ブロッコリー 食材

ブロッコリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 05:03 UTC 版)

食材

ブロッコリー、生
100 gあたりの栄養価
エネルギー 141 kJ (34 kcal)
6.64 g
糖類 1.7 g
食物繊維 2.6 g
0.37 g
飽和脂肪酸 0.039 g
一価不飽和 0.011 g
多価不飽和 0.038 g
2.82 g
トリプトファン 0.033 g
トレオニン 0.088 g
イソロイシン 0.079 g
ロイシン 0.129 g
リシン 0.135 g
メチオニン 0.038 g
シスチン 0.028 g
フェニルアラニン 0.117 g
チロシン 0.05 g
バリン 0.125 g
アルギニン 0.191 g
ヒスチジン 0.059 g
アラニン 0.104 g
アスパラギン酸 0.325 g
グルタミン酸 0.542 g
グリシン 0.089 g
プロリン 0.11 g
セリン 0.121 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(4%)
31 µg
(3%)
361 µg
1403 µg
チアミン (B1)
(6%)
0.071 mg
リボフラビン (B2)
(10%)
0.117 mg
ナイアシン (B3)
(4%)
0.639 mg
パントテン酸 (B5)
(11%)
0.573 mg
ビタミンB6
(13%)
0.175 mg
葉酸 (B9)
(16%)
63 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(4%)
18.7 mg
ビタミンC
(107%)
89.2 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(5%)
0.78 mg
ビタミンK
(97%)
101.6 µg
ミネラル
ナトリウム
(2%)
33 mg
カリウム
(7%)
316 mg
カルシウム
(5%)
47 mg
マグネシウム
(6%)
21 mg
リン
(9%)
66 mg
鉄分
(6%)
0.73 mg
亜鉛
(4%)
0.41 mg
マンガン
(10%)
0.21 mg
セレン
(4%)
2.5 µg
他の成分
水分 89.3 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

栄養価の高い緑黄色野菜で、緑色の花蕾を食用とする[6]。野菜としてのは冬場の12月 - 3月で、蕾が盛り上がって固く締まり、茎(軸)は太い円形で空洞がない瑞々しいものが市場価値の高い良品とされる[10][3]。鮮度のよいものほど柔らかく、食味はキャベツやカリフラワーに似ており、灰汁がほとんどなく、茹でるとほのかに甘味を感じることができる[6]。紫色種は緑色種とほとんど変わりなく、茹でると緑色に変わる[6]

基本的には生食に向かないため、薄い塩水につけて蕾の中のゴミを出してよく洗い、葉を切り落として茹でる[6]。茹でる際は塩を加えると色鮮やかに仕上がり、ある程度歯ごたえが残るように固ゆでした方が美味しい[6]。茹で上がりはザルに広げて手早く冷ますのが基本で、水につけて冷ましてしまうと蕾に水を多く含んで食べたときに水っぽく感じてしまう[29]

日本では茹でたままや、下茹でした上で酢の物和え物サラダマリネに調理されて供されることが多い[6]スープシチューグラタンの具、炒め物パスタの具、天ぷら糠漬け(主に茎)にすることもある[30][6]。茎の部分の外皮は、筋が硬く食感が悪いことがあり、その場合は表面のかたい部分を切り落としてから調理するとよい[12]

花蕾と茎を5ミリメートル大に細断した「ブロッコリーライス」が生産・販売されている(野菜を米飯の代用品とする「ベジライス」の一種)[31]

また、発芽したての子葉胚軸カイワレダイコン同様スプラウトもやし)として食用にすることがあり、そうしたものはブロッコリースプラウトと呼ばれる。

栄養素

ビタミンBビタミンCβ-カロテンビタミンK鉄分を豊富に含む[3]。ブロッコリーは茎の部分も食べることができ、花蕾と同様の栄養素が含まれているが、食物繊維も多く含まれている[12]

緑黄色野菜の中ではカロテン量は少ない方であるが、葉物野菜と違い一度にたくさん食べることができるため、栄養的には有用である[6]。β-カロテンは体内でビタミンAに変化し、鉄分の吸収を助け、粘膜を健康に保つ作用があり、抗酸化作用を発揮してがん動脈硬化予防に役立つとされる[6]

ビタミンCは特に豊富で、茹でることで減少しても、生レモンイチゴより含有量が多い[12][6]。鉄分と葉酸(ビタミンB群の一種)は、貧血の予防に役立つ[6]。ビタミンKは、カルシウムの吸収を助ける働きがある[3]。また、野菜からなかなか摂りにくいビタミンEも含んでいる[6]

それぞれ栄養素の成分が多いだけではなく、吸収を助け合う栄養素がバランスよく含まれていることで、効率よく栄養を取ることができる野菜といえる[12]

保存

すぐに蕾が黄色くなってきて口当たりも悪くなるため、収穫したらすぐに使うのが望ましいが、生のまま保存するときは、茎の切り口を水で湿らせたペーパーで包んでから、ラップやポリ袋で全体を包んで冷蔵すると4 - 5日程度持つ[6]。加熱してから保存するとよく、花蕾を小房に分けて固ゆでしたら、保存袋などに入れて冷蔵するか、冷凍する[3][6]。保存温度は低いほうがよく、野菜室程度の温度では花蕾が育ち花が咲くこともある。そうなると味と食感が落ちるが、食用は可能である。

薬効作用と薬物相互作用

実験動物を対象とした試験において、いくつかの薬効作用と薬物相互作用が報告されている。

かつてアメリカ国立がん研究所が、がん予防効果がある食材として発表した「デザイナーフーズ計画」の中で、高い評価を受けていた[6]。特にスルフォラファンは、発芽3日目のスプラウトで濃度が最も高くなると言われている[21]


注釈

  1. ^ 土壌中のカビを原因とし、根が感染して細胞が異常増殖してこぶ状になる。主にアブラナ科植物に発生しやすい。
  2. ^ 土中の細菌が原因で、植物の傷から入って地面近くの葉や茎がドロドロに軟化して腐敗する病気[22]
  3. ^ 糸状菌(カビ)を原因とする病害で、土壌から根を伝って感染すると苗が萎縮して枯死する。

出典

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Brassica oleracea L. var. italica Plenck”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月11日閲覧。
  2. ^ 藤田智・編著『旬を育てる 旬を味わう 野菜づくり大図鑑』講談社, ISBN 978-4062137539 より
  3. ^ a b c d e f g h i j 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 49.
  4. ^ 外間数男 ほか「パラグアイにおける野鳥による野菜被害」『沖縄農業』Vol.43 no.1 p.67-78, hdl:20.500.12001/4781
  5. ^ メグ・マッケンハウプト 著、角敦子 訳『キャベツと白菜の歴史』原書房〈「食」の図書館〉、2019年4月23日、29頁。ISBN 978-4-562-05651-4 
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 講談社編 2013, p. 136.
  7. ^ a b 星川清親. “ブロッコリー”. 日本大百科全書(ニッポニカ)(コトバンク). 2021年8月9日閲覧。
  8. ^ 蔬菜栽培法』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  9. ^ 果樹蔬菜品種一覧表. 果樹蔬菜品種一覽表』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  10. ^ a b c d 主婦の友社編 2011, p. 152.
  11. ^ a b c d e f 藤田智監修 NHK出版編 2019, p. 140.
  12. ^ a b c d e f g h i 主婦の友社編 2011, p. 153.
  13. ^ ブロッコリー「重要な野菜」に昇格”. 読売新聞. 2024年1月21日閲覧。
  14. ^ a b c d 主婦の友社編 2011, p. 157.
  15. ^ a b c d e f g 主婦の友社編 2011, p. 156.
  16. ^ ブロッコリーの栽培方法 農林水産省
  17. ^ 山田式家庭菜園教室 ブロッコリー タキイ種苗
  18. ^ a b 金子美登 2012, p. 140.
  19. ^ ブロッコリー|基本の育て方と本格的な栽培のコツ”. アグリコネクト. 2021年1月27日閲覧。
  20. ^ a b c 金子美登 2012, p. 141.
  21. ^ a b c d e f 藤田智監修 NHK出版編 2019, p. 141.
  22. ^ 金子美登 2012, p. 252.
  23. ^ 作物統計調査>作況調査(野菜)>確報>平成24年産野菜生産出荷統計>年次>2012年”. e-Stat. 総務省統計局. 2014年11月6日閲覧。
  24. ^ 農産物輸出の推進 ブロッコリー”. 豊橋田原広域農業推進会議. 2014年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月19日閲覧。
  25. ^ 「カリフラワーとブロッコリー、盛衰くっきり 変わる食卓」朝日新聞デジタル2013年3月25日閲覧
  26. ^ ブロッコリー「重要な野菜」に昇格…購入量増加、半世紀ぶり「指定野菜」に”. 読売新聞オンライン (2024年1月21日). 2024年1月23日閲覧。
  27. ^ 作物統計調査 作況調査(野菜) 確報 平成28年産野菜生産出荷統計 年次 2016年
  28. ^ a b FAOSTAT” (英語). FAOSTAT. FAO. 2022年3月8日閲覧。
  29. ^ 主婦の友社編 2011.
  30. ^ 主婦の友社編 2011, p. 155.
  31. ^ 「野菜のご飯 ブロッコリーライス 供給を開始/全農」日本農業新聞』2020年1月13日(1面)2020年1月25日閲覧
  32. ^ Zhang, Y; Kensler, T. W.; Cho, C. G.; Posner, G. H.; Talalay, P. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1994 91, 3147–3150.
  33. ^ Fahey, J. W.; Zhang, Y.; Talalay, P. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1997, 94, 10367–10372.
  34. ^ Basten, G. P.; Bao, Y.; Williamson, G. Carcinogesis 2002, 23, 1399–1404.
  35. ^ 谷中昭典、田内雅史、山本雅之ほか「スルフォラファン含有食品,ブロッコリースプラウト摂取による H.pylori 胃炎軽減作用と胃癌予防の可能性」『日本補完代替医療学会誌』2007年 4巻 1号 p.9-15, doi:10.1625/jcam.4.9
  36. ^ 木下弘貴 ほか「ブロッコリー抽出加工食品(ブロリコ)の継続摂取によるヒトの自然免疫賦活作用に関する試験」『薬理と治療』Volume 40, Issue 6, 489 - 494 (2012)
  37. ^ 岸本祐太郎、深田充輝、二橋文哉ほか「第39回日本呼吸器内視鏡学会学術集会 -学術プログラム・演題・抄録集- Posterセッション 第2日 P39-6 「ブロリコ」による薬剤性肺炎の1例」『気管支学』2016年 38巻 Suppl号 p. S331-S393, doi:10.18907/jjsre.38.Suppl_S331
  38. ^ 吉田緑、中江大、前川昭彦「Indole-3-carbinolによる雌ラット肝臓および子宮中のcytochrome P450酵素の発現パターンについて」日本トキシコロジー学会学術年会 第32回日本トキシコロジー学会学術年会 セッションID:O-6, doi:10.14869/toxp.32.0.39.0
  39. ^ 岩本祥子、須永克佳、原田園子 ほか「ドキソルビシン, メルファランおよびメトトレキサートの抗腫瘍効果に影響する食品の検討」『日本栄養・食糧学会誌』2011年 64巻 6号 p.393-401, doi:10.4327/jsnfs.64.393
  40. ^ “Broccoli and Bad Faith”. PAUL KRUGMAN (『ニューヨーク・タイムズ』). (2012年4月29日). http://www.nytimes.com/2012/03/30/opinion/krugman-broccoli-and-bad-faith.html?_r=2&smid=tw-NytimesKrugman&seid=auto 2012年5月30日閲覧。 
  41. ^ “結婚式の新定番 ブロッコリートスやラストバイト”. アメーバニュース. (2013年3月19日). オリジナルの2014年1月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140113155632/http://yukan-news.ameba.jp/20130319-265 2015年6月24日閲覧。 






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