犬神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/09 03:59 UTC 版)
犬神(いぬがみ)は、狐憑き、狐持ちなどとともに、西日本に最も広く分布する犬霊の憑き物(つきもの)。近年まで、大分県東部、島根県、四国の北東部から高知県一帯においてなお根強く見られ、キツネの生息していない四国[要検証 ]を犬神の本場であると考える説もある。また、犬神信仰の形跡は、島根県西部から山口県、九州全域、さらに薩南諸島より遠く沖縄県にかけてまで存在している。宮崎県、熊本県球磨郡、屋久島ではなまって「インガメ」[1][2]、種子島では「イリガミ」とも呼ばれる[1]。漢字では「狗神」とも表記される[3]。
注釈
- ^ なお、この場合は、犬神、蛇神、猿神の起源として語られる鵺は「頭がサル、体が犬、尾が蛇」の妖怪であり、通常の描写とは若干異なる。
出典
- ^ a b 日野 2006, p. 234
- ^ a b c 大藤 他 1955, pp. 108–130
- ^ 浅井了意 『伽婢子・狗張子』藤堂憶斗訳、鈴木出版〈江戸怪談集〉、2001年、139頁。ISBN 978-4-7902-1101-3。
- ^ a b c d e 石塚 1977, pp. 56–59
- ^ 中村友紀夫他 編 『妖怪の本 異界の闇に蠢く百鬼夜行の伝説』学習研究社〈New sight mook〉、1999年、38-39頁。ISBN 978-4-05-602048-9。
- ^ a b c 多田 2008, pp. 296–298
- ^ a b c 吉田 1978, pp. 32–34
- ^ 大藤時彦他 著、民俗学研究所 編 『綜合日本民俗語彙』 第 2巻、柳田國男監修、平凡社、1955年、764頁。 NCID BN05729787。
- ^ 小松 2015, pp. 68
- ^ 喜田貞吉 編 『憑物』山田野理夫補、宝文館出版、1975年、192頁。 NCID BN02663117。
- ^ 木村小舟他 著、巖谷小波 編 『大語園』 第1巻、名著普及会、1978年、446-447頁。 NCID BN02844836。
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