フレガート (レーダー)とは? わかりやすく解説

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フレガート (レーダー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/18 13:37 UTC 版)

フレガートロシア語: Фрегат: Fregatフリゲートの意)は、ロシアサリュート設計局により開発された艦載3次元レーダー。順次に改良・発展型が配備され、ソビエト連邦海軍およびロシア海軍において、対空捜索用として広く採用されている。

フレガート/フレガート-M

MR-710「フレガート」
種別 3次元レーダー
開発・運用史
送信機
周波数 S(E)バンド
送信尖頭電力 30kW
アンテナ
走査速度 15
探知性能
探知距離 145–150 km (78–81 nmi)
後に300kmまで延伸
探知高度 30 km (98,000 ft)
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MR-710「フレガート」: Фрегат)は、もっとも初期に開発された機種であり、NATO名Top Steer(トップ・スティア)。主任設計官はレオニード・A・ロジオノフであった。

前任のMR-310「アンガラーA」(NATO名 Head Net)などと同様に、180度背中合わせに配置した2つのレーダー面をもつバック・トウ・バック方式を採用しており、これは以後のフレガート・ファミリーにおいても踏襲された。本機においては、アンテナとしては縦長と横長のパラボラアンテナが1面ずつ用いられている。使用周波数はS(E)バンド (2〜2.5 GHz)、最大探知距離は、当初は145–150 km (78–81 nmi)であったが、後の改修で300 km (160 nmi)まで延伸された。

またのちに、改良型のMR-710M「フレガート-M」: МР-710М «Фрегат-М»)を経て、2面のアンテナのうちの縦長のパラボラアンテナを四角形のプレーンアンテナに変更したMR-710M-1「フレガート-M1」が登場した。これは「プレート・スティア」のNATO名を付与された。

搭載艦

MR-710「フレガート」
MR-710M「フレガート-M」
MR-710M-1「フレガート-M1」

フレガート-MA

フレガート-MAE-5
種別 3次元レーダー
開発・運用史
送信機
周波数 S(E)バンド
アンテナ
走査速度 12
探知性能
探知距離 最大: 300 km (160 nmi)
有効: 230 km (120 nmi) (対戦闘機)
探知高度 30 km (98,000 ft)
その他諸元
重量 9.6 t
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MR-750/760「フレガートMA」: Фрегат-МА)は、アンテナを両面ともにプレーンアンテナとするとともにデジタル信号処理を導入したシリーズの最新型であり、「トップ・プレート」のNATO名を付与されている。

搭載艦

フレガート-M2

「フレガート-M2」: Фрегат-М2)は、シリーズの軽量型として開発された。現在では発展型の「フレガート-M2EM」(Фрегат-М2ЭМも配備されており、こちらは、有効探知距離230 km(対戦闘機)、50 km(対ミサイル)とされている。

搭載艦

フレガート-MAE

フレガートMAE: Фрегат-МАЭ)または MR-755 はフレガート-MAシリーズの輸出型であり、最大探知距離150 kmとされている。

「フレガート-MAE」および「フレガート-MAE-1」はプレーンアンテナ1面のみを有しており、Half Plate(ハーフ・プレート)のNATO名を付与されている。これらの背面には、アメリカのAN/SPS-6で見られたような風圧バランス用のベーンが設置されている。

一方、「フレガート-MAE-2」および「フレガート-MAE-5」は「フレガート-MA」と同様にプレーンアンテナ2面を有しており、Top Plate-B(トップ・プレートB)のNATO名を付与されている。

MR-750「フレガートMA」
「フレガート-MAE」

搭載艦

382型レーダー

Type 382 installed on a 054A型フリゲート.

382型レーダー・H/LJQ-382 レーダーと、フレガート-MAE-3との関係は明らかではない。2015年にサラ・キルヒバーガーおよびジェーン海軍年鑑2015–2016によってフレガートの一種もしくはそのリバースエンジニアリングバージョンとされたが[1][2]、ポール・シュワルツはロシアのレーダーに比べて「かなり進歩している」と述べている[3]。2020年、ヴェルトハイムは中国の呼称と併せて Top Plate という用語を使用した[4]

搭載艦

脚注

出典

  1. ^ Kirchberger 2015, p. 197.
  2. ^ Jane's 2015, p. 144.
  3. ^ Paul 2015, p. 30.
  4. ^ Wertheim 2020.

参考文献

関連項目




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