ヘプタクロル ヘプタクロルの概要

ヘプタクロル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/28 06:01 UTC 版)

ヘプタクロル
IUPAC名1,4,5,6,7,8,8-ヘプタクロロ-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン
分子式C10H5Cl7
分子量373.32
CAS登録番号76-44-8
形状白色粉末
密度1.58 g/cm3, 液体
相対蒸気密度 (空気 = 1)
融点95–96 °C
沸点135–145 °C/1–1.5 mmHg
SMILESClC1(C(Cl)2Cl)C(C=CC3Cl)
C3C2(Cl)C(Cl)=C1Cl
出典ICSC 0743

特性

接触毒および食毒として作用する。外見は白色の粉末で、純度の低いものは黄褐色を呈する。類縁化合物としてクロルデン (chlordane) が挙げられる。日本では1957年農薬として登録されたが、1972年に取り消されている。

特に土壌病害虫やシロアリに対して、またマラリアを媒介するハマダラカ属のカへの対策、そして植物防疫剤(農薬)として使用された。

ヒトに対しては肝臓への障害と中枢神経の過剰刺激を引き起こす。発癌性も疑われている。ヘプタクロルは非常に安定した構造を持つため、自然の環境下では何十年間も分解されずに残る。土壌中の半減期は2年以下である。

経緯

1962年レイチェル・カーソンの著書『沈黙の春』がその安全性に疑義を唱えた[1]アメリカ合衆国環境保護庁はヘプタクロル製品の販売を禁止し、実質的にあらゆる用途から閉め出した。

2001年に採択されたストックホルム条約において、12種類の残留性有機汚染物質の製造・販売・使用の禁止が決定されたが、そのなかにはヘプタクロルも含まれている。

参考文献

Carson, Rachel 著、青木築一 訳(英語) 『沈黙の春』新潮文庫、1974年 (原著1962年)。ISBN 0395683297 

脚注

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