フォーミュラ・ニッポン チーム名

フォーミュラ・ニッポン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/21 10:22 UTC 版)

チーム名

シリーズ発足に際し多くのファンに親しみを持ってもらうため、全エントラントは従来のエントラント名や車名(スポンサー+マシン)ではなく、野球サッカーで一般的な“チーム名”を使用した。これはレース界で初の試みであった。

JRP中期計画

2009年 - 2011年

FN09(Swift 017.n)
(シェークダウンテストにて)

JRPは、2007年8月26日に「2009〜2011 JRP中期計画報告会」を開催し、2009年以降の基本方針および新規導入車両を発表した。これはシリーズのさらなる活性化を目指して、新たな取り組みを開始するものであった。

基本方針
  • 世界から目標とされるシリーズの構築
  • ファンの満足度アップとなる、最も面白いレースの提供
  • 新シャシー、新エンジンの導入
  • 新規レースの調査・研究(市街地レース、オーバルレース)
  • ハイブリッド、水素、バイオエタノールなどの環境に配慮したエンジンの研究
  • 大会数は最大で国内10戦・海外1戦とし、パシフィックエリア開催を目指す
車両(スウィフト・エンジニアリング社製)
  • 日本独自のカテゴリーとして、今までにない斬新なデザインの追求(先進性と変化)
  • よりスリリングなレース展開が可能な車両
  • 最低3年間使用可能な安全性と耐久性の確保
シャシー新旧比較
FN09(新型車両) FN06(旧型車両) 備考
全長 4,775mm 4,667.5mm
ホイールベース 3,000mm 3,000mm
車両最大幅 2,000mm 1,800mm 車両中心線からタイヤ外側まで実測で1,000mm以内
車体最大幅 1,600mm 1,450mm ウイングを除く、ボディワークの最大幅
フロントウイング幅 1,800mm 1,450mm
リヤウイング幅 1,220mm 1,000mm
車両重量 670kg 666kg ドライバー搭乗時
燃料タンク容量 115L 135L 車体サイドに設ける給油口から給油可能な最大値
ミッション リカルド社製6速 ヒューランド社製6速 共にパドルシフト
ブレーキ PFC社製6ピストン ブレンボ社製4ピストン
フロントタイヤ 235/55R13 235/55R13
リヤタイヤ 340/620R13 340/620R13
安全基準 2006年F1に基づく 2002年インターF3000に基づく
エンジン
  • より多くのエンジンメーカーが参加しやすいレギュレーションを確立する
  • 現状の音量規制を遵守し、且つ、より魅力のある音を追求する
  • 目標出力600hp以上
  • 3.4L、V型8気筒
  • 最低重量120kg
  • 3レースで使用できるエンジンは1基とする
  • オーバーテイクボタンの搭載
エンジン新旧比較
新型エンジン 現行エンジン 備考
排気量 3,400cc 3,000cc
出力 600/hp+α 550/hp
気筒数 V型8気筒 V型8気筒 バンク角90°
吸気 自然吸気 自然吸気
重量 120kg 127kg エアボックス、エアフィルター込み
回転数制限 10,700rpm 10,300rpm
回転数制限方式 ECU ECU

上記の2009年シャシー及びエンジンのスペックから、ハード面での大幅なパフォーマンスアップが期待された。また、エンジンに関しては2009年からのSUPER GTのGT500クラスと基本設計は同じものを使用した。

2012年

本来であれば、FN09の導入から3年が経過する2012年は新型シャシーの導入時期となり、それに併せて新しい中期計画が発表されるのが通例であったが、2011年のシーズン開幕前記者会見でJRP社長の白井裕は、新型シャシー導入について「昨今の経済情勢を踏まえると難しいだろう」と語り、非公式ながら当面の間従来のFN09をアップデートしながら継続使用する考えを示した[4]。その後2012年3月に、FN09は2013年まで使用し、2014年から新シャシーに切り替えるスケジュールが明らかにされている[5]

なお将来的には、新たにハイブリッドシステム「System-E(仮称)」を導入する方針である。当初はエネルギー回生を行わないシステムとなる予定だったが、2011年9月に行われたテストではF1における運動エネルギー回生システム(KERS)相当のシステムとなった[6]。基本システムは共通とするもののバッテリーについては自由競争とすることで、バッテリーメーカー間の開発競争が起きることを期待している[4]。ただ当初は2012年からの導入を予定していたが、その後導入時期が2014年[5]→2015年と延期されている。

それ以外に、2012年からはシンガポールでのレース(現在のシンガポール市街地コースではなく、新設するサーキットでのレースを予定)を行う方針で調整が進められていたが[4]、運営会社が入札時に不正を行ったことが明るみに出たこともあり工事は中断し、結局「開催の話は白紙に戻った」という形になった[5]

2012年3月26日の開催概要発表会にて「フォーミュラ・ニッポン」の名称はこの年限りとし、一般公募で選ばれた新名称を2013年より使用することが発表され[7]、8月5日に新名称を「全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ」に決定したことが発表された[8]

歴代チャンピオン

  • エンジンチューナー部門は2004年までの開催
ドライバー
(所属チーム/マシン)
チーム
(マシン)
エンジンチューナー
1996年 ラルフ・シューマッハ
X-JAPAN Racing Team Le Mans/レイナード無限東名
X-JAPAN Racing Team Le Mans
(レイナード・無限・東名)
東名エンジン
1997年 ペドロ・デ・ラ・ロサ
SHIONOGI TEAM NOVA/ローラ・無限・尾川)
SHIONOGI TEAM NOVA
(ローラ・無限・尾川)
尾川自動車
1998年 本山哲
LEMONed Racing Team Le Mans/レイナード・無限)
LEMONed Racing Team Le Mans
(レイナード・無限)
東名エンジン
1999年 トム・コロネル
PIAA NAKAJIMA RACING/レイナード・無限)
PIAA NAKAJIMA RACING
(レイナード・無限)
尾川自動車
2000年 高木虎之介
(PIAA NAKAJIMA RACING/レイナード・無限)
PIAA NAKAJIMA RACING
(レイナード・無限)
尾川自動車
2001年 本山哲
excite TEAM IMPUL/レイナード・無限)
TEAM 5ZIGEN
(レイナード・無限)
東名エンジン
2002年 ラルフ・ファーマン
(PIAA NAKAJIMA RACING/レイナード・無限)
PIAA NAKAJIMA RACING
(レイナード・無限)
東名エンジン
2003年 本山哲
(TEAM IMPUL/ローラ・無限)
TEAM IMPUL
(ローラ・無限)
東名エンジン
2004年 リチャード・ライアン
DoCoMo TEAM DANDELION RACING/ローラ・無限)
mobilecast TEAM IMPUL
(ローラ・無限)
東名エンジン
2005年 本山哲
arting RACING TEAM with IMPUL/ローラ・無限)
mobilecast TEAM IMPUL
arting RACING TEAM with IMPUL
(ローラ・無限)
not held
2006年 ブノワ・トレルイエ
(mobilecast TEAM IMPUL/ローラ・トヨタ
mobilecast TEAM IMPUL
(ローラ・トヨタ)
2007年 松田次生
(mobilecast TEAM IMPUL/ローラ・トヨタ)
mobilecast TEAM IMPUL
(ローラ・トヨタ)
2008年 松田次生
LAWSON TEAM IMPUL/ローラ・トヨタ)
LAWSON TEAM IMPUL
(ローラ・トヨタ)
2009年 ロイック・デュバル
(NAKAJIMA RACING/スウィフトホンダ
NAKAJIMA RACING
(スウィフト・ホンダ)
2010年 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
Mobil 1 TEAM IMPUL/スウィフト・トヨタ)
Mobil 1 TEAM IMPUL
(スウィフト・トヨタ)
2011年 アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S/スウィフト・トヨタ)
PETRONAS TEAM TOM'S
(スウィフト・トヨタ)
2012年 中嶋一貴
(PETRONAS TEAM TOM'S/スウィフト・トヨタ)
DOCOMO TEAM DANDELION RACING
(スウィフト・ホンダ)

ルーキー・オブ・ザ・イヤー

  • 2008~2011年の開催
ルーキー・オブ・ザ・イヤー
2008年 平手晃平
(TP Checker TEAM IMPUL/ローラ・トヨタ)
2009年 塚越広大
HFDP RACING/スウィフト・ホンダ))
2010年 山本尚貴
(NAKAJIMA RACING/スウィフト・ホンダ)
2011年 中嶋一貴
(PETRONAS TEAM TOM'S/スウィフト・トヨタ)

  1. ^ JAFモータースポーツニュース No.193
  2. ^ マレーシア出身のアレックス・ユーンやインド出身のナレイン・カーティケヤン。また、以前はスリランカ出身のディランタ・マラガムワがスリランカ政府の後押しを受けて参戦していたこともある。
  3. ^ ホンダは、2009年のSUPER GTではこのエンジンを使用せず、2010年のSUPER GTからNSX-GTに代わり投入するHSV-010 GTにおいて初めて使用した。
  4. ^ a b c [Fニッポン2011]ハイブリッド導入、バッテリー開発は競争 - Response・2011年3月8日
  5. ^ a b c フォーミュラ・ニッポン、2012年シーズンの開催概要を発表、2013年から新名称へ - CAR Watch・2012年3月26日
  6. ^ システム Eの第1回テストが鈴鹿で行われる - フォーミュラ・ニッポン公式サイト 2011年9月14日
  7. ^ Fニッポンのシリーズ名称公募へ。13年から採用 - オートスポーツweb 2012年3月26日
  8. ^ 新シリーズ名「スーパーフォーミュラシリーズ」を発表 - フォーミュラ・ニッポン公式サイト、2012年8月5日






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