世界を揺るがした10日間 出版

世界を揺るがした10日間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/03 09:00 UTC 版)

出版

この本が最初に出版された後、リードは1919年の秋にロシアに戻り、レーニンがこの本を読む時間を取ったと知り、大喜びした。さらにレーニンはこの本の書評を書く事に同意し、ボニ&リヴライト社による1922年版からは以下の文章が載せられた[7]

私は注意深く最大の関心をもってジョン・リードの著作『世界を揺るがした10日間』を読んだ。私はこの著作を無条件に全世界の労働者に推薦する。この本はすべての言語に翻訳され、何百万部も出版されるべきである。この本の内容は真実であり、最も鮮明にプロレタリア革命プロレタリア独裁の実態を包括している非常に重要な解説である。これらの問題は広く賛否を議論されてきたが、彼は自身の決断の重要性を理解している。ジョン・リードの著作は国際労働運動の原理的な問題の疑問を解き明かす助けに成ることに疑いの余地は無い。
ウラージーミル・レーニン.
1919年末

ジョージ・オーウェルが小説『動物農場』の紹介として書いた「報道の自由」(1945年)の中で[15]、オーウェルは「イギリス共産党はレーニンの紹介とトロツキーへの言及を省略した版を出版している」と批判した。

ロシア革命の最初の目撃談である『世界を揺るがした10日間』の作者、ジョン・リードの死によってこの本の著作権はイギリス共産党の手に渡った。イギリス共産党はこの本を後世に残すと私は信じている。数年後イギリスの共産主義者はこの本の原版を完全に破壊し、レーニンによるこの本の紹介とトロツキーの言及を削除し、原版から大きく歪められた版が出版された。

映画

1928年にはセルゲイ・エイゼンシュテインによってこの本が映画化された。

1967年にオーソン・ウェルズによって同タイトルでリメイクされた作品がグラナダのテレビ局によって放送された[16]

ジョン・リード自身の功績とこの本の一部は、1981年にウォーレン・ベイティによって『レッズ』として映画化された。

1982年にソ連の映画監督セルゲイ・ボンダルチュクが製作した『赤い鐘英語版』に大きな影響を与えた(『赤い鐘』の副題は『世界を揺るがした10日間』である)[17]

共産主義者の映画脚本家であるレスター・コールに1946年の作品『東京スパイ大作戦』ではジェームズ・キャグニーシルヴィア・シドニーが演じる2人の登場人物が、作中で10日間かかる計画を共に立てているときに”世界を揺るがす10日間”という台詞を言う場面がある。

日本語版

日本語版のタイトルは翻訳者や版元によってバリエーションが存在する。


  1. ^ 日本語訳題は複数のバリエーションがある(#日本語版を参照)。
  2. ^ 当時、ロシア帝国ではユリウス暦が使用されていた。10月革命は欧米などで使用されていたグレゴリオ暦では11月に起きた。
  3. ^ このリストは20世紀にアメリカで出版された作品に限る。
  1. ^ a b c Reed, John (1990-02-07) [1919]. Ten Days that Shook the World (1st ed.). Penguin Classics. ISBN 0-14-018293-4 
  2. ^ Mott, Frank Luther (1941). American Journalism: A History of Newspapers in the United States Through 250 Years, 1690–1940. New York: The Macmillan Company 
  3. ^ Eastman, Max (1964). Love and Revolution: My Journey Through an Epoch. New York: Random House. pp. 69–78 
  4. ^ Gold, Michael (1940-10-22). “He Loved the People”. The New Masses: 8–11. 
  5. ^ Duke, David C. (1987). John Reed. Boston: Twayne Publishers. p. 41. ISBN 0-8057-7502-1 
  6. ^ Eastman, Max (1942). Heroes I Have Known: Twelve Who Lived Great Lives. New York: Simon and Schuster. pp. 223–4 
  7. ^ a b Duke, David C. (1987). John Reed. Boston: Twayne Publishers. ISBN 0-8057-7502-1 
  8. ^ Kennan, George Frost (1989) [1956]. Russia Leaves the War: Soviet-American Relations, 1917–1920. Princeton University Press. pp. 68–69. ISBN 0-691-00841-8 
  9. ^ Barringer, Felicity (1999年3月1日). “Journalism's Greatest Hits: Two Lists of a Century’s Top Stories”. The New York Times. https://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9407E3D6123CF932A35750C0A96F958260&n=Top/Reference/Times%20Topics/Organizations/N/New%20York%20University 2007年11月17日閲覧。 
  10. ^ The Top 100 Works of Journalism”. New York University. 2007年11月17日閲覧。
  11. ^ Stephens, Mitchell. “The Top 100 Works of Journalism in the United States in the 20th Century”. New York University. 2007年11月17日閲覧。
  12. ^ Trotskyism or Leninism?
  13. ^ Kahn, A. E. and M. Sayers. The Great Conspiracy: The Secret War Against Soviet Russia. 1st ed. Boston: Little, Brown and Co., 1946. pp. 190–1.
  14. ^ “50 Worst Books of the Twentieth Century”
  15. ^ George Orwell, "The Freedom of the Press, Orwell's Proposed Preface to Animal Farm", online: orwell.ru/library
  16. ^ Ten Days That Shook the World in the National Library of Australia (which apparently lists/conflates its date of acquisition with the actual year of production). It's also on You Tube in its entirety free.
  17. ^ Eleanor Mannikka. “Ten Days That Shook the World (1982)”. The New York Times. 2012年3月31日閲覧。


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