因美線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/09 08:52 UTC 版)
概要
起点の鳥取駅で山陰本線に、終点の東津山駅で姫新線に接続している。かつては全線が津山線とともに岡山と鳥取を結ぶ陰陽連絡路線の役割を果たしていた。しかし智頭急行の開業後、鳥取と岡山を結ぶ列車が智頭急行智頭線を経由するようになったことで、陰陽連絡の役割は智頭線経由の列車が走る智頭駅以北のみとなり、智頭駅以南とで役割を異にするようになった。
1997年に急行「砂丘」が廃止された後、智頭駅以南では落石防止のため25 km/hの速度制限が多くの箇所で設けられている。また、雨天時などは15 km/h以下の徐行運転となる。
鳥取駅 - 那岐駅間は地元対応などの業務は山陰支社鳥取鉄道部が、美作河井駅 - 東津山駅間は岡山支社が管轄している。
一方運転系統や運転指令所、営業・広報など実務面は中国統括本部が一括して管轄しているため智頭駅を境界駅と位置づけている。なお、管轄が分けられた1991年以前は、東津山駅構内を除く全線が国鉄時代は米子鉄道管理局、JR発足後は米子支社の管内だった。
2016年の路線記号・ラインカラー制定にあたっては、岡山・福山エリアとしてのものは付与されず[2][3]、逆に山陰エリアの扱いとして、智頭杉をイメージした茶色(■)のラインカラーと、「B」の路線記号が、岡山支社管内を含めた全線に付与されることになった[4]。ただし、当初は岡山・福山エリアとしてのラインカラーではなかったことから、2016年改正時点の岡山支社管内各駅では、2023年3月18日に路線記号の使用対象が拡大されるまで駅掲示運賃表での使用にとどまっていた[注釈 1]。なお、2015年度以前は岡山支社管内でのみ藍色をラインカラーとして使用していた。
路線データ
- 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):70.8km
- 軌間:1067mm
- 駅数:19(起終点駅含む)
- 因美線所属駅に限定した場合、山陰本線所属の鳥取駅および姫新線所属の東津山駅[5]が除外され、17駅となる。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 保安装置:ATS-SW
- 運転指令所:
- 鳥取駅 - 智頭駅間 中国総合指令所米子指令所
- 智頭駅 - 東津山駅間 中国総合指令所岡山指令所
- 最高速度:
- 鳥取駅 - 津ノ井駅間 110km/h
- 津ノ井駅 - 智頭駅間 95km/h
- 智頭駅 - 那岐駅間、美作加茂駅 - 東津山駅間 85km/h
- 那岐駅 - 美作加茂駅間 65km/h
- 平均通過人員(2015年度)[6]
- 路線全体:1,808人/日
- 鳥取 - 智頭間:3,773人/日
- 智頭 - 東津山間:197人/日
- IC乗車カード対応区間:なし
注釈
- ^ 2023年3月11日よりエレベーター設置などバリアフリー化の上で供用を再開した津山駅の跨線橋では、路線記号とラインカラーの使用が拡大されたが、エレベーター・跨線橋・改札口の方面案内では青色(■)で「B」と表示されている。その一方、3月18日にのダイヤ改正で更新された時刻表では、見出しでは青色(■)に「B」で、下部の停車駅案内図では本来の
で表示される変則様式となっている(構内の案内板で背景が黒色の箇所での視認性と、暖色系のラインカラーを使用している津山線・姫新線との区別の明確化を考慮したものとみられる。その他の因美線岡山エリア各駅の時刻表では、見出しも本来の
で表示している)。なお、姫新線(
)・津山線(
)については正式な路線記号が使用されている。
- ^ 高野駅 - 津山駅間においては、因美線の列車は1 - 3時間に1本(ただし5時間近く運行のない時間帯がある)と少ない。その一方で、中鉄北部バス行方・小坂線は1時間に1本で、因美線の列車よりもはるかに多く運転されている。
- ^ 若桜鉄道若桜線からの接続列車。智頭急行の車両による運転で鳥取駅から回送列車で郡家駅まで運転され、折り返し郡家発鳥取行きとなる。
出典
- ^ 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』1959年9月17日、22頁。
- ^ 岡山・福山エリアの主な路線に「路線記号」「ラインカラー」を導入します - 西日本旅客鉄道、2015年9月17日、同日閲覧。
- ^ 「吉備線・宇野線・岡山駅出入口の愛称名」ならびに「路線記号・ラインカラー」の使用開始について - 西日本旅客鉄道、2015年1月28日、同年2月4日閲覧。路線図イメージでは因美線は灰色扱いとなっている。
- ^ お客様によりわかりやすく鉄道をご利用いただくために米子支社エリアに「ラインカラー・路線記号」を導入します! - 西日本旅客鉄道、2016年2月4日、同日閲覧。
- ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ データで見るJR西日本2016 - 区間別平均通過人員および旅客運輸収入(平成27年度) (PDF) - 西日本旅客鉄道
- ^ a b c 『JR時刻表』2022年3月号、pp.312-313
- ^ 「部活もできない」新ダイヤ苦情殺到 JR因美線(インターネットアーカイブ) - 日本海新聞 2008年5月27日
- ^ 「部活できる」と高校生 JR西が因美線ダイヤ見直し(インターネット・アーカイブ)- 日本海新聞 2009年2月18日
- ^ 『交通公社の時刻表』1987年4月号復刻版
- ^ 「みまさかスローライフ列車」の運転延期について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年3月30日
- ^ みまさかスローライフ列車の運転(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2007年10月9日
- ^ a b 津山「懐かしの鉄道展示室」のオープンと「みまさかスローライフ列車」の運行(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2007年4月20日
- ^ 旧津山扇形機関車庫とリニューアルした懐かしの鉄道展示室の一般公開および「みまさかスローライフ列車」の運転について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年3月12日
- ^ みまさかスローライフ列車の運転について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年10月17日
- ^ 「みまさかスローライフ列車」5周年記念イベントの実施について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2012年4月27日
- ^ “みまさかスローライフ列車”運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年11月7日
- ^ “みまさかスローライフ列車”運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年11月7日
- ^ 「鉄道省告示第109号」『官報』1922年9月2日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b c ジェー・アール・アール『JR気動車客車編成表 2011』交通新聞社、2011年。ISBN 978-4-330-14710-9。
- ^ 「JRワンマン運転線区一覧表」『JR気動車客車編成表 '92年版』ジェー・アール・アール、1992年7月1日、191頁。ISBN 4-88283-113-9。
- ^ 『データで見るJR西日本 2001』西日本旅客鉄道
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '94年版』ジェー・アール・アール、1994年7月1日、189頁。ISBN 4-88283-115-5。
- ^ 『データで見るJR西日本 2007 Archived 2010年3月25日, at the Wayback Machine.』には記載されているが、『データで見るJR西日本 2008 Archived 2012年4月3日, at the Wayback Machine.』には記載されていない
- ^ 因美線12日から全線運転再開 - 山陽新聞 2011年9月9日
- ^ 平成30年台風第7号及び前線等による被害状況等について(第7報) (PDF) - 国土交通省 災害情報、2018年7月7日 5:00現在
- ^ 平成30年台風第7号及び前線等による被害状況等について(第11報) (PDF) - 国土交通省 災害情報、2018年7月9日 5:30現在
- ^ “広報情報【2018年7月17日】運転状況について”. 西日本旅客鉄道米子支社. (2018年7月17日). オリジナルの2018年7月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “31日に岡山のJR全在来線再開 作業順調で見通し早まる”. 山陽新聞デジタル. (2018年8月24日). オリジナルの2018年8月25日時点におけるアーカイブ。 2018年8月25日閲覧。
- ^ 須田寬『須田寛の鉄道ばなし』JTBパブリッシング、2012年、53-54頁。ISBN 978-4-533-08618-2。
因美線と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 因美線のページへのリンク