正則性公理 正則性公理の概要

正則性公理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/28 04:25 UTC 版)

定義

でない集合は必ず自分自身と交わらない要素を持つ。

以下の3つの主張はいずれもZF公理系の他の公理の元で同値であり、どれを正則性公理として採用しても差し支えない[1]

  • x ≠ ∅ に対して、yx; xy = ∅
  • xについて、x整礎関係
  • V = WF

ここで、V集合論宇宙を指し、WF整礎的集合全体のクラスフォン・ノイマン宇宙)を指す。

ZF公理系内に限って話を進める。各順序数 α に対して R(α) を次のように定義する( は冪集合)。

  1. α極限順序数のとき、

クラス WF はこれらを全て集めたものとして定義される。

ZF公理系の他の公理から得られる種々の集合演算(対集合和集合冪集合) の結果としての集合は常に WF 内に含まれる。すなわち V = WF の仮定は、全ての集合を に通常の集合演算を施すことによって得られるものだけに制限することを主張している。したがって、例えばx = {x}のような集合やxyかつyxなる集合は正則性の公理の下では集合にはなり得ない。

性質

定理 ―  任意αON に対して、

  1. 推移的

WF の定義より、xWF のとき、xR(α) を満たす最小の順序数 α後続順序数になる。実際、α極限順序数として xR(α) 及び β < α, xR(β) が成り立っているとすると、

となって矛盾する。

そこで、集合 x のランクを次のように定義する。

xWF のとき、xR(β + 1) を満たす最小の β を集合 x のランクといい、rank(x) で表す。

よって、rank(x) = β ならば

が成り立ち、xR(β) かつ xR(β) となる。また、このランクの概念を用いて R(α) は次のように特徴付けられる。

及び、

ランクを計算するときに次の補題を使う。

のとき、

かつ

とすると

ならば だから


  1. ^ Kunen 1980, p. 101, Ⅲ, §4.1


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