ミニ (BMW)
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第3世代 (2013年 - ) F54/F55/F56/F57/F60
ミニ(第3世代)[注 13] | |
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![]() クーパーS 3ドア 2013年発売型 | |
![]() クーパーD 3ドア 2021年改良型 | |
![]() 運転席 | |
概要 | |
販売期間 | 2013年 - |
ボディ | |
ボディタイプ | ハッチバック、ステーションワゴン、コンバーチブル |
駆動方式 | FF・4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
直列3気筒 1.2L/1.5L ターボ 直列4気筒 2.0L ターボ 直列4気筒 2.0L ディーゼル |
最高出力 |
ワン前期型 102ps(75kW)/4100rpm ワン後期型 102ps(75kW)/3900rpm クーパー 136ps(100kW)/4400rpm クーパーD(ディーゼル) 116ps(85kW)/4000rpm クーパーS 192ps(141kW)/5000rpm クーパーSD(ディーゼル) 170ps(125kW)/4000rpm ジョンクーパーワークス 231ps(170kW)/5200rpm ジョンクーパーワークスGP 306ps(225kW)/5200rpm |
最大トルク |
ワン前期型 18.4kgfm(180Nm)/1400rpm ワン後期型 19.4kgfm(190Nm)/1380rpm クーパー 22.4kgfm(220Nm)/1250rpm クーパーD(ディーゼル) 27.5kgfm(270Nm)/1750rpm クーパーS 28.6kgfm(280Nm)/1350rpm クーパーSD(ディーゼル) 36.7kgm(360Nm)/1500rpm ジョンクーパーワークス 32.6kgfm(320Nm)/1450rpm ジョンクーパーワークスGP 45.9kgfm(450Nm)/1450rpm |
変速機 | 6速MT/6速AT/7速DCT/8速AT |
サスペンション | |
前: マクファーソンストラット 後: マルチリンク | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,495mm |
全長 | 3,821mm |
全幅 | 1,727mm |
全高 | 1,415mm |
その他 | |
最小回転半径 | 5.1m |
JC08モード燃費 |
19.2km/L (MT) 17.9km/L (AT) |
ミニの生みの親であるサー・アレック・イシゴニス生誕107年に当たる2013年11月18日、オックスフォード工場で世界初公開[18]、2日後の11月20日には東京モーターショー2013でショー初披露、2014年のジュネーブモーターショーではドア数の変更と併せ、クラブドアが観音開きから全て前ヒンジの一般的な4ドアに変更された「クラブマン・コンセプト」が公開[19]、7月には5ドアハッチバックの生産が開始された[20]。ボディサイズの拡大により、日本では3ナンバー (普通車) 登録となる[21]。プラットフォームは新開発の「UKL」ならびに「UKL2」が採用され、ホイールは4穴から5穴へ変更され、PCDも100から112に変更された。なお、F54はクラブマン、F55は5ドア、 F56は3ドア、F57はカブリオ(日本名:コンバーチブル)、F60はカントリーマン(日本名:クロスオーバー)を表す。
エクステリアは「アイコニックデザイン」を踏襲した先代のキープコンセプトだが、インテリアは、初代から採用されていたセンターメーターが廃止されたことに伴い、スピードメーターは一般的なステアリング奥へと変更された。センターメーターが設置されていた位置には、iPhoneやAndroid端末にも対応する「MINI Connected」を備えた「センターディスプレイ」が設置され、オプションで車速を表示する「ヘッドアップディスプレイ」も設定した。
メカニズム
エンジンは、ガソリン&ディーゼル共に直列3気筒DOHC12バルブの1.2/1.5 L[注 14]、直列4気筒DOHC16バルブの2.0 L。BMWグループの“ツインパワーターボテクノロジー[注 15]”に基づくターボ仕様で、CO2排出量は、96 ps/70 kWのディーゼル1.2 Lが最小の89 g/km、最も高出力な221 ps/162 kWのガソリン2.0 Lでは172 g/kmとなっている[注 16]。トランスミッションは6速MTまたは6速AT。日本仕様はエコカー減税の対象となるよう、ドライブトレーンが独自に調整されている[23]。オプションのMINIドライビング・モードは、走行特性を標準のMID、ハンドリング重視のSPORT、燃費重視のGREENから選択可能。同モードを搭載するATモデルには、コースティング機能[注 17]が備わる[21]。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リヤがマルチリンクの基本構成は同じだが、ストロークが改善された。オプションとして、2段階に可変する電子制御式のダイナミックダンパーコントロール (DDC)[24]が設定され、ドライビング・モードとの組み合わせで連動制御が可能となっている[25]。
安全面では、5 km - 15 km/hで作動する自動ブレーキのドライビングアシスト、ETC内蔵のルームミラー、LEDヘッドランプ、アクティブクルーズコントロールなどが新たに採用された。また、前モデルではMT仕様のみに採用されていたアイドリングストップ機構が、AT車にも採用された。
また、クラブマンにはミニ史上初となる電動式パーキングブレーキも採用されている。 2019年現在、世界的に見ても採用例の少なくなったハードトップ車であり、日本国内でクーペ、オープンカーを除き新車で購入できる数少ないハードトップ車である。
注釈
- ^ BMWが開発に関与したものでは1998年のローバー75とMG・ZTが初、BMWブランドでは2014年の2シリーズ アクティブツアラー(F45)が初。
- ^ マイナーチェンジ後は170ps。
- ^ 2002年7月からフェラーリ・マセラティ・グループのコンセプトデザイン担当役員を務め、2005年2月よりフィアット、2007年6月よりアルファロメオに在籍。
- ^ ペンタゴン・エンジンとも呼ばれる。
- ^ クーパーSのATは2005年のマイナーチェンジで追加。
- ^ ワンの販売は海外のみ。
- ^ JCW (ジョン・クーパー・ワークス) というこのモデルは、レーシングミニの名チューナーとしてのブランドイメージを強く押し出したモデルで、クーパーSの170psという出力に対して、48ps増の218psという高出力を引き出している。内装も後席を撤去し2シーター化されたほか、フォグランプやリアワイパーも撤去し、ヘッドランプも軽量化のためにHID→ハロゲンに変更している他、リアサスペンションのロアアームもアルミ製とし、JCW専用のセッティングとブレーキを採用するなど、走りに振った構成となっている。シートも全モデルがレカロ製のスペシャル品を採用する。軽量化の反面、大径の18インチホイールの採用や各部の強度アップ、整流板の追加などもあり、車両重量はクーパーSより15kgほど増の1,195kgとなった。他にも多くの部分で見直しが図られ、スポイラーや車体下部の整流板など空力にも手を入れられた結果、最高速度は240km/h、0-100km/h加速は6.5秒という、シリーズ最高の性能を発揮している[5]。
- ^ クーパーが100台、クーパーSが200台である。
- ^ 「くまモンMINI」は7月13日より故郷・熊本にあるMINI熊本で展示される[7]。
- ^ BMWではクロスオーバーSUVではなくSAV = Sports Activity Vehicle と呼称している。
- ^ 布袋のトレードマークである白黒の幾何学模様にデザイン
- ^ Sport Activity Coupe: スポーツ・アクティビティ・クーペ
- ^ 数値は3ドアハッチバックのクーパー
- ^ PSAと共同開発の新型で、プジョー・208と基本を共有する。
- ^ 直噴と可変の2つの技術で、ツインターボではない[22]。
- ^ 6ATは184 g/ km
- ^ 走行中にアクセルペダルから足を離すとエンジンとトランスミッションの駆動力の伝達を切断、惰性走行により燃料消費を抑制する。GREENモード時のみ作動する。
- ^ Cross Country: クロスカントリー
- ^ 2004年の2輪部門総合優勝に続き4輪部門を制覇し、史上3人目の両部門優勝選手となった[28]。
出典
- ^ “マグナシュタイヤー、BMWグループと新たな受託生産契約を締結へ”. Response. (2014年2月3日)
- ^ “2007 MINI クーパーS コンバーチブル サイドウォーク (R52型)”. MOTOR DAYS. (2010年6月1日)
- ^ “「MINI」の新顔3台がデビュー”. webCG. (2005年6月27日)
- ^ “試乗レポート BMW MINI ONE SEVEN MINI COOPER PARK LANE MINI COOPER S CHECKMATE”. carview
- ^ “ミニ史上最強、ジョン・クーパー・ワークスGPキット”. HOBIDAS AUTO. (2006年7月11日)
- ^ “日本専用、スペシャルデザインの「MINI」、300台限定で発売”. webCG. (2006年11月13日)
- ^ “パディントンベアから特別なサプライズ!斬新な「くまモンMINI」が登場!”. autoblog 日本版. (2013年7月12日)
- ^ “クラブマン 納車開始…3月2日、ミニの日から”. Response. (2008年2月18日)
- ^ “MINIクーパーS コンバーチブル(FF/6AT)【ブリーフテスト】”. webCG. (2009年7月23日)
- ^ a b “MINIクーパー クーペ(FF/6AT)【短評】”. webCG. (2011年10月25日)
- ^ “オープンの新型MINI、「ロードスター」登場”. webCG. (2011年11月1日)
- ^ “MINIロードスター と布袋寅泰のコラボレーションが実現”. Response. (2012年3月23日)
- ^ “MINI、布袋寅泰のコラボモデルを特別展示”. Response. (2012年7月3日)
- ^ “HOTEIxMINIコラボカーを全国展示”. MINI.jp. (2012年10月12日)
- ^ “MINI クーペ と ロードスター、生産終了へ…4年の歴史に幕”. carview!. (2015年2月16日)
- ^ “MINI「ペースマン」”. Car Watch. (2013年3月18日)
- ^ “ミニ・ペースマンの価格決定”. AUTOCAR DIGITAL. (2012年9月14日)
- ^ “第3世代ミニがワールドプレミア。スペック情報も”. carview. (2013年11月19日)
- ^ “ミニ クラブマン コンセプト”. OPENERS. (2014年3月15日)
- ^ “ミニ5ドア・ハッチ、生産開始”. AUTOCAR DIGITAL. (2014年7月2日)
- ^ a b “BMWグループ ジャパン、第3世代となる新型「MINI」の日本仕様を発表!”. autoblog 日本版. (2014年3月26日)
- ^ “BMWの「ツインパワー」は2つのターボじゃありません”. clicccar. (2012年4月10日)
- ^ “BMWグループジャパン、第3世代となる新型「MINI」の日本仕様を発表!”. autoblog 日本版. (2014年3月26日)
- ^ “【MINI】Specialist海外試乗 想像以上の進化を遂げた新型MINIクーパー レポート:石井昌道”. Auto Prove. (2014年2月18日)
- ^ “【試乗】BMW NEW MINI(新型 ミニ・第3世代) 海外動画試乗レポート/河口まなぶ”. オートック ワン. (2014年4月18日)
- ^ “【ダカールラリー2012】 ブサカワだった「MINI All4 Racing」”. autoblog 日本版. (2012年1月17日)
- ^ “MINIクロスオーバーのダカール仕様…写真公開”. Response. (2010年12月14日)
- ^ a b “2014ダカールラリーをX-RaidのMINI ALL4 Racingが制覇!”. ENDLESS
- ^ “ミニ・カントリーマン、ダカールで勝利”. AUTOCAR DIGITAL. (2012年1月17日)
- 1 ミニ (BMW)とは
- 2 ミニ (BMW)の概要
- 3 第2世代 (2006年 - 2016年) R55/56/57/58/59/60/61
- 4 第3世代 (2013年 - ) F54/F55/F56/F57/F60
- 5 モータースポーツ
- 6 関連項目
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