マスコット マスコットの概要

マスコット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 18:08 UTC 版)

身辺に置いて大切にする人形や、何らかの団体(グループ)のシンボルとする動植物やものなどである[1][注 1]

語源

英語の"mascot"という語の語源に関してははっきりしていないところが多く、また、この言葉が人々の間で広く使われるようになったのは19世紀のオペレッタ作品によるので、まずは19世紀の用法から説明し、そこから順に古い方へと起源を辿る形で説明を試みる。

一般にこの言葉が広まったのは、1880年にフランスの作曲家エドモンド・オードランフランス語版が制作した『マスコット』("La Mascotte")という題の喜劇オペレッタによる。これは、ある家に棲みついた妖精がその家に住むイタリア人農夫に幸運をもたらす、という物語である[2]。 これは翌1881年には、かなりトーンダウンした形で英語に翻訳され英語圏で上演され、このような意味・用法が人々の間に広まった。オードランが作品名にmascotteという言葉を用いた19世紀、フランスの方言には「mascotte」という語があり、魔法使いの魔術、親身になってくれる妖精、幸運をもたらすもの、といった意味で用いられていた[2]

このフランス語の方言の「mascotte」の起源ははっきりしないが、おそらくプロバンス語の「mascoto」(「魔法使い」や「おまじない」)である。(というのも、ナルボンヌの1233年の写本では、「mascoto」は、女からの誘惑、賭けごとにおける魔法などの意味で使われているから。)[2]。このmascotoの語源は、masco(「魔法使い」)で、その起源をさらに辿ると、古プロバンス語の「masca」で、そのmascaの起源となると、確かなことはわからないが、中世ラテン語のmasca(「顔をかくすもの」「幽霊」なったのではないかと言われている[要出典]

スポーツマスコット

デンバー・ブロンコスではThunderという名の生きている馬がマスコット。

アメリカ合衆国では、大学やプロのスポーツチームがしばしばそのマスコットによって識別される。最初期のスポーツマスコットの一つは1908年シカゴ・カブスのものである[3]

ミリタリーマスコット

Royal Regiment of Walesではヤギがマスコットになっている。
アメリカ合衆国のシンボルであるハクトウワシは、同国では大統領の紋章のほか、海兵隊やSEALSのエンブレムとしても採用されている

軍事におけるマスコットは、アメリカ軍イギリス軍を始めとする軍隊組織に古くから普及していた。アメリカ海兵隊エンブレムに描かれているハクトウワシやブルドッグ等はよく知られた例である。また、イギリス軍の連隊の多くはそれぞれの生きた動物をマスコットにしており、ヤギのウィリアム・ウィンザーなどのマスコットをパレードの際にひきつれて歩く光景がよく見られる。

スペイン外人部隊の各隊もヤギをマスコットにして、パレードや式典に帯同させている。ノルウェー軍の中のノルウェー郷土防衛隊の楽隊は、イギリススコットランドエディンバラを訪問する際に「ニルス・オーラヴ」という名前のキングペンギンを連れている。

ミリタリーマスコットが実際に従軍した事例としては、「不沈のサム」やサイモンなど各国海軍の船乗り猫や、ポーランド軍のヴォイテクなどが知られている。


注釈

  1. ^ シンボルにふさわしい動物を選ぶと、結果として、アイデンティティを表現したもの、となることも多い

出典



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