沖縄県 経済・産業

沖縄県

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/29 06:06 UTC 版)

経済・産業

水納ビーチ(水納島
沖縄県は日本で最も有名なマリンリゾート地の一つであり、重要な観光資源となっている。

産業

沖縄県は日本屈指の観光立県でありサービス業が発達していて県経済の中心になっている。また観光以外に目立った産業のない沖縄県は、在日米軍基地が生み出す経済(軍雇用者所得、軍用賃借料、米兵向け商店・飲食店など)に依存している側面があり、経済依存度は、1972年の15.5%から低下したものの、現在でも5.7%を占めている。米軍基地内には、オフィスや病院、ショッピングセンターなどの施設があり、約9000人前後の県民が基地施設に勤務していて、沖縄県庁に次ぐ大口の就職先になっている。

沖縄県の産業構造は、全国に比べて第2次産業のウエイトが低く、第3次産業のウエイトが高いことが特徴であるが、この傾向は、復帰以降全く変わっていない。平成25年度の県内総生産に占める第2次産業及び第3次産業の割合は、それぞれ13.9%及び84.4%となっており、全国の24.4%及び73.9%と比べその差異は明らかである。特に、製造業の割合は、全国が18.4%に対し沖縄県は4.2%とその差異は極めて大きい。 また、政府サービス生産者(公的な電気・ガス・水道業や公務等の経済活動)の割合が沖縄県(平成25年度)では16.0%と高い。この高い割合は、復帰以降続いているものである[55]

2014年平成26年)度の県内総生産は4兆1749億円で、前年度と比較した経済成長率は、1.5%増加した。名目は3.5%増の4兆511億円で、それぞれ6年連続のプラス成長だった[56]。平成26年度の一人あたり県民所得は212万9000円(全国平均は286万8000円)である。失業率は日本一高いが2016年には沖縄の完全失業率は23年ぶり3%台に低下した。

離島県であることから、生産できない生鮮食品家電製品自動車等、他都府県から移入する必要があるものは輸送費の分だけ本土に比べ割高となってしまう。そのため、本土の地方と比べて、特別物価が低くはなっていない。

農業・漁業

農業では日本随一の熱帯・亜熱帯性気候を生かし、マンゴーアセロラパインドラゴンフルーツ等のトロピカルフルーツや、サトウキビタバコゴーヤー(ニガウリ)といった農作物が生産されている。

漁業ではマグロイカブリタカサゴアジ、アカハタなどの他クルマエビの養殖も盛んである[57]

畜産業では、養豚が古くから盛んに行われ沖縄固有品種アグーが有名。またヤギウシも生産されている。

工業・鉱業

製糖・飲料・食料品製造等の製造業やセメント製造を中心とした窯業・土石製品製造業があるがいずれも小規模である。

沖縄本島の本部半島には良質な石灰岩が存在し、セメントの原料や砕石・砕砂の原料として採掘されている。沖大東島北大東島にはかつて燐鉱石が豊富に存在していたが、現在では採掘され尽くしており枯渇している。

沖縄本島沖の海底には国内最大規模の熱水鉱床が広がっており、亜鉛などのほか、ガリウムビスマスなどレアメタルを含むため、次世代の海洋資源として試掘調査が活発化している。

東シナ海の海底には推定埋蔵量約1000億バレルに上る天然ガスや石油が眠っており、日中中間線周辺では中国との領有権争い(東シナ海ガス田問題を参照のこと)が生じている。

植物資源を燃料に充てられるバイオエタノールが脚光を浴び、県産サトウキビが原料として注目されていたが採算性悪化で撤退している。

観光業

本県の主な産業として、伝統・歴史・自然・食・国際色を生かした観光業が挙げられる。ただし、これらの観光業は景気に左右されやすい。 沖縄本島のリゾートホテル付設や公営の海水浴場の多くは、ワイキキビーチと同様に人工海浜であり、観光資源ではあるが「沖縄の自然」ではない。観光客数は国内外合わせて5,690,000人(国内:5,443,800人、海外:246,200人)[58] である。訪れる外国人観光客は、台湾 (75%)、米国 (11%)、韓国 (4%)、香港 (2%)、中国 (2%) という比率になっている[59]。米国からの観光客は、米軍基地関係者が多く含まれる。

2000年(平成12年)に主要国首脳会議が行われたのをきっかけに、国際会議、コンベンションといったイベント開催地としての体勢作りを進めている。また県はスポーツアイランド構想を掲げエコツーリズムも活発化している。

情報

1998年(平成10年)から「沖縄県マルチメディアアイランド構想」に基づき、海底ケーブルの陸揚げ本数が多いことから IX (Internet Exchange) の語に掛けて IT Exchange 等の呼びかけを行いコールセンターやIT企業の優遇策による誘致を活発に行っている。その一方で内外から施設は立派であるが内容が伴わないとして箱物行政といった批判も多い。

2010年代頃からスマートフォンアプリの開発業も盛んになっている。

優遇税制・特例

経済振興のため、数々の特例[60] が設定されている。

  • ガソリン税(本土より1リットル当たり7円引き)や、沖縄自動車道の通行料金(本土より約4割引)などが軽減されている。
  • 沖縄県発着の航空便に関しては、航空機燃料税が50%減免されていることもあり、県外の同一距離路線に比べて5000円程度安くなっている[61] ため、結果として観光客誘致にも寄与している。
  • 観光においては、観光戻税制度、のちの特定免税店制度が他県にはない特徴的な優遇税制である。
  • 酒税の軽減措置がある(→泡盛オリオンビール参照)。
  • 2002年(平成14年)4月に施行された沖縄振興特別措置法により、IT関連企業、金融関連企業の誘致を行っている。税制上の優遇(法人税の控除、特別土地保有税の非課税、事業所税の課税標準の特例)と大地震等の災害の可能性の低さを理由に、いくつかの企業が特別地区への移動を行っている。

企業

県内では、本州等で展開している企業の地域会社が多数存在する。

電気通信事業者
電気通信事業者では、携帯電話の au のサービスを提供する地域会社として沖縄セルラー電話がある。この会社は沖縄県の経済振興を目的として設立された企業であることから、同社の過半数株式を所有する KDDI だけでなく、地元企業の沖縄電力のほか県内の財界人・有力企業も出資している。沖縄県独自のサービスも展開していることもあり、県内では他県での市場占有率が首位のNTTドコモを抑えている(2005年(平成17年)現在の市場占有率は49%)。なお、同社は政治的な配慮によりドミナント規制対象外だったが、のちに au 本体 (KDDI) が対象となっている。
また、アステルグループのPHSサービスを提供していた沖縄電力グループの旧アステル沖縄を引継ぎ、2005年(平成17年)1月25日に事業を開始したウィルコム沖縄本州などでPHSサービスを提供するウィルコム(旧DDIポケット)の子会社)がある。
酒類
ビールメーカーとして県内で大きな市場占有率を持つオリオンビールが存在する。なお、同社は県内における酒税減免措置にのった県内市場の高い占有率を成しているが、日本全体で見た場合の市場占有率は1%程度であるため独占禁止法に抵触しないとされる。
新聞
新聞は輸送事情の関係から、本土の全国紙は現地印刷が開始された日本経済新聞を除き、当日の朝に配送することが不可能なため(本土における夕刊配達の時間帯に朝刊が配達される状態)、地方紙である沖縄タイムスおよび琉球新報が購読率の大半を占めている。
金融
金融機関は、店舗数では県内の地方銀行のほか郵便局ゆうちょ銀行)やJAバンクJAおきなわ)が圧倒的である。都市銀行については、みずほ銀行那覇支店のみが存在する。県外の地方銀行鹿児島銀行の沖縄支店が2015年になって設置された。

沖縄県に本社を置く主要企業

製造業
小売業
一般電気事業
卸売業
情報通信業
新聞業
放送業
金融業
運輸業
バス会社については#バスを参照。
建設業
観光業
飲食業

沖縄県に拠点事業所を置く主要企業

工場
  • 日本鉄工(糸満市)



注釈

  1. ^ 日本最南端は東京都に属する沖ノ鳥島であるが、人は住んでおらず民間人が自由に立ち入ることはできない。
  2. ^ ただし名目上は琉球の一部とされた。詳細は奄美群島の歴史を参照。
  3. ^ 「唯一」という言葉については議論がある[2]
  4. ^ ただし沖縄復帰を前に制定された「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」では、戦前の沖縄県が地方自治法に定める県として建前上存続するものとされた。
  5. ^ なお復帰に際して日本は米国に対し総額3億2000万ドルを支払っている(現在の為替レート(2016年10月時点)で約5000億円)。
  6. ^ 14地域:北海道、東北、関東内陸、関東臨海、東海、北陸、近畿内陸、近畿臨海、中国山陰、中国山陽、四国、九州北九州、九州南九州、沖縄[7]
  7. ^ 国土交通省では、島国領土がすべてから成る国)である日本を構成する6,852島を、本土5島と離島6,847島に区分している[8]。ただし、島について地理学上はこのような分類・区分けはない。
  8. ^ 日本のの面積順上位10島:本州北海道九州四国択捉島国後島沖縄本島佐渡島奄美大島対馬[9]
  9. ^ これにより電車が走っていない都道府県は徳島県だけになった。
  10. ^ 八重山日報は2017年4月1日に沖縄本島で沖縄本島版の発行と朝刊配達を開始したが、2019年2月末を以て八重山版と統合するとともに配達を中止して郵送に切り替えた[72]
  11. ^ 日刊新聞の販売自体は、現状首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)を中心としており、それ以外の地域は郵送での配送となる。
  12. ^ 琉球放送と沖縄テレビ。琉球朝日放送、及びラジオは未掲載。
  13. ^ 宮古・石垣のケーブルテレビでは先発3社・4局もアナログ放送を配信していたが、4:3の通常画質だったそれらとは異なりQABははじめからレターボックス16:9を使っていた。
  14. ^ 以前は他地域での経営上の理由(ケーブルテレビ局側における設備上のコストや県内既存局の圧力)などで再送信されなかったケースもたびたびあったが本土の県庁所在地の中心部のケーブルテレビ局は4大系列とも再送信されることが一般的である。
  15. ^ 2019年1月に伊良部島に中継局が開局し、宮古島とその周辺の離島ではFM沖縄が受信可能になった。
  16. ^ ただし、NHK-FM は2011年(平成23年)9月からラジオ第1・第2とともにインターネットを通じた同時配信により聴取可能となったが、すべて東京からの放送となるため本来の沖縄県域および九州・沖縄ブロックの番組と権利上の理由で同時配信されない番組がある場合は中継局が整備されない限り聴取不可。なお、2012年度に2か所の中継局が開局されたが、開局されたのは東京都小笠原諸島の父島・母島両中継局であり、大東諸島では依然として開局のめどが立っていないため、父島・母島両中継局開局後は全国で唯一 NHK-FM のラジオ放送による直接受信ができない地域として残ることになった。
  17. ^ 琉球政府章典や各種法令で公用語は定められていないが、琉球政府章典や各種法令には日本語、米軍からの布令布告には英語が使用されている[75]

出典

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  116. ^ 安室奈美恵さんへの沖縄県県民栄誉賞表彰式(5月23日) - 沖縄県知事公室秘書課、2018年6月7日更新





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