函館新幹線総合車両所 函館新幹線総合車両所の概要

函館新幹線総合車両所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/28 00:38 UTC 版)

函館新幹線総合車両所
基本情報
鉄道事業者 北海道旅客鉄道
帰属組織 函館支社
所属略号 函ハシ[1][2]
配置両数
電車 30両
合計 30両
備考 2022年4月1日現在のデータ
テンプレートを表示

概要

北海道新幹線車両の配置・管理のほか、日常的な検査である仕業検査から大規模な検査と修繕である全般検査までを行う総合車両基地であり、線路や電気設備の保守を行う保守基地を併設している[4]

事業費は370億円超[新聞 1]で、敷地面積は併設される保守基地を含めて約35 ha である[5]

このほか、基地内には、北海道新幹線内(新青森駅 - 新函館北斗駅間)の運転と車掌業務を担当する函館新幹線運輸所(はこだてしんかんせんうんゆじょ)と関連のグループ会社がある[4]

歴史

認可時の車両基地本体の名称は函館総合車両基地(はこだてそうごうしゃりょうきち)であった[報道 2]

2022年(令和4年)12月 - 本年3月に発生した仙台沖地震により被災し、9月に廃車となったH2編成の一部車両(10両中6両)が搬送された。同車両は今後社員教育用に使用される。

設備

新青森駅起点146.820kmの地点に[6]、新函館北斗駅から南側(新青森駅方向)へ向かう新幹線と南東(函館駅方向)へ向かう函館本線に挟まれる形で設置され、新青森方面へ500mほどの地点で本線から入出区用の回送線が分岐している[5][7]

主な建物として、臨修・転削庫、全般検査庫・台車検修場、車体検修場・車体塗装場、仕業交番検査庫、保守用車庫などが建設され、これらの外装は函館の赤レンガ倉庫をイメージしたものが採用されている[5]

線路設備としては、車両基地の南側に着発収容線が4線(10両編成×4本(40両)分)が確保され、2030年度末(予定)の新函館北斗駅 - 札幌駅までの延伸開業時には、12線(10両編成×13本(130両)分)まで拡大する予定である[新聞 1]

このほか、仕業交番検査庫に4線、全般検査庫・台車検修庫に2線、臨修線、転削線、保守用車両の引上線、機回線、ロングレール運搬重留置線を備え[5]、札幌延伸開業時の際には、総合試験車用の総合試験車線が設置される予定である[4]。仕業交番検査庫については、交検1・2番線と仕業線のほかに、一番北寄りの1線は融雪装置付きの融雪線としている[5][4]。なお、地形の関係からそれぞれの線路を直列に並べることができず、転線を行う際にはいったん引上線に移動して進行方向を変える必要がある[5]

配置車両の車体に記される略号

函ハシ」…前身の新幹線準備運輸車両所時代から使用している。


報道発表資料

  1. ^ 『鉄道ファン』通巻646号 「H5系始動!」
  2. ^ 『鉄道ファン』通巻646号 「新車速報 H5系と北海道新幹線」
  3. ^ a b c 函館総合車両基地について” (PDF). 七飯町. 2014年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年10月9日閲覧。
  4. ^ a b c d 『鉄道ファン』通巻661号 「開業直前! 北海道新幹線」
  5. ^ a b c d e f 『鉄道ジャーナル』通巻576号、67頁
  6. ^ 『北海道新幹線電気工事誌(新青森・新函館北斗間)』鉄道建設・運輸施設整備支援機構 鉄道建設本部 東京支社、2017年、9頁
  7. ^ この建設工事にあわせ、函館本線七飯駅 - 新函館北斗駅の新函館北斗駅寄りの区間が本基地に寄り添うルートへと線路切換が実施されている。
  8. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2022夏 交通新聞社、2022年、p.11。ISBN 9784330028224

新聞記事

  1. ^ 北海道新幹線 冬期対策設備の概要について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年1月15日。 オリジナルの2015年2月11日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20150211110421/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150115-4.pdf2015年1月15日閲覧 
  2. ^ a b 北海道新幹線の開業準備に関する今後の取り組みについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2014年9月10日。 オリジナルの2014年9月11日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140911002027/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/140910-2.pdf2014年9月10日閲覧 
  3. ^ 北海道新幹線開業に向けた組織の設置について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年7月17日。 オリジナルの2015年7月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20150717152357/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150717-4.pdf2015年7月17日閲覧 
  1. ^ a b “[新幹線 小百科] 【函館総合車両基地】検査や修理の機能も”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2014年6月19日). オリジナルの2014年10月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141031164910/http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/bullet_train_encyclopedia/239033.html 2014年10月31日閲覧。 
  2. ^ “北海道新幹線4編成40両、年内に納入開始 JR社長会見、総額180億円”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2014年3月13日). オリジナルの2014年3月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140320010337/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/526714.html 2014年3月13日閲覧。 
  3. ^ “北海道新幹線車両、函館港に10月陸揚げ 今年まず20両、基地へ陸送”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2014年3月19日). オリジナルの2014年3月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140319223337/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/527950.html 2014年3月19日閲覧。 
  4. ^ “これが北海道新幹線車両 きょうにも神戸から搬出”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2014年10月8日). オリジナルの2014年10月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141016045248/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/567363.html 2014年10月9日閲覧。 
  5. ^ “北海道新幹線「H5系」函館へ! 車両、神戸から初出荷”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2014年10月8日). オリジナルの2014年10月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141016044933/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/567462.html 2014年10月9日閲覧。 
  6. ^ “函館行きH5系、神戸の運河進む 北海道新幹線、初の搬出”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2014年10月9日). オリジナルの2014年10月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141016044757/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/567631.html 2014年10月9日閲覧。 
  7. ^ “北海道新幹線H5系車両、陸揚げ終盤 函館港”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2015年6月25日). オリジナルの2015年6月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150625170007/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0149650.html 2015年6月25日閲覧。 


「函館新幹線総合車両所」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「函館新幹線総合車両所」の関連用語

函館新幹線総合車両所のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



函館新幹線総合車両所のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの函館新幹線総合車両所 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS