少年鑑別所 少年鑑別所の概要

少年鑑別所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/12 01:12 UTC 版)

少年鑑別所
京都少年鑑別所
所在地 日本 47都道府県 合計52箇所
許容人数矯正管区合計2636名[1]
収監者数 472名
収容率17.9% (平成29年12月末現在)
管理運営 法務省
管轄 法務大臣
根拠法令 少年鑑別所法
少年法
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保護処分の流れ

主に家庭裁判所の観護措置決定により送致された少年を収容し、医学心理学社会学教育学等の専門知識に基づいて、資質及び環境の調査を行う。

ただ単に鑑別所(かんべつしょ)とも言う。

概要

少年鑑別所は、少年鑑別所法に基づき設置された、法務大臣法務省矯正局)の所管に属する施設であり、後述の一覧に記載した日本全国の52箇所(分所1箇所を含む)に設置されている。

事務

少年鑑別所が行う事務は、次に掲げるものである(少年鑑別所法3条)。

  • 鑑別対象者の鑑別を行うこと。
  • 観護の措置(少年法17条1項2号)が執られて少年鑑別所に収容される者その他法令の規定により少年鑑別所に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者を収容し、これらの者に対し必要な観護処遇を行うこと。
  • 少年鑑別所法の定めるところにより、非行及び犯罪の防止に関する援助を行うこと。

鑑別

鑑別とは、医学心理学教育学社会学その他の専門的知識及び技術に基づき、鑑別対象者について、その非行又は犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、その事情の改善に寄与するため、その者の処遇に資する適切な指針を示すものである(少年鑑別所法16条1項)。

鑑別は心理学の専門知識を持つ法務技官がおもに行う。

鑑別対象者

少年鑑別所の鑑別対象者となるのは、以下の者である(少年鑑別所法2条1号)。

役割

観護措置
家庭裁判所は、少年保護手続において、審判を行うため必要があるときは、少年鑑別所に送致することができる(少年法17条1項2号)。これを観護措置という。
観護措置の目的は、少年の身柄を保全するとともに、少年の心身の鑑別を行い、処遇決定の資料とすることである。期間は2週間であるが、1回更新することができる(少年法17条3項、4項)。通常は、心身鑑別に一定の期間が必要であるから、1回更新され、4週間弱(審判期日まで)となることが多い。
心身鑑別に当たっては、少年の素質、経歴、環境及び人格並びにそれらの相互の関係を明らかにし、少年の矯正に関して最良の方針を立てるために(少年鑑別所処遇17条)、医学、精神医学、心理学、教育学、社会学等の知識及び技術に基いて調査と判定を行い(同規則18条)、その結果を鑑別結果通知書という形で家庭裁判所に送付する(同規則22条)。
観護措置の対象となった少年は、遠隔地にて観護措置処分とされても保護者のいる住所地を管轄する家庭裁判所を担当する鑑別所に移送(本人の住所地は考慮されない)され、鑑別を受けて少年審判が行われることになる。(なお、事件捜査における拘留先として指定された場合はそのままとなる)
勾留に代わる観護措置
家庭裁判所送致前である少年の被疑事件(捜査段階)において、検察官は、勾留請求に代えて裁判官に対し観護措置の請求をすることができ、裁判官はこの請求に基づいて令状(観護状)を発することができる(少年法43条1項、44条2項)。勾留に代わる観護措置の期間は、請求の日から10日間であり(同法44条3項)、勾留と異なり延長はできない。
勾留
少年の被疑事件において勾留を行う場合も、勾留場所を少年鑑別所とすることができる(少年法48条2項)。
保護処分及び刑の執行に際しての役割
少年院などの矯正施設等からの求めに応じて、保護処分又は刑を受けることになった直接の契機である非行又は犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、その事情の改善のための処遇に資する適切な指針を示す(少年鑑別所法16条1項)。また、少年院に送致される鑑別対象者について、収容すべき少年院の指定を行う(少年鑑別所法18条1項)。



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