ルパン三世 バビロンの黄金伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/29 21:28 UTC 版)
登場メカ
- オリエント急行
- 物語中盤で登場。国際寝台車会社のオリジナルの形態である。ルパンたちとNYマフィアの戦闘により一部が滅茶苦茶にされるが、車両分断されても前方部の車両は止まらずに運行し続けた。
- ノースアメリカンP-51マスタング
- 第二次世界大戦から朝鮮戦争にかけて主力だったアメリカ陸軍(後にアメリカ空軍)のレシプロ戦闘機。ルパンを追跡するマルチアーノが使用。
- ハンヴィー[注釈 6]
- アメリカ陸軍の高機動多用途車両。マルチアーノ一味がルパン追跡に使ったが、後述のT-62戦車に破壊された。
- T-62戦車
- クウェート軍が運用していたものを、美人婦警軍団が3輌強奪してルパン追跡に使用。なお本来の乗員は4名で、最低でも運転手と砲手、装填手の3名が必要なため2名での運用は不可能である。
- 本作上映当時のクウェート軍主力戦車はイギリス製のチーフテン戦車であり、中東において実際にT-62を運用していたのはイラク、シリア、イラン、エジプト、イエメン、イスラエル(鹵獲した車輌を運用)である。
- オフロード車(キューベルワーゲン)
- ルパンがイラクの砂漠で使用していたオフロードカー。ルパンは「水陸両用」と言っているが、兄弟車のシュビムワーゲンとは違い水上では陸上用のタイヤ、サスペンションは取り外す。
評価
小黒祐一郎は「やりたい事は分からないでもないが、作品全体として観ると、散漫な仕上がりとなっている」と評している。作画に関しては「『PARTIII』調のグラフィカルなキャラクターが劇場作品に合っていたかというと、ちょっと難しい」とする一方で「スケジュールがなかったとは思えないほどに健闘。全体にアクションシーンが多く、それがよく動いている」と高く評し、「『カリオストロの城』でルパンが丸くなってしまった事への反発があったのかどうかは分からないが、とにかく作り手は「美女よりもお宝を選ぶルパン」を描いた。安っぽいと言えば安っぽいのだけれど、それもルパンらしい。」と総括している[11]。
リアルサウンドのライターであるのざわよしのりは、製作期間の短さから「内容に関しては色々とほころびが多い映画だと思います、正直いって」と評する[12]一方で、「あの映画が好きっていう人が意外と多い」と述べ「後年見直したら作画は凄く凝ってると思った」「(公開)当時は好きじゃなかったけれど、あの絵の味とスラップスティックな面白さが分かるようになったのは大人になってからだった」としている[13][14]。また、劇場版前2作に比べテレビ放送の回数が少ないことにも触れており「ライト層にはクセのある絵柄が受けにくいのではないか」と分析している[12][15][16]。
テレビ放送
※有料チャンネル除く
回数 | 放送局 | 番組名 | 放送日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 1986年11月28日 | |
2 | 読売テレビ | アニメだいすき! | 1990年1月5日 | |
3 | 1993年7月30日 | |||
4 | BS日テレ | 日曜ロードSHOW! | 2019年8月11日 | [6] |
注釈
- ^ 次作『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』は山田の存命中に製作されたが本編のアフレコ直前に逝去(予告編のみ出演)。
- ^ この歌は、後に「SONG OF BABYLON」という題で1991年発売の『ルパン三世 テーマ・コレクション』に収録された。作詞:不明 / 作曲:大野雄二 / 唄:河合奈保子
- ^ 役名記載なし。公式パンフレットの記載に準拠する。
- ^ 浦沢はテレビ第2シリーズでもニューヨークを舞台にした作品をいくつか残している。
- ^ 『ルパンVS複製人間』では橋本正二、『カリオストロの城』では倉橋静男が担当していた。
- ^ 「ハマー」ではない。ハマーが登場したのは1992年である。本来「ハマー」はハンヴィーの民生用モデルの愛称である。
出典
- ^ a b c d e 東宝 1985, pp. 14
- ^ a b c 飯岡順一『私の「ルパン三世」奮闘記 アニメ脚本物語』河出書房新社、2015年。ISBN 4309275591。
- ^ “【ルパン三世】人気アニメ映画・OVA作品TOP13! 1位は「カリオストロの城」に決定!【ネタバレ注意】”. ねとらぼ (ITmedia). (2021年2月25日) 2023年8月27日閲覧。
- ^ 東宝 1985, p. 3.
- ^ a b c d e f g 東宝 1985, p. 19
- ^ a b “8月11日(日)21:00~22:54 映画「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」”. 日曜ロードSHOW!. BS日テレ. 2019年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月27日閲覧。
- ^ a b c 「特集 大和屋竺追悼」『映画芸術』Vol.368、映画芸術、1993年、130-147頁。
- ^ 「オペレッタ狸御殿 脚本家インタビュー 浦沢義雄」『宇宙船』Vol.118(2005年5月号)、朝日ソノラマ、2005年5月1日、85頁、雑誌コード:01843-05。
- ^ 大森英敏 [@xVDmVQwCNtwmFIo] (2020年3月31日). "バビロンの黄金伝説の制作期間は2ヶ月だったんですよ!". X(旧Twitter)より2023年8月27日閲覧。
- ^ 河合奈保子FC編集部 (1985年7月). “ルパンはやっぱりやさしい人… アフレコ初体験報告”. 奈保子しんぶん vol.29 (河合奈保子FC)
- ^ 小黒祐一郎 (2009年). “アニメ様365日 第235回『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』”. WEBアニメスタイル. 2023年8月27日閲覧。
- ^ a b のざわよしのり [@mad_yn] (2012年4月2日). "本人の投稿". X(旧Twitter)より2023年8月27日閲覧。
- ^ のざわよしのり [@mad_yn] (2013年11月24日). "本人の投稿". X(旧Twitter)より2023年8月27日閲覧。
- ^ のざわよしのり [@mad_yn] (2014年10月15日). "本人の投稿". X(旧Twitter)より2023年8月27日閲覧。
- ^ のざわよしのり [@mad_yn] (2016年9月23日). "本人の投稿". X(旧Twitter)より2023年8月27日閲覧。
- ^ のざわよしのり [@mad_yn] (2016年9月23日). "本人の投稿". X(旧Twitter)より2023年8月27日閲覧。
固有名詞の分類
映画作品 |
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