反陽子 938.2
中性子 / 反中性子 939.6
ボース粒子 Wボソン 80,400
Zボソン 91,000

崩壊率

粒子の寿命は崩壊率の逆数で与えられる。これは単位時間あたりに粒子が崩壊する確率である。質量 M および四元運動量 P の粒子について、微分崩壊率は一般式によって与えられる:

ここで
n は元の崩壊によって生成された粒子数、
S は区別できない有限状態を説明するための組み合わせ因子(以下を参照)、
は初期状態と最終状態をつなぐ不変行列要素または確率振幅(通常はファインマンダイアグラムを用いて計算される)、
位相空間の要素、
は粒子 i四元運動量である。

因子 S は次によって与えられる

ここで
m は最終状態の区別できない粒子の集合の数、
は 型jの粒子の数で、である。

位相空間は次によって決定される

ここで
は四次元のディラックのデルタ関数
は粒子 iの(三元)運動量、
は粒子 iのエネルギーである

規定された最終状態の全崩壊率を得るためには、位相空間に渡り積分する。

粒子が異なる最終状態への複数の崩壊分岐またはモードを持つとき、その全崩壊率は全ての分岐の崩壊率の総和を取ることによって得られる。各モードの分岐率はその崩壊率を全崩壊率で割った値で得られる。




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