浅見光彦 演じた役者

浅見光彦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 20:40 UTC 版)

演じた役者

俳優

声優

浅見光彦を登場させる切っ掛けとなったのは、第三作『後鳥羽伝説殺人事件』執筆中に、登場する刑事のキャラクターや行動パターンが第一作『死者の木霊』と似通ってきたと気付き(執筆当初は第一作同様、事件の謎に迫り解決に向かう“主役”は「刑事」の側であった)、少し変化をつけるため事件被害者の側に素人探偵として登場させたもの。被害者の女性の兄という設定で『後鳥羽伝説殺人事件』1作だけの登場人物の予定だった。このため「浅見光彦」という名前も深く考えずに命名した。また浅見の妹の一人(長女・祐子)はこの作品内で殺されたが、もう一人下に妹がいるという設定にしていた。ところが内田自身そのことを完全に失念して以降の作品に登場させなかったが、読者からの手紙で指摘され愕然としたという。なおテレビドラマの浅見光彦シリーズではその妹(次女・佐和子)はよく登場している[6]

火曜サスペンス劇場(1987年6月 - 1990年7月日本テレビ、全8作)版 浅見光彦ミステリーでは水谷豊が浅見役を演じたものの、浅見の服装が原作とあまりにかけ離れている事に原作者の内田が抗議したが、局側がこれを無視した為に打ち切られた(主人公を「朝比奈周平」に変更しその後もシリーズは4本製作されている)。1998年の月曜ドラマスペシャル「蜃気楼」では、沢村一樹が犯人役で出演している。2002年に火曜サスペンス劇場の20周年記念作品の一つとして製作された「貴賓室の怪人」では高嶋政伸が同枠2代目の浅見役を演じたが、この作品では浅見の母・雪江を高嶋の実母・寿美花代が、浅見の兄・陽一郎を高嶋の実兄・髙嶋政宏がそれぞれ演じていた。

内田は週刊文春阿川佐和子との対談で浅見役に織田裕二を希望したことがある。また、お気に入りは映画版および「金曜エンタテイメント」版浅見光彦シリーズの初代浅見光彦を務めた榎木孝明であったと語っている。事実、内田は浅見シリーズ115冊目にあたる自作『黄金の石橋』に榎木をモデルにした役者・絵樹卓夫を登場させている。なお同作は「金曜エンタテイメント版浅見光彦シリーズ」の14作目にあたり「榎木版浅見シリーズ」の最終作ともなった。榎木は浅見と絵樹の2役を同時に演じ、話題を呼んだ(絵樹卓夫役を次代の浅見光彦役に演じてもらうという案もあった)。その後、榎木は内田のたっての希望により同シリーズで西岡徳馬に替わって浅見の兄・陽一郎役を演じている。榎木によれば、陽一郎役で出演し続けることが内田からの光彦役降板の条件であったという[7]。榎木も映画出演を機に浅見シリーズを読み始めた際、浅見のキャラクターが自分にそっくりであり、映画のイベントで内田と初めて対面した際も初対面の感覚がなく、ずっと以前から知っているという不思議な感覚に陥ったと語っている[8]


  1. ^ 浅見光彦シリーズ31「箸墓幻想」
  2. ^ ただし、この流れはテレビドラマ版で演出として頻繁に使用されて定着したもので、原作小説にはこの流れが存在しないものが多い。
  3. ^ 映像作品では2代目(Z20型)・3代目(Z30型)のどちらかを使用しており、軽井沢にある「浅見光彦記念館」でもこの2台(原作者の内田が実際に使用していたもの)が展示されている(ナンバーはどちらも「浅見33 あ32-15」という架空のもの)。
  4. ^ 角川映画版「天河伝説殺人事件」ではジャガー・XJ6を愛車としている。
  5. ^ “中村俊介“浅見光彦シリーズ”を卒業へ「長い間ありがとうございました」”. ORICON NEWS (oricon ME). (2018年2月22日). https://www.oricon.co.jp/news/2106166/full/ 2018年2月22日閲覧。 
  6. ^ 『後鳥羽伝説殺人事件』p297‐p299 1996年2月(角川春樹事務所
  7. ^ 2008年7月31日文化放送くにまるワイド ごぜんさま〜』『邦流』
  8. ^ 『黄金の石橋』文春文庫 p.320-321


「浅見光彦」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「浅見光彦」の関連用語

浅見光彦のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



浅見光彦のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの浅見光彦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS