レプトン数保存則の破れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 05:42 UTC 版)
「レプトン数」の記事における「レプトン数保存則の破れ」の解説
標準模型において、もしニュートリノに質量がないとすればレプトンファミリー数は保存されるはずである。実際にはニュートリノ振動が観測されているので、ニュートリノは微小な質量を持っておりレプトンファミリー数保存則は近似にすぎないことが分かっている。つまりこの保存則は、荷電レプトンを含む相互作用においてはニュートリノの質量が小さいためにかなりの程度で成り立っているものの、破れている。しかし、(全)レプトン数保存則は(標準模型の下では)成り立たなければならない。レプトンファミリー数保存則が破れる例として、次のような稀に起きるミュー粒子崩壊がある。 μ − → e − + ν e + ν ¯ μ L : 1 = 1 + 1 − 1 L e : 0 ≠ 1 + 1 + 0 L μ : 1 ≠ 0 + 0 − 1 {\displaystyle {\begin{matrix}&\mu ^{-}&\rightarrow &e^{-}&+&\nu _{e}&+&{\overline {\nu }}_{\mu }\\L:&1&=&1&+&1&-&1\\L_{e}:&0&\neq &1&+&1&+&0\\L_{\mu }:&1&\neq &0&+&0&-&1\end{matrix}}} 実際には(全)レプトン数保存則もカイラルアノマリーがあれば破れるので、この対称性をすべてのエネルギースケールに渡って普遍的に適用するには問題がある。しかしながら、量子数B-Lは保存量になっている見込みがずっと高く、Pati-Salamモデルなどさまざまなモデルに見られる。
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