爆薬とは? わかりやすく解説

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爆薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 01:31 UTC 版)

爆薬(ばくやく、: High explosivesHE)は、爆発性の物質のうち、特に激しく爆発する物。一般には爆発によって生じる衝撃波音速(秒速約340メートル)を超える物質を指す。このような爆発を特に爆轟と呼ぶ[1][2]。広義には火薬類の一種であるが、法令上の扱いは一般の火薬とは異なる(後述)。

反応速度によって、低速のものと高速の物(一般にはこちらを爆薬と呼ぶ)に分けられることもあり、後者は約3–9キロメートル毎秒 (9,800–29,500 ft/s)の爆発速度で爆発する。たとえば、トリニトロトルエンの爆発(燃焼)率は約5.8キロメートル毎秒 (19,000 ft/s)、導爆線は6.7キロメートル毎秒 (22,000 ft/s)、代表的なプラスチック爆薬のC-4は約8.5キロメートル毎秒 (28,000 ft/s)である。それらは通常、鉱業、爆破解体、軍事用途で使用される。

なお、英語で「高爆発物 High explosives」と表記するのは「低爆発物 Low explosive」との区分のためである。高爆発物(HE)が起こす爆発を爆轟と呼ぶのに対して、低爆発物(LE)の爆発は爆燃(deflagrates)と呼ぶ[3]

日本の火薬類取締法では、火薬類を「破壊的爆発の用途に供せられる爆薬」と「(黒色火薬無煙火薬およびそれら)と同等に推進的爆発の用途に供せられる火薬」に大きく分けており、概ねHEとLEがそれぞれに対応する[2]

無数の爆薬が化学的に合成可能だが、商業的および軍事的に重要なものには、ニトログリセリントリニトロトルエン、トリニトロメタキシレン、 トリメチレントリニトロアミンシクロテトラメチレンテトラニトラミンペンスリットトリアミノトリニトロベンゼンヘキサニトロスチルベンなどがある。

関連項目

脚注

  1. ^ 爆薬 [JSME Mechanical Engineering Dictionary]”. 一般社団法人 日本機械学会. 2020年11月8日閲覧。 “爆ごうを起こす火薬類の総称”
  2. ^ a b 大波篤司 (2008-08-29). 図解 ヘビーアームズ. 新紀元社. https://books.google.co.jp/books?id=o1g-DwAAQBAJ&lpg=PA1&hl=ja&pg=PT306#v=onepage&q=%E7%88%86%E8%96%AC&f=false 2020年11月8日閲覧。 
  3. ^ 野津 剛, 日比 一喜「水素ガス爆発による爆風」『日本風工学会誌』第37巻第3号、2012年、204頁、doi:10.5359/jawe.37.204“爆発現象には,燃焼速度が音速以下の爆燃(deflagration)と,音速を超え衝撃波を伴う爆轟(detonation)とが知られている。” 




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