確率要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/21 02:32 UTC 版)
昨今の慣例では〈確率要素〉を扱う際の終域は位相線型空間であることが多いが、しばしば部分集合の特別な σ-代数を備えるバナッハ空間やヒルベルト空間であることもある。
定義
(Ω, ℱ, P) を確率空間とし、(E, ℰ) を可測空間とする。E に値を取る確率要素とは、(ℱ, ℰ)-可測であるような関数 X: Ω→E のことを言う[2]。すなわち、任意の B ∈ ℰ に対して B の逆像が ℱ に含まれるような関数 X (つまり、{ ω : X(ω) ∈ B } ∈ ℱ が成り立つような関数 X)のことを、確率要素と言う。
E に値を取る確率要素はしばしば、E-値確率変数と呼ばれる。
を実数空間、 をそのボレルσ-代数、 としたとき、確率要素の定義は古典的な確率変数の定義と一致する。
バナッハ空間 に値を取る確率要素 の定義は、一般的に、すべての有界線形汎関数が可測であるような B 上の最小の σ-代数を役立てるものと理解される。この場合の同値な定義として、すべての有界線形汎関数 f に対して が確率変数であるならば、確率空間上の写像 は確率要素である、というものがある。それはまた、 が弱可測関数であることとも同値である。
様々な場面における確率要素
- ^ Fréchet 1948.
- ^ Kellenberg 1997, p. 24.
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