ミゲル・テハダ 経歴

ミゲル・テハダ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/10 02:21 UTC 版)

経歴

プロ入りとアスレチックス時代

1993年7月17日にオークランド・アスレチックスと契約金2,000ドルで入団する[1]

1997年8月27日、メジャーデビュー。26試合に出場して打率.202、2本塁打、10打点を記録した。

1998年5月30日にメジャー昇格後105試合に出場して打率.233、11本塁打45打点を記録した。

1999年はチーム最多の159試合に出場して[2]、打率.251、21本塁打、84打点を記録。7月11日には遊撃手として史上10人目の1試合3本塁打を記録[3]

2000年はメジャーの遊撃手としてはアレックス・ロドリゲスに次ぐ30本塁打、115打点を記録し、遊撃手としての球団記録を更新[4]。チームは8年ぶりの地区優勝でポストシーズンへ進出したがヤンキースに2勝3敗で敗退。

2001年は初めて全162試合に出場した。31本塁打を放ち、前年に続き遊撃手としての球団シーズン本塁打記録を更新。4月14日のレンジャーズ戦でケニー・ロジャースから球団通算1万本塁打となる本塁打を放っている[5]。9月29日にマリナーズ戦でサイクル安打を達成[6][3]。前年に続きワイルドカードでポストシーズンへ進出したがヤンキースに2勝3敗で敗退。

2002年は打率.308と初めて3割を超え、球団史上1938年のウォーリー・モーゼス英語版以来となるシーズン200本安打を達成した[7]。34本塁打・131打点と自身が持つ遊撃手としての球団記録をさらに更新し、7月24日にはエディ・ジュースト英語版の遊撃手としての球団通算本塁打記録を更新[3]。7月9日に行われたオールスターに初めて選出されると、2004年からは3年連続で選出されるようになった。ルイス・カスティーヨの35試合に次いでシーズン2位となる24試合連続安打をオールスター終了後の7月11日から8月6日にかけて記録した[3]。シーズン終盤、チーム20連勝・逆転でのポストシーズン進出の原動力となり57本塁打・142打点でリーグ2冠のアレックス・ロドリゲスを抑え、MVPを獲得している[8]

2003年5月10日まで打率が1割台で推移したが、最終的に打率は.278で27本塁打106打点を記録した。連続試合出場を594まで伸ばし、球団記録となった。シーズン終了後の10月27日にFAとなり、デトロイト・タイガースシアトル・マリナーズが獲得に動いた。

オリオールズ時代

2003年12月18日に総額7,200万ドルの6年契約でボルチモア・オリオールズと契約した[1]

2004年は1922年にケン・ウィリアムズが記録した155打点に次ぐ150打点をたたき出し[9]、打点王とシルバースラッガー賞を受賞した。

2005年7月12日のオールスタージョン・スモルツブレーブス)から本塁打を放ちMVPを獲得した。打率.304、26本塁打、98打点と打撃3部門は前年より悪化したが、5月9日のツインズ戦で遊撃手として史上5人目となる通算200本塁打を達成した[10]。45二塁打を記録した松井秀喜らを抑えリーグ1位の50二塁打を記録した[11]。2004年、2005年テハダはシルバースラッガー賞を2年連続獲得するなどチームの中心選手として活躍したがチームは低迷。

2006年はシーズン開幕前の3月に開催された第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ドミニカ共和国代表に選出された[12]

シーズン開幕前には球団を批判し、トレード志願をした[13]。テハダはこの年打率が自身最高の.330を記録し、1954年以降ではカル・リプケン・ジュニアを上回り球団史上最多の214本安打を記録した[14]

2000年6月から試合に出場し続け、2007年4月24日にはMLB史上7人目の1100試合連続出場を達成。しかし、6月20日のパドレス戦で左手首に死球を受け、22日に15日間の故障者リスト入り。これにより連続試合出場記録は1152試合(MLB史上5位)で途切れた[15]。8月に自己最多となる月間10本塁打を記録したが[15]、シーズンを通しては18本塁打と9年ぶりに20の大台を下回った。

アストロズ時代

2007年12月12日にルーク・スコットマット・アルバースマイク・コスタンゾ英語版トロイ・パットンデニス・サファテの5選手との交換トレードでヒューストン・アストロズに移籍[16]

2008年は4月終了時点の打率.345はチーム1位と好調なスタート。5月2日のブルワーズ戦の試合前には始球式に参加する筋ジストロフィーの少年に本塁打を約束[17]。6回に約束通りに本塁打を記録。オールスターにも2年ぶりに選出されたが、後半戦は打率.295、3本塁打、22打点、OPS.714と前半戦の半分以下の数字となった[18]

2009年はシーズン開幕前の3月に開催された第2回WBCドミニカ共和国代表に選出され、2大会連続2度目の選出を果たした[19]

シーズンでは打率.329、7本塁打、OPS.830と好調で前半戦を折り返す。最終的に自身2度目の199安打を放ち、打率.313、14本塁打、86打点、OPS.795、リーグ1位の46二塁打を放つ活躍を見せた。オフの11月6日にFAとなった。

オリオールズ復帰 

2010年1月26日にボルチモア・オリオールズと1年契約を結んだ[20]。オリオールズでは97試合の出場で打率.269、9本塁打、39打点、OPS.679とやや低調な成績を残していた。

パドレス時代

2010年7月29日にウィン・ペルツァーとのトレードで、優勝争いを繰り広げていたサンディエゴ・パドレスへ移籍[21]。オリオールズ所属時と比べて約40試合ほど出場試合数が少ない中、59試合に出場し、打率.268、8本塁打、32打点、OPS.730と移籍前を上回る成績を残した。オフの11月1日にFAとなった。

ジャイアンツ時代

2010年12月2日にサンフランシスコ・ジャイアンツと1年契約を結んだ[22]

2011年は開幕ロースター入りしたが、7月19日に下腹部の故障で、15日間の故障者リスト入りした。8月16日に復帰したが、91試合の出場で打率.239、4本塁打、OPS.596と低迷。8月31日にDFAとなり[23]、9月8日に解雇された[24]

2度目のオリオールズ復帰

2012年5月8日に古巣のオリオールズとマイナー契約を結んだ[25]。AAA級ノーフォーク・タイズで36試合に出場していたが、6月25日に自身の要望で退団した[26]

ロイヤルズ時代

2012年12月31日にカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約を結んだ[27]。1年契約でメジャー復帰を果たせば年俸110万ドル(約9500万円)で、さらに40万ドル(約3400万円)の出来高払いが含まれる。

2013年はシーズン開幕前の3月に開催された第3回WBCドミニカ共和国代表に選出され、3大会連続3度目の選出を果たした[28]。同大会でドミニカ共和国は初となる優勝を果たした。

シーズンでは3月31日にロイヤルズとメジャー契約を結び[29]、開幕ロースター入りした。開幕後は53試合に出場し、3本塁打20打点1盗塁、打率.288と結果を残していたが、8月11日に右脹脛の故障で、15日間の故障者リスト入りした。8月14日に60日間の故障者リストへ異動した[30]。8月17日には薬物規定違反で105試合の出場停止処分を命じられた[31]。オフの10月31日にFAとなった。

マーリンズ傘下時代

2014年5月19日にマイアミ・マーリンズとマイナー契約を結んだ[32]。8月2日に解雇された[33]

メキシカンリーグ時代

2015年1月27日にリーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボルプエブラ・パロッツと契約[34]。9月にMLBからの引退を正式に表明した[35]が、引退試合として同年冬のドミニカ・ウィンターリーグでプレーする意向を示した[35]。11月には第1回WBSCプレミア12で母国のドミニカ共和国代表の監督を務めたが、グループリーグBで5連敗し、最下位に終わった。

2014年冬季からはドミニカ・ウィンターリーグアギラス・シバエーニャスでもプレーした[36]。2015年9月の引退表明[35]で予告していた通り、2015-16年のウィンターリーグにも出場した[36]。なお2016-17シーズンのプレーオフにも出場記録がある[36]

引退後

2023年6月5日にベースボール・ユナイテッドカラチ・モナークスの初代監督に就任した[37]


  1. ^ a b Miguel Tejada's biography” (英語). JockBio.com. 2008年1月19日閲覧。
  2. ^ 1999 Oakland Athletics Statistics and Roster - Baseball-Reference.com 2008年1月19日閲覧.
  3. ^ a b c d Miguel Tejada from the Chronology” (英語). BaseballLibrary.com. 2008年12月9日閲覧。
  4. ^ The Ballplayers - Miguel Tejada” (英語). BaseballLibrary.com. 2008年12月9日閲覧。
  5. ^ Miguel Tejada 2001 Career Highlights” (英語). 2008年4月8日閲覧。
  6. ^ a b A's Tejada Hits for Cycle” (英語). ロサンゼルス・タイムズ (2001年9月30日). 2018年12月2日閲覧。
  7. ^ Miguel Tejada 2002 Career Highlights” (英語). 2008年4月8日閲覧。
  8. ^ Baseball Awards Voting for 2002 - Baseball-Reference.com 2008年1月19日閲覧.
  9. ^ Baltimore Orioles Batting Leaders - Baseball-Reference.com 2008年1月19日閲覧.
  10. ^ Miguel Tejada 2005 Career Highlights” (英語). 2008年4月8日閲覧。
  11. ^ 2005 American League Expanded Leaderboards - Baseball-Reference.com 2008年1月19日閲覧.
  12. ^ 2006 Tournament Roster[リンク切れ] The official site of World Baseball Classic (英語) 2016年3月7日閲覧 [リンク切れ]
  13. ^ 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007』 89頁. ISBN 978-4-331-51213-5
  14. ^ Miguel Tejada 2006 Career Highlights” (英語). 2008年4月8日閲覧。
  15. ^ a b Miguel Tejada 2007 Career Highlights” (英語). 2008年4月8日閲覧。
  16. ^ テハダ 5選手とのトレードでアストロズへ”. フランス通信社 (2007年12月13日). 2018年12月2日閲覧。
  17. ^ 石山修二 「MLB30球団レポート&全選手個人成績 ヒューストン・アストロズ/HOU 少年との約束通り、テハダが予告ホームラン」『スラッガー』2008年7月号、日本スポーツ企画出版社、2008年、雑誌 15509-7、84頁
  18. ^ Miguel Tejada 2008 Batting Splits” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年12月9日閲覧。
  19. ^ 2009 Tournament Roster[リンク切れ] The official site of World Baseball Classic (英語) 2016年3月7日閲覧 [リンク切れ]
  20. ^ Miguel Tejada rejoins Orioles”. MLB.com Orioles Press Release (2010年1月26日). 2014年5月20日閲覧。
  21. ^ Padres acquire INF Miguel Tejada along with cash considerations from Baltimore in exchange for RHP Wynn Pelzer”. MLB.com Padres Press Release (2010年7月29日). 2014年5月20日閲覧。
  22. ^ Giants sign infielder Tejada to one-year contract”. MLB.com Giants Press Release (2010年12月2日). 2014年5月20日閲覧。
  23. ^ Giants reinstate Pat Burrell from DL; Purchase contract of Brett Pill from Fresno”. MLB.com Giants Press Release (2011年8月31日). 2014年5月20日閲覧。
  24. ^ http://espn.go.com/mlb/story/_/id/6945206/giants-release-aaron-rowand-miguel-tejada-dfa Giants release pair of veterans
  25. ^ Brittany Ghiroli, Greg Luca (2012年5月8日). “Orioles option Berken, activate lefty Phillips”. MLB.com. 2014年5月20日閲覧。
  26. ^ Adam Berry (2012年6月25日). “Tejada asks for, gets release from Orioles”. MLB.com. 2014年5月20日閲覧。
  27. ^ http://kansascity.royals.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20121231&content_id=40814956&vkey=news_kc&c_id=kc Royals sign Tejada, Endy to Minor League deals
  28. ^ 2013 Tournament Roster[リンク切れ] The official site of World Baseball Classic (英語) 2016年3月7日閲覧 [リンク切れ]
  29. ^ Dick Kaegel (2013年3月31日). “Tejada officially added to roster, Duffy to DL”. MLB.com. 2014年5月20日閲覧。
  30. ^ Royals acquire infielder/outfielder Emilio Bonifacio from Toronto”. MLB.com Royals Press Release (2013年8月14日). 2014年5月20日閲覧。
  31. ^ Kansas city's Tejada suspended”. MLB.com Press Release (2013年8月17日). 2014年5月20日閲覧。
  32. ^ Joey Nowak (2014年5月19日). “Marlins ink veteran Tejada to Minor League deal”. MLB.com. 2014年5月20日閲覧。
  33. ^ Miami Marlins release ex-AL MVP Miguel Tejada from minor league deal
  34. ^ Tejada firma con Pericos de Puebla
  35. ^ a b c “Miguel Tejada announces retirement, plans to play Dominican winter ball”. ESPN.com. (2015年9月15日). http://www.espn.com/mlb/story/_/id/13660074/miguel-tejada-announces-retirement-plans-play-dominican-winter-league 2017年8月11日閲覧。 
  36. ^ a b c Miguel Tejada”. LIDOM. 2021年9月7日閲覧。
  37. ^ SIX-TIME ALL-STAR AND FORMER MAJOR LEAGUE BASEBALL MVP MIGUEL TEJADA NAMED MANAGER OF KARACHI MONARCHS” (英語). Baseball United (2023年6月5日). 2023年6月19日閲覧。
  38. ^ a b c スカウティング・レポート『月刊スラッガー』2003年2月号、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-2、26-29頁。
  39. ^ MLB star Tejada pleads guilty to lying about steroids” (英語). Taipei Times. 2009年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月23日閲覧。
  40. ^ テハダ、保護観察1年”. 日刊スポーツ. 2013年10月8日閲覧。
  41. ^ Royals’ Miguel Tejada suspended 105 games by MLB for amphetamines”. The Kansas City Star. 2013年10月8日閲覧。
  42. ^ Astros star Tejada reveals he's two years older than listed” (英語). CBSSports.com (2008年4月17日). 2008年4月18日閲覧。
  43. ^ Tejada acknowledges age discrepancy Shortstop is actually two years older than previously believed” (英語). The Official Site of The Houston Astros. 2008年4月18日閲覧。
  44. ^ Why questions about age, name could pose problems for Tejada” (英語). ESPN.com (2008年4月22日). 2014年4月27日閲覧。






固有名詞の分類

ボルチモア・オリオールズの選手 マイク・フラナガン  マーク・コーリー  ミゲル・テハダ  アール・ウィーバー  アル・バンブリー
オークランド・アスレチックスの選手 ライアン・グリン  イーノス・スローター  ミゲル・テハダ  マーク・エーカー  ニック・スウィッシャー
サンディエゴ・パドレスの選手 ダン・セラフィニ  エウロ・デラクルス  ミゲル・テハダ  マーカス・ジャイルズ  ブレット・ブーン
ドミニカ共和国の野球選手 ナタナエル・マテオ  エウロ・デラクルス  ミゲル・テハダ  ホセ・バルベルデ  カンディド・ヘスス
ヒューストン・アストロズの選手 エリック・アンソニー  ジョージ・カルバー  ミゲル・テハダ  ドワイト・グッデン  ホセ・バルベルデ
ミッチェル報告書に記載された選手 バート・ミアディッチ  ケビン・ブラウン  ミゲル・テハダ  ジョン・ロッカー  エリック・ガニエ

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