免職
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/05 17:31 UTC 版)
懲戒免職
懲戒免職(ちょうかいめんしょく)とは、職場内の綱紀粛正及び規律と秩序の維持を目的として懲罰の意味で行う免職のことであり、職務に関するあらゆる懲戒処分の中で最も重い処分である。具体的には、法規違反や職務上の義務違反、職務懈怠、全体の奉仕者としてふさわしくない非行などを理由に行う。
任命権者は懲戒免職を行う前に、国家公務員は人事院、地方公務員は人事委員会もしくは公平委員会へ解雇予告の除外を申請し、認定が得られた場合には通常の退職手当を支給せず、即日(即時)に免職できる。この認定が得られない場合には、免職の際に解雇予告手当にあたる「予告を受けない退職者の退職手当」を支給しなければならない。
懲戒免職の宣告を受けた場合、その対象が20歳以上の成人では多くの場合で氏名や職名などが公表され[1][2]、再就職も非常に困難となる。また、公務員は雇用保険に加入しないため、同制度上の失業給付を受けることもできず、再就職しない限り収入を得る手段がまったくなくなる。さらに、宣告を受けた日から2年間、国家公務員の場合は国家公務員に、地方公務員の場合は当該地方公共団体の地方公務員に就職することはできない(国家公務員法・地方公務員法ともに『欠格事項』として定められている)。年金も、職域年金相当部分の額の2分の1が60か月間支給停止される。
以上のようにきわめて厳しい処分であるため、その運用は厳格[3]に定められており、民間企業であれば確実に懲戒解雇となるような行為であっても、多くの場合は停職以下の処分や諭旨免職相当の処分となる。このため、懲戒免職となるのはきわめて悪質なケース[注 1]に限られている。
注釈
出典
- ^ (例)防衛省・自衛隊:懲戒処分の公表(防衛省HP,「お知らせ」項)
- ^ 懲戒処分の公表指針について(平成15年人事院事務総長発)、ただし、20歳未満の者で懲戒免職に処された場合は本人の将来性などを考慮して公表されない場合もあるが、最終的な判断は任命権者の裁量に委ねられる
- ^ “水巻町職員の懲戒処分に関する基準”. 水巻町ホームページ. 2020年7月15日閲覧。
- ^ 知恵蔵mini『分限免職』 - コトバンク
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