活字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/21 06:44 UTC 版)
種類
種類と製造法について解説する。
活字は製造手法で分類すると、大きく彫刻活字と鋳造活字に二分される。 材質で分類すると、金属活字、木活字(木製活字)、(および初期にわずかに用いられた 陶製活字)に分類される。
彫刻活字が先に開発され、鋳造活字は後からできた。彫刻活字ではできなかった「全く同じ形の文字を大量に製造する」ことが鋳造活字によって可能となり、活版印刷をより実用的なものとした。
彫刻活字
彫刻活字は、あらかじめ用意してある駒に印字したいものを彫ることによって活字を作るものである。彫れればなんでもよいのであるから、さまざまな材質の活字があった。最も古い活字であるといわれる膠泥活字は陶器製だったとされる(カーター・グッドウィッチ)。そのほか金属のものも中にはあったが、ほとんど木に彫ったものである。木活字は、容易に制作できたことから、金属活字主体の印刷現場においても、特殊な用途(見出し用巨大活字・作字など)で用いられることがあった。
木活字
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鋳造活字
鋳造活字は高麗で始まったとされている。高麗の銅活字は、銭の鋳造技術を転用したと考えられており、父型を作り砂型を取って、そこに銅を流し込んで作ったと見られる(百瀬)。グーテンベルクが開発したものは、作った父型をまた金属に打ち込んで母型とし、それを枠にはめて鉛・アンチモン・錫の合金を流し込んで作る、パンチ法と呼ばれる手法であった。グーテンベルクの独創はこの合金の発明にあったといわれる。
パンチ法
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母型となる材料に直接打ち付けるので、父型には相応の強度が求められる。漢字など、画数が多く線の細くなる文字にはあまり適していない。
電胎母型法
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電気が通るようにカーボンブラックを加えた蝋で父型を型取りし、さらに銅の電鋳によって2回型取りを行い、母型を得る。造形の細かい父型でも精密に型を取れるようになり、また父型の素材に、比較的軟らかく彫りやすい材質を選べるようにもなった。右の画像で文字周辺とそれ以外で色が違うのは、銅の母型を「マテ材」と呼ぶ真鍮材にはめ込んでいるため。
ベントン法
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活字よりも大きく描いた原図を機械で小さく精密に写し取ってマテ材に直接彫刻し、母型とするもの。一つの原図から様々なサイズの母型を作れるようになり、活字のサイズに合わせた多数の父型を制作する必要がなくなった。
自動活字鋳造機
- 鉛、錫、アンチモンを成分とする活字合金を溶融して活字を鋳造する機械である。1885年、アメリカのヘンリー・バースが世界初の特許を取得した。なお、日本国内では、1950年代から、国内の新聞社において漢字テレタイプ(通称「漢テレ」)と呼ばれるシステムが利用されていた。
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- ^ デジタル大辞泉
- ^ a b c d 『ブリタニカ国際大百科事典』「活字」
- ^ a b 『日本大百科全書』(ニッポニカ)、「活字」
- ^ a b c 『マイペディア』「活字」
- ^ カーター, p. 162-164.
- ^ 漆侠編『遼宋西夏金代通史 四』第四章四
- ^ カーター, p. 166-167.
- ^ 分類補註李太白詩文集天理大学附属天理図書館
- ^ 『武芸諸譜翻訳続集』韓国国立中央博物館
- ^ 堀川貴司 2010, p. 149-158.
- ^ 清水晴風著『東京名物百人一首』明治40年8月「東京築地活版製造所」国立国会図書館蔵書、2018年2月10日閲覧
- ^ 山口徹「文芸誌『スバル』における「椋鳥通信」 : 一九〇九年のスピード」『学術研究. 国語・国文学編』第53巻、早稲田大学教育学部、2005年2月、39-49頁、CRID 1050282677457590016、hdl:2065/5720、ISSN 0913-0152。
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