悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲 悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲の概要

悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/25 17:43 UTC 版)

悪魔城ドラキュラ
漆黒たる前奏曲
ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 ゲームボーイ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント名古屋
発売元 コナミ
プロデューサー 福井博幸
ディレクター 山下幸紀
プログラマー 山口佳輝
音楽 岡田蘭
岩田陽一
美術 内田和伸
シリーズ 悪魔城ドラキュラシリーズ
人数 1人
メディア 2メガビット+64KSRAMロムカセット
発売日 199711271997年11月27日
199803111998年3月11日
1998年
デバイス バッテリーバックアップ搭載
スーパーゲームボーイ対応
その他 型式: DMG-ADNJ-JPN
DMG-ADNE-USA
DMG-ADNP-EUR
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ゴシックホラーアクションゲーム『悪魔城ドラキュラ』シリーズのゲームボーイ用ソフト3作目。主人公は、シリーズ初の女性主人公となる17歳の少女ソニア・ベルモンド[注釈 1]。ヴァンパイアハンターのソニアを操作し、鞭を武器に怪物が巣食う悪魔城に乗り込み魔王ドラキュラ伯爵打倒を目的とするステージクリア型アクション(ステージ内には多少の分岐要素もある)。無敵能力「バーニングモード」や精霊の力の「ソウルウェポン」という新要素も追加されており、アイテム収集によってエンディングが変化するマルチエンディング方式。キャッチコピーは「ドラキュラの歴史、今ここに始まる。」。

単色ゲームボーイであるが、対応しているスーパーファミコン用周辺機器のスーパーゲームボーイだと画面は13色カラーになり独自のピクチャーフレームが付く。開発はコナミコンピュータエンタテインメント名古屋で、プロデューサーは福井博幸、ディレクターは山下幸紀、音楽は岡田蘭および岩田陽一。

ゲーム内容

システム

悪魔城ドラキュラ」および「ドラキュラ伝説」「ドラキュラ伝説II」の項のゲームシステムに関する記述も参照

基本的なシステムはゲームボーイ版の前作『ドラキュラ伝説』1・2両作を踏襲している2D横スクロールのステージクリア型アクションであり、特徴だったロープにつかまっての上下移動や、鞭が2段階パワーアップで火球が発射されるなどが引き継がれている。本作ではしゃがみ歩きも可能である。

ステージ数は全6面で[注釈 2]、1つのステージが前作より長めに作られている。本作は『悪魔城ドラキュラXX』のようなちょっとしたステージ探索要素も持っており、ステージ内には分かれ道があってルートが分岐しているところもある。隠しステージやトラップ部屋もある。そしてステージのどこかにあるシリーズ伝統のサブウェポンとなるコレクションアイテムを集めることでエンディング内容が分岐変化する。

ソニアの基本武器はシリーズ伝統の鞭だが、サブウェポンは精霊の力をサブウェポンとして使う「ソウルウェポン」となっており、ソニアが一定時間無敵状態になってパワーアップする「バーニングモード」と共に本作のシステム的な特徴となっている。

バーニングモードは、ソニアの潜在能力を引き出す特殊能力で、体力ゲージの下のバーニングゲージを消費することで発動できる。発動中は一定時間無敵状態になってダメージを受けなくなり、攻撃力・移動スピード・ジャンプ力といったソニアの身体能力が2倍になる。発動後は、次のステージに行くか、ミスしてリスタートになるまで再使用できない。

ソウルウェポンは、本作でのサブウェポンに相当し、精霊の力を借りるという魔法のようなものになっている。道中でアイテムとして任意に取得するのではなく、ステージボスを倒していくことで解放され自動的に追加されていく。ハートを消費して使用するのは従来通り。攻撃や回復など5種類あり、風、水、炎、聖、魔の順で入手できる(魔は隠しウェポン)。セレクトボタンで表示される特殊アイテム画面で選択して随時切り替え可能。

ゲームモード

ゲームスタート時にゲームセレクトとして難易度を「スタンダードモード」か「ライトモード」か選べる。スタンダードモードは標準で、ライトモードは鞭が2段階パワーアップした状態でスタートする。本作には得点という要素はないが、クリアするまでに倒した敵の数がエンディングで「HIT SCORE」として表示される(HIT SCOREはセーブされない)。ゲーム途中から再開してプレイする場合は、前作はパスワード方式だったが、本作にはバッテリーバックアップが搭載されセーブ・ロード機能が付いている。セーブはステージ間でのみ可能。

アイテム

水晶
鞭が1段階パワーアップする。1個取れば1.5倍長く2倍の攻撃力の鞭になり、2個取れば火球の出る鞭になる。アイテムはロウソクを壊すと出現する。
ハート
ハートが1つ増える。ソウルウェポンを使用するために消費する。
体力が半分回復する。
1UP
残りプレイヤー数が1つ増える。

ソウルウェポン

時間を止める。画面全体の動きを止めることができる。ボスには無効。ステージ1のボスを倒すと覚える。ハート消費5。
体力回復。体力を全回復できる。ステージ2のボスを倒すと使用可能。ハート消費20。
フラッシュ攻撃。画面上の敵全体に鞭1発分のダメージを与える。ボスには無効。ステージ3のボスを倒すと使用可能。ハート消費5。
波動を飛ばす。前方に威力のある波動を飛ばし、鞭2発分のダメージを敵に与える。ステージ4のボスを倒すと使用可能。ハート消費1。
敵を全滅する。画面上の敵と敵の攻撃弾を一掃出来る。ボスには無効。隠しステージのボスを倒すと使用可能。ハート消費5。

コレクションアイテム

ステージ1のどこかにある。シリーズ定番のサブウェポンであるこれらのコレクションアイテムは、取得しても武器として使用も何もできないが、本作のマルチエンディングのキーとなっており、集めてクリアするとエンディングが変化する。
懐中時計
ステージ2のどこかにある。
短剣
ステージ3のどこかにある。
聖水
聖なる水が入った瓶。ステージ4のどこかにある。
十字架
隠しステージのどこかにある。

設定

ストーリー・世界観

中世トランシルバニア、悪魔の力を手に入れた男がいた。ドラキュラ伯爵。人々はその魔王に恐怖し、ただ暗黒時代に不安を唱えることしかできなかった。ドラキュラは超常の力と魔界より呼び出した闇の従者達を使い、絶望という暗黒をヨーロッパに広げていった。

時を同じくして不思議な力を持った1人の少女がトランシルヴァニアの片田舎で生まれた。普通の人間には理解できない大自然の超常的な存在と語り合える特殊な力も持っていた少女は、周囲の誰より早くその特異な力に気付いた祖父に「お前の力は決してお前のためだけに使ってはならない」と言い聞かされながら鍛えられ育った。

そして17歳のとき惨劇が突然少女を襲った。館がドラキュラの下僕である異形の怪物たちに襲撃され、麓の町に出かけていた少女が戻った時には息も絶え絶えの祖父が残されていただけだったのである。「今こそお前の力を役立てる時だ…」少女は祖父の形見の鞭を手に、ドラキュラ打倒のため悪魔城へと向かう。

少女の名はソニア。後にヴァンパイアハンターとして、ベルモンド家の名を世に残す先駆けとなった存在である。[1]

その他

本作のストーリーは、発売当時悪魔城ドラキュラシリーズ最古であり「今明かされるドラキュラ伝説の過去」[2]、「ドラキュラの歴史の全てはここから始まっていく」[3]という触れ込みで発売された。

インターネットのサイトでは、1999年に作成された悪魔城ドラキュラシリーズサイト「悪魔城ドラキュラの世界」の作品ストーリー年表には本作も記載されており、2005年に作成されたシリーズサイトの作品ストーリー年表ページには記載されていないがシリーズ作品紹介ページには記載されている[注釈 3]

ステージ構成

ステージ ステージ名 BGM 中ボス ボス
1 「城外」
:血ぬりの森
:嘆きの墓地
:城門前
Bloody Tears なし クリーチャーズ・バット
2 「城内」
:ゲストホール
:無限回廊
:書庫の間
:錬金術の間
城内 デスドラゴン
3 「時計塔」
:闇の時計塔
:格闘場
闇の時計塔 フライングウルフ 死神
4 「城最上階」
:城主の間
城最上階 メデューサー アルカード
5 「大聖堂」
:地下水脈
:ドラキュラ大聖堂
地下水脈 ミノタウロス ドラキュラ
隠し 「沈黙の牢獄」 沈黙の牢獄 なし 死刑執行人

注釈

  1. ^ それまでのシリーズにもゲーム途中で使用可能になり選択して使える女性プレイキャラクターはいたが、単独女性主人公はソニアが初である。
  2. ^ ステージ5の途中にある6番目の隠しステージは行かなくてもゲームクリアできる。
  3. ^ なおゲーム誌「ゲームサイド」2009年2月号では、Wii用3D対戦アクション『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』(2009年)の記事においてそのプロデューサー五十嵐孝司(漆黒たる前奏曲の開発スタッフではない)は、本作のストーリーについて「パラレルワールドという解釈でいいのでしょうか?」と聞かれ「そのような解釈でいいと思います」と返答している。
  4. ^ 説明書のキャラクター紹介にはそのように書かれてあるが、ゲームには「石化」という要素はない。
  5. ^ 前々作『ドラキュラ伝説』(1989年)でも使用不可であったが前作『ドラキュラ伝説II』(1991年)では2つだけ使えた。
  6. ^ 敵から受けるダメージが小さくゴリ押しでもボスを秒殺できる上、無敵能力のバーニングモードがゲーム難易度を押し下げている。

出典

  1. ^ 本作の説明書を元に抜粋
  2. ^ 本作のパッケージ箱裏より
  3. ^ 「コナミマガジン」(コナミが発行していた無料情報誌)VOL.4より
  4. ^ 本作の説明書より
  5. ^ 【10月31日追加】「ファミリーコンピュータ&スーパーファミコン&ゲームボーイ Nintendo Switch Online」追加タイトルが配信開始。”. 任天堂 (2023年10月31日). 2023年10月31日閲覧。
  6. ^ 『デビルワールド』『謎の村雨城』『悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲』がNintendo Switch Onlineで配信開始。『忍者じゃじゃ丸くん』の百鬼夜行バージョンも登場”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年10月31日). 2023年10月31日閲覧。
  7. ^ やわらぎ (2023年10月31日). “「デビルワールド」「謎の村雨城」「悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲」がNintendo Switch Onlineに登場。「忍者じゃじゃ丸くん」百鬼夜行バージョンも”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年10月31日閲覧。
  8. ^ 西脇健史 (2023年10月31日). “GB版「悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲」やFC「デビルワールド」など3作がNintendo Switch Onlineで配信開始 ハロウィンにちなんだゲームがピックアップ”. GAME Watch. インプレス. 2023年10月31日閲覧。
  9. ^ a b 『悪魔城ドラキュラ』シリーズ、CD18枚+DVDのベスト音楽集BOXが発売決定”. CDジャーナル. 音楽出版 (2009年12月22日). 2021年2月7日閲覧。
  10. ^ a b 悪魔城ドラキュラ 〜漆黒たる前奏曲〜 まとめ [ゲームボーイ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2021年2月7日閲覧。
  11. ^ a b Castlevania Legends for Game Boy” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2021年2月7日閲覧。
  12. ^ a b 懐かしゲームボーイパーフェクトガイド 2017, p. 19.
  13. ^ a b 前田尋之 2018, p. 125- 「Chapter 2 ゲームボーイソフトソフトオールカタログ 1997年」より


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