ビーチング・アックス 路線の再開

ビーチング・アックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/13 14:09 UTC 版)

路線の再開

1960年代のビーチングによる鉄道廃止以来、道路の交通量は大幅に増え、地域によっては交通麻痺に近い状態になっている。これに加えて近年は鉄道旅客輸送量が記録的な水準に増加し、複数の廃止路線が復活している。

これに加えてかなりの数の廃止駅が再開され、また旅客輸送が廃止されていた路線でも再開されている。こうした例の多くは旅客輸送局が地域の旅客鉄道輸送を促進する役割をしている都市部にある。

ロンドン

今では廃止されたグレーター・ロンドン・カウンシルによって行われた検討の後、ファリンドン駅の南のスノー・ヒルトンネル (Snow Hill tunnel) では1986年に旅客輸送が再開され、セント・パンクラス駅からのミッドランド本線と、かつてのサザン鉄道ロンドン・ブリッジ駅経由で連絡できるようになった。テムズリンクと名付けられたこの路線は、今ではロンドンの南北を結ぶ鉄道路線となり、ベドフォード (Bedford) からブライトンを連絡して、成功を収めている。その廃止はビーチングによるものではなかったが、この成功はビーチングの手法と反対に、鉄道を拡張することの可能性を示した。イーストロンドン線は、かつてブロード・ストリート駅 (Broad Street railway station) へ通じていた区間を再開しようとしている。

南部

ビーチングの斧と別の理由で1967年に廃止されたヴァーシティー線英語版(→イースト・ウェスト・レール英語版)の一部と、オックスフォード - ビスター線英語版は、イギリス国鉄の部門であるネットワーク・サウスイースト (Network SouthEast) により1987年に再開された。バーシティー線の西側の区間の全線再開は2028年となる見込みである。チルターン本線 (Chiltern Main Line) のプリンセス・リスバラからアインホー・ジャンクション (Aynho Junction) までは1998年に再度複線化された。ハンプシャーのチャンドラーズ・フォード (Chandler's Ford) は、ビーチングの斧により1969年に廃止された駅を2003年に新しく開設した。ロンドン-エールズベリー線 (London to Aylesbury Line) は、かつてのグレート・セントラル本線に沿って北へ全く新しいエールズベリー・ベール・パークウェイ駅 (Aylesbury Vale Parkway railway station) まで延長されることになっており、2008年12月に開業する計画である。かつて貨物専用となったイーストリー (Eastleigh) からチャンドラーズ・フォードまでの路線は旅客輸送が再開された。

イースト・ミッドランズ

注目すべき再開としては、ノッティンガムシャーノッティンガムからマンスフィールド (Mansfield) を経由してワークソプ (Worksop) までのロビン・フッド線英語版があり、1990年代初頭に再開した。かつてマンスフィールドはイギリスで鉄道がない最大の町であった。

ウェスト・ミッドランズ

ウェスト・ミッドランズでは、従来のスノーヒル駅を置き換える新しいバーミンガム・スノーヒル駅が1987年に開業した。スノーヒル駅へ通じるバーミンガム市外の下を通るトンネルも、キッダーミンスター (Kidderminster) やウスターまでの路線と共に再開された。これによりロンドンのメリルボーン駅に発着するバーミンガムとロンドンを結ぶ新しいサービスも始まった。スノーヒルからウルヴァーハンプトンへのかつての路線はミッドランド・メトロの路線として再開した。コヴェントリー - ヌニートン線英語版の旅客営業は1988年に再開された。ライトレールや都市鉄道として成功裏に多くの路線が再開されているにもかかわらず、このコンセプトは未だに多くの地方政府の一定しない評価により危機にさらされている。ウォルソールからヘンズフォード (Hednesford) の路線は1989年に旅客営業を再開し、1997年にルージリー (Rugeley) まで延長された。

サウス・ウェールズ

ビーチングは南ウェールズを衰退しつつある工業地域とみなした。この結果、この地域は鉄道網のほとんどを失った。1983年からこの地域では鉄道が復権し、ランハラン駅 (Llanharan railway station) のように32の新駅が開設され、20 マイル(32 キロメートル)以内の4路線が再開された。アバーシノン (Abercynon) - アバーデラ (Aberdare)、バリー (Barry) - ブリッジェンド (Bridgend)、ブリッジェンド - マエステグ (Maesteg) とエブ・バレー線 (Ebbw Valley Line) である。

スコットランド

スコットランドでは、1985年に再開されたエジンバラ - バスゲート線 (Bathgate) が、「路線を試験的に再開し、利用が定着した場合にのみ運行を継続する」というサッチャー政権の新政策の最初の成功例となった。計画では現在、バスゲートからドラムゲロッチ (Drumgelloch railway station) までの15 マイルの区間の再開に着手しており、これによりグラスゴーからエジンバラまでバスゲートを経由するルートが完全に再開されることになる。さらに近年、アーガイル線英語版の4マイル(6.4 キロメートル)の支線を2005年12月に再開し、カーテルロー (Chatelherault railway station)、メリートン (Merryton railway station)、ラークホール (Larkhall railway station) などに1968年以来の鉄道が復活した。 (Stirling-Alloa-Kincardine rail link) スターリング - アロア - キンカーディンレールリンク英語版は2008年5月19日に再開されて、旅客・貨物と共に40年ぶりに運行された。スコティッシュ・ボーダーズでは1969年のウェイヴァリー・ルート英語版の廃止により鉄道駅が存在しなくなったが、2015年9月5日にこのうちのエディンバラ・ウェイヴァリー - ガラシールズ英語版英語版 - ツイードバンク英語版英語版間56.8 kmがボーダーズ・レールウェイとして復活した。また2007年にはイースト・ファイフ・コースト線をリーブン (Leven) からセント・アンドルーズまで開通させる運動が始まっている。

保存鉄道

ミッドランド鉄道の一部であるマンゴッツフィールド駅 (Mangotsfield railway station) からバス・グリーン・パーク駅 (Bath Green Park railway station) までの区間はエイボン・バレー鉄道 (Avon Valley Railway) として再開業した

何本かの路線は保存鉄道として再開業した。








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