滝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/29 02:55 UTC 版)
分類
水量による分類
平均水量を対数で10段階に分類する。ナイアガラの滝は10、ヴィクトリアの滝は9、ライン滝は8、エンジェルフォールは7、ヨセミテ滝は6である。
形成別の分類
- 湧水型
- 洞窟の湧き水や泉が壁面に湧き出て、その段差として滝が形成される物。
- 溶岩遮断型
- 火山などの溶岩流により川がせき止められ、堰き止め湖とその出口として滝が形成される物。華厳滝など。
- 断層型
- 地震などの際に形成される断層のずれをきっかけとして形成される物。
- 浸食型
- 川が浸食を繰り返す際、川底の岩盤が表に出て滝を形成させる物。
滝の形状の呼び方
- 直瀑(ちょくばく)
- 落ち口から滝壷まで一気に落下する滝。名瀑と呼ばれるものが多い。
- 分岐瀑(ぶんきばく)
- 落ち口から幾重にも分岐して流れる滝。
- 段瀑(だんばく)
- 2段や3段、またはそれ以上の階層がある滝。
- 潜流瀑(せんりゅうばく)
- 水を通す地層と通さない地層が剥き出しになり、地下水が崖の途中より直接落ちて滝となる。
- 渓流瀑(けいりゅうばく)
- 滝口から傾斜した岩肌などの上を滑るようにして流れる滝で、ある程度の高低差があるものをいう。
- 海岸瀑(かいがんばく)
- 海岸の崖の上に滝口があり、海に直接落ちる滝をいう。
滝と生物
滝は最も激しい流れの渓流である。滝そのもので生活できる動物は、岩や石への吸着力に優れた吸盤を持つアミカの幼虫などに限られる。一方で滝壺のうち、落水が川底を長年抉って淵になった部分は魚が多く棲息する。水量が多く流れが緩やかであるうえ、水の深さと石や滝が起こす泡で身を隠しやすく、更に落下する昆虫などの餌を狙えるためである。滝下の淵は川釣りの好ポイントとされている。
落差や流速が大きく遡上が難しい滝は、魚類ごとの分布範囲を決める場合がある。特に源流へ近づく習性を持ち、泳いだり跳ねたりする力が強いイワナなどの渓流魚でも突破できない滝は、各地で「魚止め(魚留)の滝」と呼ばれる。魚の自然分布上は「魚止めの滝」であっても、その上流に魚が棲息できる水量や餌がある川では、地元住民や川漁師、釣り人、自然愛好家などが放流したイワナやヤマメなどが繁殖し、「魚止め」でなくなっている滝も多い。また豪雨などで川岸や川底が崩落して大きな滝ができ、魚が遡上できない滝が新たにできる場合もある[6]。
このほか、ヘビのように体をくねらせて滝の裏や側壁を這い登るウナギ、腹部の吸盤で切り立った岩に密着しながら登れるボウズハゼやヨシノボリ類は、自力で滝より上流へ進出できる。
植生を見ると、滝は周囲の崖も「水の豊富な切り立った崖」という特殊な環境となり、例えばダイモンジソウなど独特の植物が生える。その他の滝周辺も多量の水滴が常時飛散するため、湿度の高い状態を好む植物に適した環境である。
文化的側面
滝はその景観が評価され、名所となる。観光化された場所も多い。宗教的な特別視をされる例もある。
- 滝行 - 滝の中に入って心身を清める修業方法。
- ^ “全国の約一割が集中! 「滝の県」山形県が、観光ウェブサイト内に特設コーナー「日本一の滝王国山形」を公開”. ヤマケイ オンライン. 山と溪谷社 (2017年5月23日). 2019年10月2日閲覧。
- ^ 木田 2005 [要ページ番号]
- ^ “滝ペディア”. 個人ウェブサイト. 個人. 2019年10月2日閲覧。[出典無効]
- ^ “日本の滝データベース”. 非公式ウェブサイト. 2019年10月2日閲覧。[出典無効]
- ^ 苗場山麓ジオサイトマップ(裏面) 苗場山麓ジオパーク振興協議会、2020年12月10日閲覧。
- ^ 植野 1989 [要ページ番号]
滝と同じ種類の言葉
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