ミニ (BMW)
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モータースポーツ
BMC時代同様、ラリーを中心に活動している。2011年、プロドライブがBMWワークスとして、改定されたWRカー規定に則ったミニ・ジョン クーパー ワークス WRCでWRC参戦を開始。2012年のラリー・モンテカルロで、ダニ・ソルドが総合2位表彰台を獲得するなどの活躍を見せたが、同年2月に資金を巡ってプロドライブとBMWの関係が決裂。代わってチーム・ミニ・ポルトガルがワークス指定を受けたが、結局優勝を挙げることはできないまま2013年を最後にミニのワークスはWRCから姿を消した。WRカーのベースとなったスーパー2000規定仕様も開発・供給されたが、大きな戦果を挙げることはできなかった。
WRCと同じく2011年から、10年近くBMWのセミワークスとしてラリーレイドに参戦していたX-raidの手により、グループT1規定の ALL4 Racingでラリーレイドにも参戦。実態はそれまで用いていたBMW・X3 CC[注 11]の競技専用設計の鋼管フレームはほぼそのままで、シルエットをカントリーマンに変えただけのものであり、市販車よりも明らかに巨体になっている(2011年仕様で全長4,333mm、全幅1,999mm、全高1,996mm)[26][27]。規則でフロントにマウントしてるエンジンもX3 CCに同じ直列6気筒ディーゼルの3.0Lツインターボで、最高出力315ps/231kW、最大トルク72.4kg·m/710N·mを発揮し[28]、四輪駆動で出力する。ダカール・ラリーでは2012年と2013年にステファン・ペテランセル、2014年はナニ・ロマ[注 12][30][29]、2015年にはナッサー・アル=アティヤが勝利し、砂漠の王者の地位を築いた。All4 Racingは2017年にジョン・クーパー・ワークス・ラリー(JCWラリー)としてフルモデルチェンジされた。
2016年と2017年はMRレイアウト(二輪駆動)のプジョー・スポール勢の後塵を拝したため、2018年はJCWラリー4台に加え、MRのジョン・クーパー・ワークス・バギー(JCWバギー)3台の計7台を投入。ただこのJCWバギーはサスペンションストローク量を大きく取る都合上、ボディ上半分以外はほぼ原型のシルエットを残していないため、賛否両論であった。JCWバギーはプジョー撤退後の2020年、2021年に連覇を果たしている。
2023年にはJCWバギーに近いデザインで四輪駆動化した、新生グループT1+車両であるJCWラリー+が投入された。
サーキットでは国際レベルの活動は行っていないが、米国MINIがIMSAのCTSC(コンチネンタル・タイヤ・スポーツカー・チャレンジ、2018年まで)やTCアメリカなどのツーリングカーレースに参戦している。なお米国MINIによるTCR規定車両の開発もされていたが、結局投入されずに終わっている。
英国では2002年からワンメイクレース「ミニ・チャレンジ」を開催しており、2017年から日本でも「ミニ・チャレンジ・ジャパン」が開催されている。本レースはJCWクラスとクーパークラスに分かれており、2023年時点で英国のJCWクラスは250馬力程度でドナー車込で約5万ユーロ、クーパークラスは130馬力でドナー車込で約1.2万ユーロとなっている[31]。
注釈
- ^ BMWが開発に関与したものでは1998年のローバー75とMG・ZTが初、BMWブランドでは2014年の2シリーズ アクティブツアラー(F45)が初。
- ^ 2002年7月からフェラーリ・マセラティ・グループのコンセプトデザイン担当役員を務め、2005年2月よりフィアット、2007年6月よりアルファロメオに在籍。
- ^ ペンタゴン・エンジンとも呼ばれる。
- ^ 布袋のトレードマークである白黒の幾何学模様にデザイン
- ^ Sport Activity Coupe: スポーツ・アクティビティ・クーペ
- ^ 数値は3ドアハッチバックのクーパー
- ^ PSAと共同開発の新型で、プジョー・208と基本を共有する。
- ^ 直噴と可変の2つの技術で、ツインターボではない[22]。
- ^ 6ATは184 g/ km
- ^ 走行中にアクセルペダルから足を離すとエンジンとトランスミッションの駆動力の伝達を切断、惰性走行により燃料消費を抑制する。GREENモード時のみ作動する。
- ^ Cross Country:クロスカントリー
- ^ 2004年の2輪部門総合優勝に続き4輪部門を制覇し、史上3人目の両部門優勝選手となった[29]。
出典
- ^ “マグナシュタイヤー、BMWグループと新たな受託生産契約を締結へ”. Response. (2014年2月3日)
- ^ “2007 MINI クーパーS コンバーチブル サイドウォーク (R52型)”. MOTOR DAYS. (2010年6月1日)
- ^ “「MINI」の新顔3台がデビュー”. webCG. (2005年6月27日)
- ^ “試乗レポート BMW MINI ONE SEVEN MINI COOPER PARK LANE MINI COOPER S CHECKMATE”. carview
- ^ “ミニ史上最強、ジョン・クーパー・ワークスGPキット”. HOBIDAS AUTO. (2006年7月11日)
- ^ “日本専用、スペシャルデザインの「MINI」、300台限定で発売”. webCG. (2006年11月13日)
- ^ “パディントンベアから特別なサプライズ!斬新な「くまモンMINI」が登場!”. autoblog 日本版. (2013年7月12日)
- ^ “クラブマン 納車開始…3月2日、ミニの日から”. Response. (2008年2月18日)
- ^ “MINIクーパーS コンバーチブル(FF/6AT)【ブリーフテスト】”. webCG. (2009年7月23日)
- ^ a b “MINIクーパー クーペ(FF/6AT)【短評】”. webCG. (2011年10月25日)
- ^ “オープンの新型MINI、「ロードスター」登場”. webCG. (2011年11月1日)
- ^ “MINIロードスター と布袋寅泰のコラボレーションが実現”. Response. (2012年3月23日)
- ^ “MINI、布袋寅泰のコラボモデルを特別展示”. Response. (2012年7月3日)
- ^ “HOTEIxMINIコラボカーを全国展示”. MINI.jp. (2012年10月12日)
- ^ “MINI クーペ と ロードスター、生産終了へ…4年の歴史に幕”. carview!. (2015年2月16日)
- ^ “MINI「ペースマン」”. Car Watch. (2013年3月18日)
- ^ “ミニ・ペースマンの価格決定”. AUTOCAR DIGITAL. (2012年9月14日)
- ^ “第3世代ミニがワールドプレミア。スペック情報も”. carview. (2013年11月19日)
- ^ “ミニ クラブマン コンセプト”. OPENERS. (2014年3月15日)
- ^ “ミニ5ドア・ハッチ、生産開始”. AUTOCAR DIGITAL. (2014年7月2日)
- ^ a b “BMWグループ ジャパン、第3世代となる新型「MINI」の日本仕様を発表!”. autoblog 日本版. (2014年3月26日)
- ^ “BMWの「ツインパワー」は2つのターボじゃありません”. clicccar. (2012年4月10日)
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- ^ “【MINI】Specialist海外試乗 想像以上の進化を遂げた新型MINIクーパー レポート:石井昌道”. Auto Prove. (2014年2月18日)
- ^ “【試乗】BMW NEW MINI(新型 ミニ・第3世代) 海外動画試乗レポート/河口まなぶ”. オートック ワン. (2014年4月18日)
- ^ “【ダカールラリー2012】 ブサカワだった「MINI All4 Racing」”. autoblog 日本版. (2012年1月17日)
- ^ 『WRC plus 2012 vol.1』P74
- ^ “MINIクロスオーバーのダカール仕様…写真公開”. Response. (2010年12月14日)
- ^ a b “2014ダカールラリーをX-RaidのMINI ALL4 Racingが制覇!”. ENDLESS
- ^ “ミニ・カントリーマン、ダカールで勝利”. AUTOCAR DIGITAL. (2012年1月17日)
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