化学品の分類および表示に関する世界調和システム 日本におけるGHS

化学品の分類および表示に関する世界調和システム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/14 01:02 UTC 版)

日本におけるGHS

厚生労働省はGHSに基づく表示・文書交付制度を「労働者に健康障害を生ずるおそれのある物等を譲渡・提供する際に、化学物質等の情報を、表示・文書交付により相手方に知らせ、職場における化学物質管理を促進し、化学物質等による労働災害を防止する制度」と説明している。

2002年に開催された持続可能な開発に関する世界サミットにおいて2008年の世界的実施を目標としており、2003年7月の国連決議においても同様の目標が記載されている。GHSの実施は、条約などにより義務づけられているものではなく、各国の判断に任されているが、日本を含むAPECでは2006年中の実施を目指すことを国際的に表明している。日本では2005年労働安全衛生法の改正を経て、2006年12月1日から、従来の表示対象物である有害物に加え、危険物を対象として、GHSに対応したラベル表示が義務付けられる。

具体的には、表示対象となる99種の化学物質については、容器のラベルにその危険性、有害性がよく分かるように「危険」の文字や標章ピクトグラム)および表示対象化学物質名称を付け、有害性情報と危険性情報および保存方法、取り扱い方法等を文字で示し、製造者または輸入者の名称、住所、電話番号が義務づけられる。

危険とされる物は、必ずしも物理的危険性を有する危険物だけでなく、有毒性を有する物にも危険と記載されることに決定していることに注意が必要である。これは国際的な Harmonized(調和、調整)の結果であり、その結果「危険物」についての日本におけるこれまでの用語定義に変化が生じることになることに関係者は留意すべきであろう。

また、従来637種であったが、新たに3種を追加した、640種の化学物質について、危険性や対処方法を示した文書(安全性データシート(SDS))を関係者に渡して注意を呼びかけることも引き続き義務づけられる。


注釈

  1. ^ GHS序文から。

出典

  1. ^ GHS第4版 GHS関係省庁連絡会議翻訳 1.1.3.1.1
  2. ^ 化管法SDS制度(METI/経済産業省)”. www.meti.go.jp. 2018年8月2日閲覧。
  3. ^ 経済産業省 「政府向けGHS分類ガイダンス(平成22年度改定版)」
  4. ^ 国際連合 著、関係省庁連絡会議 訳『化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)』(PDF)(第6版)国際連合、2015年、41-110頁https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_text.html 
  5. ^ a b GHS関係省庁連絡会議3版の翻訳では explosivesの訳語として「火薬類」が当てられていたが、GHS4版では爆発物に改められた。
  6. ^ 国際連合 著、関係省庁連絡会議 訳『化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)』(PDF)(第6版)国際連合、2015年、111-214頁https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_text.html 
  7. ^ 環境省 保健・化学物質対策 - GHS 「GHSって何?」 閲覧2012-9-10
  8. ^ 経済産業省・化学物質管理 「第3.1章 急性毒性」 閲覧2012-9-10
  9. ^ 国際連合 著、関係省庁連絡会議 訳『化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)』(PDF)(第6版)国際連合、2015年、215-242頁https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_text.html 
  10. ^ 環境省 保健・化学物質対策 - GHS 「パンフレット」 閲覧2012-9-10





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